恋愛依存症とは?特徴と簡単診断、原因、克服するための7つの方法

恋愛依存症とは?特徴と簡単診断、原因、克服するための7つの方法

「恋人のことが頭から離れず、ほかのことが手につかない」 「連絡が来ないだけで不安でたまらない」 そんな自分に、疲れてしまっていませんか?

好きな人を大切に思う気持ちは自然なものです。ただ、その気持ちが強くなりすぎて、仕事や友人関係、自分の体調まで後回しになっているなら、少し立ち止まって考えてみるタイミングかもしれません。

恋愛依存症は、パートナーや恋愛そのものに心の支えを頼りすぎて、自分の幸せや安心を相手に預けきってしまう状態を指す言葉です。

この記事では、恋愛依存症とは何か、4つのタイプ、男女別の特徴、15問の簡単診断、原因、放置するとどうなるか、克服するための7つの方法と相談先を、順番にわかりやすく解説します。

「もしかして自分も?」と感じている方も、パートナーのことで悩んでいる方も、自分を責めずに読み進めてみてください。

もくじ

恋愛依存症とは?病気との違いと基本

恋愛依存症とは?

まずは「恋愛依存症とはどんな状態なのか」「病気なのか」という基本から整理していきます。

医学的な診断名ではなく「状態」を表す言葉

最初にお伝えしておきたいのは、医学の中に「恋愛依存症」という病名はないということです。

これは状態を表す言葉です。アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)にも「恋愛依存症」という診断名はありませんが、他者に頼りすぎてしまう状態を示す「依存性パーソナリティ障害(依存性パーソナリティ症)」と重なる部分があると考えられています。

「恋愛」という人間関係への依存が、その人の暮らしを強く生きづらくさせている状態を指して、「恋愛依存症」という言葉が一般に使われています。

恋愛が自分の生き方を「束縛」してしまうほどの生きづらさにつながっているなら、それは恋愛依存症と捉えてよい状態といえるでしょう。

やめたくてもやめられない依存の仕組み

厚生労働省は、アルコールや薬物、ギャンブルなどについて、一度始めると自分の意思ではやめられなくなる状態を「依存症」として説明しています。その背景には、脳の中で快感にかかわるドーパミンという物質の働きがあり、くり返すうちにより強い刺激を求めるようになることがあるとされています。
参考:厚生労働省「依存症対策」

恋愛は物質やギャンブルとは違い、厚生労働省の依存症対策の対象にもなっていません。それでも、「相手から連絡が来たときの安心感」「求められたときの高揚感」を何度も求めてしまい、自分でも止めたいのに止められないという点では、依存の形とよく似ています。

また、お酒やギャンブルのように「完全にやめる」ことを目標にしにくいのも恋愛の特徴です。人を好きになることそのものは悪いことではないので、恋愛を断つのではなく、恋愛との距離のとり方や、自分を支えるものを増やしていくことが回復の方向になります。

恋愛体質やふつうの恋愛との違い

「恋愛体質」という言葉もありますが、恋愛が好きで、恋をしているときに生き生きできること自体は問題ではありません。

恋愛依存症かどうかの境目は、恋愛の「量」よりも、恋愛によって自分の生活や心が振り回され、苦しさのほうが大きくなっているかどうかにあります。たとえば、次のような状態が続いているときは注意が必要です。

  • 相手の都合を優先するあまり、仕事や学業、友人との約束を何度も守れなくなっている
  • 相手の反応ひとつで一日の気分が大きく上下し、眠れない・食べられない日がある
  • 関係がつらいと分かっていても、離れることを考えると強い不安でいっぱいになる
  • 恋人がいない期間に耐えられず、すぐに次の相手を探してしまう

恋に夢中になる時期は誰にでもありますが、それが長く続き、自分を大切にできない状態になっているなら、一度立ち止まって見直すサインといえます。

どのくらいの人が当てはまるのか

どのくらいの人が恋愛依存症になるの?

日本で、どのくらいの人が「恋愛依存症」の状態にあるのかを調べた全国的な調査は、現時点では見当たりません。正式な病名ではないため、数を数える基準そのものがないのです。

参考になるのは、近い概念である依存性パーソナリティ障害についての情報です。医学事典の「MSDマニュアル プロフェッショナル版」では、米国の一般集団のうち1%未満が依存性パーソナリティ症を有していると推定され、女性で診断されることが多いとされています。
参考:MSDマニュアル プロフェッショナル版「依存性パーソナリティ症(DPD)」

ただし、恋愛依存症はこの障害と同じものではありません。診断がつくほどではなくても、恋愛になると相手に頼りすぎてしまう傾向は、多くの人が大なり小なり持っているものです。「自分は特別におかしいのでは」と思いつめる必要はありません。

恋愛依存症の4つのタイプ

恋愛依存症の4つのタイプ

恋愛依存症の現れ方は人によって違います。心理学者の伊東明さんの本『恋愛依存症』(講談社+α文庫)では、「共依存」「回避依存」「ロマンス依存」「セックス依存」の4つのタイプに分けて紹介されています。
参考:講談社「恋愛依存症」

ここでは、それぞれのタイプが対人関係の中でどう表れやすいかを見ていきます。

共依存型

共依存型は、お互いがパートナーとの関係にのめり込み、相手がいなくなると強い不安に襲われる状態です。お互いを依存の対象にしてしまっているともいえます。

たとえば一方は「この人は自分がいないとだめになる」と考えて、常に相手のことを優先し、世話を焼き、行動を管理するようになります。もう一方は、してもらうことを当たり前に感じて自分で決めることをやめ、相手に従うようになります。二人の行動が互いを強め合い、悪循環に陥りやすいのが特徴です。

回避依存型

回避依存型は、相手と親しくなりたい気持ちはあるのに、自分が傷つくのを恐れて、一定以上は近づかないように距離をとってしまう傾向です。

親密になりたいのに傷つきたくないというジレンマから、関係が深まりそうになると連絡を減らしたり、急に冷たくなったりします。その一方で、相手から求められずに放っておかれると、さびしさ以上のつらさを感じてしまうのもこのタイプの特徴です。

ロマンス依存型

ロマンス依存型は、穏やかな関係には興味が持てず、恋愛の中のドラマのような刺激を求めるタイプです。

複数の人との恋愛や、不倫・略奪愛など、手に入りにくい恋の過程そのものに強い高揚感を覚えます。その一方で、恋が叶って関係が落ち着くと急に気持ちが冷め、短い期間で関係が終わってしまうことが多いのもこのタイプです。

セックス依存型

セックス依存型は、性的な関係を通してしか、自分が存在してよいという感覚を得られなくなっている状態です。

本人が性的な行為を好きかどうかにかかわらず、自分を肯定するための手段がそこに集中してしまいます。望まない妊娠や性感染症、心身の疲れなど、自分を傷つけるリスクが大きくなりやすいタイプです。

恋愛依存症と回避依存症のカップル

タイプの中でも、相手にしがみつきやすい人(共依存型)と、近づかれると距離をとる人(回避依存型)は、互いに惹かれ合いやすい組み合わせだといわれます。

一方が追いかけるほど、もう一方は離れようとし、離れられるとさらに不安になって追いかける。この「追う・逃げる」のくり返しは、苦しいのに刺激が強く、関係を断ち切りにくくさせます。毎回同じような恋愛を選んでしまうと感じる方は、相手だけでなく、自分がどんな関係に安心を求めているのかを振り返ってみると、手がかりが見えてくることがあります。

共依存について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

恋愛依存症になるとどうなる?5つの特徴

恋愛依存症になるとどうなる?特徴について

恋愛依存症の状態になると、どのような特徴が表れるのでしょうか。男女に共通する中心的なものを5つ紹介します。

  1. 相手の行動や予定を中心に生活が回る
  2. 一人の時間が耐えられない
  3. 相手の好みに自分を合わせてしまう
  4. 相手を常に把握していないと不安
  5. 相手の要求に応えないと捨てられる気がする

相手の行動や予定を中心に生活が回る

自分に自信が持てず相手に頼っている状態では、自分の予定よりも相手の予定を第一に考えてしまいます。

体調やお金、時間の面で本当は無理な予定でも、相手に合わせることを優先するため、少しずつ生活に無理が積み重なっていきます。

一人の時間が耐えられない

相手に合わせて考え、行動することで安心感を得ていると、「自分の時間」に何をすればよいのか分からなくなります。

自分の物差しが相手になっているため、相手がいない時間がとても長く苦しく感じられます。その空白を埋めようとして、さらに恋愛にのめり込んでしまうことにつながります。

相手の好みに自分を合わせてしまう

相手の好みに全て合わせる

相手に好かれたい一心で、自分の考えや価値観を出さなくなります。

服装や髪形、体型はもちろん、考え方や言葉づかい、お金の使い方まで、さまざまな部分で相手に合わせていきます。気づいたときには「本当の自分の好み」が分からなくなっていることもあります。

相手を常に把握していないと不安

相手の行動をすべて知っておかないと不安で仕方がなくなるのも、よく見られる特徴です。

今どこにいるのか、誰と会っているのかを何度も確かめたり、SNSを細かくチェックしたりします。相手がそれを嫌がると、「自分は大切にされていない」と感じて、さらに不安が強まってしまいます。

相手の要求に応えないと捨てられる気がする

「断ったら嫌われる」「応えなければ見捨てられる」という気持ちから、相手の要求を断れなくなります。

相手が支配的にふるまっても逆らえず、自分の考えや価値観を手放して、従うことを受け入れてしまう状態に陥ることがあります。

こうした特徴に「思い当たる」と感じても、それはあなたが弱いからではありません。
苦しさを抱えたまま一人で考え続けると、答えの出ないループに入りやすくなります。

恋愛依存症の女性に多い特徴

恋愛依存症の女性の特徴・症状

ここからは、女性に表れやすいといわれる特徴を紹介します。もちろん性別で決まるものではなく、男性に当てはまることもあります。

相手に尽くす

恋愛相手のことを自分よりも最優先にし、なんでもしてあげたくなります。相手に尽くすことが、自分の存在意義のように感じられていきます。

相手の言いなりになる

相手の要求に応えることが当たり前の感覚になります。次第に自分の意見や価値観が消えていき、最終的には相手に主導権をすべて握られてしまうことがあります。

父親の代わりを求めてしまう

子どものころ、父親から得たかった愛情や安心感を、恋愛相手に求めてしまうことがあります。満たされなかった思いを恋人で埋めようとするため、相手に対する期待がとても大きくなります。

相手を監視してしまう

相手を監視してしまう

相手のすべてを知りたいという気持ちから、行動を見張っていないと不安に駆られます。相手のスマホを見たくなる、行き先を何度も確かめるといった行動が増え、知らないことがあると耐えられなくなってしまいます。

感情が爆発しやすくなる

相手が思いどおりにならなかったり、相手の言動で不安があおられたりすると、感情をコントロールしにくくなります。強い怒りや悲しみから、泣き叫んだり、相手を激しく責めたりしてしまうことがあります。

新たな依存先が見つかると執着しなくなる

今の相手が離れていきそうになると、ここまでに挙げたような特徴が強く出ます。ところが、自分の空白を埋めてくれる新しい相手に出会うと、それまでの相手からはあっさり離れていくことがあります。「好きな人」ではなく「寄りかかれる人」を求めているサインともいえます。

恋愛の悩みは、身近な人にほど話しにくいものです。

恋愛依存症の男性に多い特徴

恋愛依存症の男性の特徴・症状

恋愛依存症というと女性のイメージを持たれがちですが、男性にも見られます。ここでは、男性に表れやすいといわれる特徴を紹介します。

相手への依存心が高い

恋愛関係そのものに頼りきってしまい、ひとつの関係で満たされないと、浮気や不倫などで別の関係をつくってしまうことがあります。満たされない心を埋めるために、恋愛を次々と求める傾向です。

相手への束縛が強い

相手への束縛が強い

自分の価値観で相手を縛り、交友関係や外出を細かく制限しようとします。嫉妬心を抑えられず、パートナーの行動を管理していないと不安で仕方がなくなります。言葉や態度で相手を追いつめるモラルハラスメント(モラハラ)につながることもあります。

相手に暴力(DV)をふるう

見捨てられる不安から、暴力で相手を支配しようとしてしまうことがあります。DV(ドメスティック・バイオレンス)はその最たる例です。

DVを受けている側は、恐怖心から外に助けを求めにくくなります。一方で、暴力をふるう側は周囲にはそれを隠すため、外からは「仲のよいカップル」に見えていることも少なくありません。

相手を親代わりにする

子どものころの母親との関係で十分な安心感を得られなかった場合や、反対に過干渉だった場合、その穴を埋めるために恋人を母親の代わりにしてしまうことがあります。過度に甘えたり、いつも認めてもらおうとしたりする形で表れます。

お金の使い方が乱れやすい

経済的に自立できていないことが多く、ギャンブルなど別の依存とあわせて、お金が消えていくことがあります。デートの費用をパートナーに頼り、借りたお金をまた使ってしまうといった悪循環に陥ることもあります。

高価なプレゼントを贈り続ける

高価なプレゼントで相手を喜ばせることが、自分の価値を確かめる手段になっていることがあります。喜ばれるとうれしくて、もっと高いものを、もっと頻繁にと歯止めがきかなくなってしまう状態です。

恋愛依存症診断!チェックリストで簡単診断

恋愛依存症をセルフ診断!

それでは、あなた自身が恋愛依存症になりやすい傾向にあるかどうか、セルフチェックをしてみましょう。全部で15問あります。今のご自身に照らし合わせてみて下さい。

恋愛依存症をセルフ診断の結果

チェック数:0〜2個
あなたは恋愛依存症にはなりにくい傾向です。自分自身を持って過ごされています

チェック数:3〜5個
あなたは恋愛依存症の体質になりやすい傾向をもっています。パートナーに過度に依存的にならないように心がけましょう

チェック数:6〜8個
あなたは恋愛依存症予備軍です。自分の行動を振り返り、パートナーに依存しているような言動を改めて、自分の軸で物事を考えるようにしてはいかがでしょう

チェック数:9〜11個
あなたは軽度の恋愛依存症です。ご自身もパートナーも、少しずつ生き難くなっていませんか?相手と自分を大切にするために、周囲の声に耳を傾けてみませんか?

チェック数:12〜15個
あなたは恋愛依存症です。既にご自身もパートナーも二人だけの空間に居る事が多くなっており、外部の声も耳に入っていないと思います。どうぞ専門家のアドバイスを得て、少しずつでも今の異常に目を向けてみませんか?

※このチェックリストは、今の自分の傾向を振り返るための簡単なセルフチェックです。医学的な診断ではありません。片思いの相手を思い浮かべて答えても、傾向をつかむ目安になります。

恋愛依存症になる5つの原因

恋愛依存症になる5つの原因は?

なぜ恋愛依存症になってしまうのでしょうか。背景にはいくつもの要因が重なっていることが多く、ひとつに決めつけることはできません。ここでは、よく挙げられる5つの原因を紹介します。

  1. 幼少期の愛情不足と親との関係
  2. 自己肯定感の低さ
  3. 過去の恋愛にとらわれる
  4. 相手に尽くしすぎてしまう
  5. 刺激的な関係に依存する

幼少期の愛情不足と親との関係

子どものころに甘えられる環境が少なかったり、厳しいしつけの中で気持ちを表に出すことを認められなかったりした経験は、大人になってからの恋愛に影響することがあるといわれています。

親(とくに母親や父親)との間で「無条件に受け入れてもらえた」という感覚を持ちにくかった人は、その安心感を恋人に求め、相手から離れられなくなりやすいのです。子どものころの養育者との関係が、人との距離のとり方に影響するという考え方は「愛着」と呼ばれ、愛着の不安定さが大人の恋愛の悩みにつながることもあります。

ただし、親との関係だけで決まるわけではありません。過去を責めるためではなく、「自分はこういう経験から、こんな安心を求めているのかもしれない」と理解するための手がかりとして捉えてみてください。

自己肯定感の低さ

自分に自信が持てず、自己肯定感が低いままだと、相手からの評価で自分の価値を確かめようとしがちです。

他人からの評価がそのまま自分の価値になっている方は、相手の反応ひとつで不安になり、もっと好かれようと無理を重ねます。その結果、親密な関係の中でひずみが生じやすくなります。

自己肯定感について詳しく知りたい方は、自分が嫌い・自己肯定感が低い…。その原因と克服方法を解説(Kimochi)も参考にしてみてください。

過去の恋愛にとらわれる

過去の恋愛で裏切られた経験や、ひどい言葉で傷ついた経験があると、「また同じことが起きるのでは」という不安から、今の相手をつなぎとめようと必死になることがあります。

反対に、うまくいかなかった恋愛を今の恋愛と比べ続けて、目の前の関係を大切にできなくなることもあります。

相手に尽くしすぎてしまう

好きな人に尽くしたいと思うことは、誰にでもある自然な気持ちです。肝心なのはその程度です。

「尽くしたいと思う気持ち」と、実際に自分の生活や健康を削ってまで「尽くしてしまう行動」は別物です。尽くすことが何よりも優先されているなら、それは相手への思いやりというより、尽くすことにとらわれている状態といえます。

刺激的な関係に依存する

浮気や不倫など、恋愛の刺激を過度に求めてしまう行動が抑えられない場合は、依存的な状態と捉える必要があります。

今の関係が落ち着いて刺激がなくなったと感じると、刺激を求めてさまざまな行動をとってしまいます。その高揚感が自分にとっての快楽になっているため、ほかの何よりも優先させてしまうのです。

自分に自信がなく、恋愛がうまくいかないと感じている方は少なくありません。
原因を一人で探り続けるより、専門家と一緒に整理したほうが、見えてくるものもあります。
自分の気持ちの根っこを、少しずつ言葉にしてみませんか。

オンラインカウンセリングKimochi

恋愛依存症になりやすい人の3つの特徴

恋愛依存症になりやすい人の特徴

原因が分かったところで、恋愛依存症になりやすい人に共通する特徴も見ていきましょう。

自分の軸で考えられない

自分に自信がない人は、自分の考えを意識しないまま過ごしていることが多くあります。

相手に合わせる言動が多く、「まかせるよ」という言葉で自分の意見にふたをしてやり過ごしてしまいます。「私はこう思う」と口にする勇気が持てないのです。

大事な決断を他人に委ねがち

進学や就職、住む場所など、人生には自分で決めなければならない場面があります。

これまで大事なことを親に決めてもらってきた人や、自分で決めると失敗すると思い込んでいる人は、決めること自体に強い不安を感じます。その役割を恋人に預けることで、安心しようとしてしまうのです。

自分を守るための行動が多い

自分の軸で考えられない、決断を委ねがちという状態の奥には、「傷つきたくない」という気持ちが働いています。

その結果、「〇〇してくれなかった」「〇〇されたらどうしよう」と、受け身の言葉で物事を捉えるようになり、自分から動く機会を失ってしまいます。

恋愛依存症を放置するとどうなる?

恋愛依存症は病名ではありませんが、そのままにしておくと、心や生活にさまざまな影響が出ることがあります。不安をあおるためではなく、早めに気づくための目安として知っておきましょう。

心身が疲れきってしまう

相手の反応に一喜一憂する毎日が続くと、気持ちが休まる時間がなくなります。眠れない、食欲がない、何をしても楽しくないといった状態が続くこともあり、気分の落ち込みが長引くときは、うつ状態など別の不調が隠れている場合もあります。

仕事や友人関係、お金に影響が出る

相手を優先するあまり、仕事に集中できなくなったり、友人との約束が減って孤立したりすることがあります。プレゼントや相手の生活費を負担し続けて、お金の面で追いつめられるケースもあります。

同じパターンの恋愛をくり返す

苦しい関係が終わっても、心の空白を埋めるために、すぐに似た相手との恋愛を始めてしまうことがあります。「なぜかいつも同じような恋愛になる」と感じるのは、この状態のサインかもしれません。

片思いでも苦しさは同じように起こる

恋愛依存症は、交際している相手との関係だけで起こるものではありません。片思いの相手のSNSを何時間も見てしまう、相手の反応で一日が左右される、ほかのことに手がつかないといった状態も、根っこは同じです。付き合っていないからといって軽く考えず、自分の生活が守れているかを確かめてみてください。

恋愛依存症を克服する7つの方法

これまで見てきたように、恋愛依存症には自分の性格や相手の行動だけでなく、育ってきた環境や今の状況も影響しています。ここでは、恋愛依存症から抜け出すために、今日から少しずつ試せる対処法を7つ紹介します。

  1. パートナーとの距離をとる
  2. 自分の気持ちを聞く
  3. 自分で選択する経験を積み重ねる
  4. 親と自分の意見を分けて考える
  5. 自分自身の好きなところを数える
  6. 恋愛以外に打ち込めるものを持つ
  7. 専門家に相談する

パートナーとの距離をとる

恋愛依存症の状態では、自分と相手の考え方や価値観の境界があいまいになっていることがよくあります。

そのため、意識して物理的な距離をとることが大切です。会う頻度や連絡の回数を少しだけ減らし、相手と離れているときに自分が何を感じるかを書き留めてみましょう。依存に気づくきっかけになります。彼女への依存に悩む男性に向けては、「彼女への依存をやめる方法7つ」で具体的な方法を紹介しています。

自分の気持ちを聞く

相手と自分の境界があいまいになると、「相手がどう思うか」ばかりを考えて、自分の気持ちが出てくる余白がなくなってしまいます。

「今、自分は何を感じているのか」と問いかけて、それを言葉にしてみてください。声に出したり、紙に書いて読み返したりすると、自分を少し客観的に見られるようになります。

自分で選択する経験を積み重ねる

自分で選択する経験を積み重ねる

これまで周りの人に決めてもらうことが多かった方は、自分で何かを選び取る経験が少ないかもしれません。

「朝ごはんに何を食べるか」「休日にどこへ行くか」といった小さなことから、相手任せにせず自分で決めてみましょう。小さな「自分で決められた」の積み重ねが、自分の軸を育てていきます。

親と自分の意見を分けて考える

自分の考えだと思っていたことが、実は親の考えや価値観だったということはありませんか?

子どものころの教えは、自分を守ってくれた大切なものです。それでも大人になった今、その価値観が本当に自分が大切にしたいものと同じかどうかを振り返ってみてください。「これは親の考え」「これは自分の考え」と分けて整理するだけでも、心が少し自由になります。

自分自身の好きなところを数える

人に頼りすぎてしまう方の多くは、自分に自信が持てずにいます。自信がないということは、自分の嫌いなところばかりが目につきやすいということでもあります。

そこで、自分の好きなところやできたことを、毎日ひとつずつ書き出してみましょう。最初は照れくさく感じるかもしれませんが、他人からの評価に頼らずに自分を認める練習になります。

恋愛以外に打ち込めるものを持つ

恋愛依存症は、恋愛が自分にとっていちばん手近で、心の空白を埋めてくれる依存先になっているために起こります。

趣味や運動、学び直し、友人との時間など、恋愛以外に夢中になれるものを持つと、心の支えが一か所に集中しなくなります。恋愛を断つのではなく、自分を支える柱を増やしていくイメージです。

専門家に相談する

自分の努力だけで変えようとしても、長年のくせや心の傷が絡んでいると、一人では難しいこともあります。

心の専門家に話を聞いてもらうと、気持ちを整理し、自分をふり返るきっかけが得られます。カウンセリングでは、不安になる場面や相手との関わり方のパターンを一緒に見つめ、自分に合った対処のしかたを考えていくことができます。

オンラインカウンセリング「Kimochi」では、全員が公認心理師(心理職で唯一の国家資格)のカウンセラーに相談できます。女性のカウンセラーも多く、土日祝日や平日の夜も予約できるため、恋愛の悩みも相談しやすい環境です。顔出し不要で、スマホから相談できます。

こんなことで相談していいのかな、と迷う気持ちこそ、話してみる価値があります。
誰にも言えなかった恋愛の悩みを、まずは安心できる場所で言葉にしてみませんか。

恋愛相談ならオンラインカウンセリングKimochi

パートナーが恋愛依存症かもしれないときの接し方

恋人や家族が恋愛依存症かもしれないと感じて、どう関わればよいか悩んでいる方もいるでしょう。相手を変えようとするより、自分を守りながら関わることが大切です。

責めずに、事実と気持ちを伝える

「依存しすぎ」「おかしい」と相手を責めると、見捨てられる不安が強まり、かえって依存が強くなることがあります。「毎日何十回も連絡が来ると、仕事に集中できなくて困る」のように、起きていることと自分の気持ちを落ち着いて伝えてみましょう。

できないことは引き受けない

相手の不安をすべて受け止めようとすると、今度はあなたが疲れきってしまいます。連絡の頻度やお金のことなど、無理なことは無理と線を引くことが、結果的にお互いを守ります。

相手の世界を広げる手助けをする

二人きりの世界に閉じこもると、依存は強まりやすくなります。友人との時間や、それぞれの趣味を大切にすることを、責めるのではなく自然な形で応援してあげてください。

危険を感じたら一人で抱えない

暴力や脅し、行き過ぎた束縛があるときは、関係を続けるかどうかを一人で判断しようとせず、まわりの信頼できる人や専門家を頼ってください。相談先は次の章で紹介します。

恋愛依存症の相談先は何科?

恋愛依存症は病名ではないため、「どこに相談すればいいのか分からない」という声も少なくありません。くり返してしまう恋愛のパターンを見直したい、誰かにじっくり話を聞いてほしいというときは、カウンセリングが相談先になります。

気持ちを整理したいときはカウンセリング

カウンセリングは、気持ちの整理や自己理解をサポートする場です。不安になる場面や相手との関わり方を一緒にふり返りながら、自分に合った距離のとり方を考えていきます。

オンラインカウンセリング「Kimochi」では、全員が公認心理師のカウンセラーに、顔出し不要・匿名で、スマホから相談できます。土日祝や平日の夜にも相談でき、ビデオのほか文字でやり取りするチャットも選べます。相性が合わなければカウンセラーを変更できるので、話しやすい相手を探しながら続けられます。カウンセリングを受けるのが初めてで不安な方は、カウンセリングは気軽に受けられる?初めてでも安心して利用できる方法を解説(Kimochi)も参考になります。

眠れない、食べられないなど心身の不調が強いときは、心療内科や精神科への相談も考えてください。

暴力や行き過ぎた束縛があるときは DV相談+(0120-279-889)、命の危険を感じるほどつらいときは #いのちSOS(0120-061-338)、身の危険があるときは110番へ。

恋愛依存症と似た症状が見られる病気

恋愛依存症のような症状が見られる病気

恋愛依存症に似た状態が、別の病気や不調の一部として表れていることもあります。ここでは一般的で代表的なものを挙げますが、当てはまるかどうかを自分で決めつけないようにしましょう。

うつ病

  • 原因ははっきり解明されていないが、神経伝達物質の働きやストレスなどが関わると考えられている
  • 憂うつな気分、無気力な状態が特徴
  • 気の持ちようだけで乗り越えるのは難しい
気分の強い落ち込みが続き、日常生活に支障が出る病気です。恋人を失う不安や、関係のつらさが引き金になって気分が沈み込むこともあります。

パーソナリティ障害

  • 日常生活や仕事で周囲と異なる行動や反応を示す
  • 対人関係が上手く築けないことが特徴
  • 本人の性格や素行の問題だけで起こるものではない
物事の受け止め方や反応のしかたに偏りがあり、本人がつらい思いをしたり、周りとの関係がうまくいかなくなったりする状態です。先に紹介した依存性パーソナリティ障害もそのひとつです。

こうした特徴は、本人の性格や意思だけの問題ではありません。

愛着障害・不安障害

  • 幼少期に安定した愛着が築かれにくかったことが背景にある
  • 他者を信頼したり、甘えたりすることが難しい
  • 人間関係に疲れやすく、不安やストレスが高まりやすい
子どものころに養育者との間で安心できる関係を築きにくかったことで、人を信頼したり頼ったりすることが難しくなる状態を指します。

自分の不安に振り回されたり、人間関係に疲れたり、自分も相手も傷つけてしまったりすることがあります。こうした行動がくり返されると、人との関わりそのものに不安を感じ、安心できない日々が続いてしまいます。

自分が恋愛で不安になりやすいタイプかどうかは、「恋愛スタイル診断」で確かめてみてください。

よくある質問

恋愛依存症について、よく寄せられる疑問にお答えします。

Q. 恋愛依存症はなぜ起こるのですか?

ひとつの原因で起こるものではなく、子どものころの親との関係、自己肯定感の低さ、過去の恋愛の傷、今の生活のさびしさなどが重なって起こると考えられています。「自分が悪いから」と責める必要はありません。

Q. 恋愛依存症は自分で克服できますか?

相手との距離のとり方を見直す、自分で決める経験を増やす、恋愛以外の支えを持つといった工夫で、少しずつ楽になる方もいます。ただ、長年のくせや心の傷が関わっている場合は、一人で抱えずに専門家と一緒に取り組むほうが進めやすいことがあります。

Q. 恋愛依存症は発達障害と関係がありますか?

発達障害の特性によって、人との距離感がつかみにくかったり、ひとつのことに強く気持ちが向いたりすることはあります。ただし、恋愛依存症と発達障害を直接結びつけることはできません。特性による生きづらさを感じるときも、一人で抱えずに誰かに話してみてください。

Q. 片思いでも恋愛依存症になりますか?

なることがあります。交際していなくても、相手のことで頭がいっぱいになり、生活や気分が大きく左右されているなら、恋愛依存の状態に近いといえます。簡単診断は、片思いの相手を思い浮かべて答えても目安になります。

Q. 恋愛依存症に関するおすすめの本はありますか?

本文で紹介した伊東明さんの『恋愛依存症』は、4つのタイプの考え方を知るきっかけになる一冊です。本を読んで自分の傾向に気づくのもよい方法ですが、読んでいてつらくなる場合は、無理をせず誰かに話を聞いてもらいましょう。

Q. 無料でカウンセリングを受けられるところはありますか?

無料かどうかだけで選ぶより、続けて相談しやすいかどうかを大切にしましょう。恋愛のパターンを見直すには、同じカウンセラーと何回か話していくほうが進めやすいことがあります。Kimochiでは、相性が合わなければカウンセラーを変更でき、自分に合うプランを選んで続けられます。

Q. 恋愛依存症の人と付き合うのが辛いときはどうすればいいですか?

相手を支えようとするあまり、自分が疲れきってしまっては元も子もありません。できないことは引き受けず、自分の生活や気持ちを守ることを優先してください。暴力や行き過ぎた束縛があるときは、一人で抱えずに外に助けを求めてください。

ここまで読んで、「自分のことかもしれない」と感じた方もいるかもしれません。

まとめ

恋愛依存症について、基本的な考え方から特徴、原因、克服の方法、相談先までを紹介してきました。

この記事のまとめ
  • 恋愛依存症は医学的な病名ではなく、恋愛への依存で生きづらさが強くなっている状態を表す言葉
  • 共依存・回避依存・ロマンス依存・セックス依存の4つのタイプがある
  • 原因には、親との関係、自己肯定感の低さ、過去の恋愛の傷などが重なっていることが多い
  • 克服には、相手との距離のとり方を見直し、自分で決める経験や恋愛以外の支えを増やすことが大切
  • 気持ちを整理したいときはカウンセリングが相談先になる。一人で抱え込まないことが大切

恋愛依存症になってしまう方は、なりたくてなっているわけでは決してありません。生まれ育った環境や、これまでの経験が重なって、自分の特性が強く表れてしまっているだけです。

自分にそのような傾向があると知ることが、第一歩です。自分も相手も大切にできる関係を築くために、この記事が自分を見つめ直すきっかけになればうれしいです。

自分の傾向に気づけたことは、それだけで大きな前進です。
ここから先は、一人でがんばりすぎなくて大丈夫です。
自分に合うカウンセラーやプランを選んで、気軽に試してみてください。

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