共依存とは?陥りやすい人の特徴や克服方法をわかりやすく解説!

「共依存」という言葉を聞いたことがありますか?

共依存とは、他人の感情や行動に過度に影響され、自分の気持ちや幸せを他人に依存してしまう状態のことです。

共依存に陥ると、他人の問題を自分のことのように感じたり、相手の期待に応えようと無理をしてしまうことがよくあります。
その結果、自分自身の評価が下がり、ストレスが増えてしまいます。

この記事では、共依存とは何か、その特徴や共依存に陥りやすい人の性格について、そして共依存から抜け出すための具体的な方法をわかりやすく説明します。

共依存から抜け出し、健全でバランスの取れた人間関係を築くための克服方法を提供しますので、ぜひ最後までお読みください。

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共依存とは?意味を紹介

共依存とは?意味を紹介

共依存は、特定の相手との関係性に過剰に依存し合う心理状態を指します。

この状態では、相手の感情や行動に大きく影響を受け、自分自身のアイデンティティや感情の安定を相手に依存するようになります。共依存は目に見えない複雑な心理状態であり、本人がその状態に気付くまでに時間がかかることが多いです。

一度共依存に陥ると、その状態から抜け出すのは困難で、「つらいけど離れられない」という負のスパイラルに陥ることがよくあります。

共依存の種類

共依存の種類

共依存は、縁故関係や恋愛関係など、身近な人間関係において発生しやすいです。以下に、共依存が現れやすい関係性について詳しく説明します。

親子関係での共依存

親子関係における共依存は、特に母親と子供の間で見られることが多いと言われています。

この関係では、親が子供に対して過剰に介入し、子供の問題や成功に自分の価値を見出す状態が典型的です。

  • 過度な干渉
    親が子供の生活に過度に干渉し、子供の自立を妨げる。
  • 子供への執着
    親が子供に対して過剰な愛情を注ぎ、子供が親なしでは何もできないと感じるようになる。
  • 親の不安
    親が子供の成長や独立を恐れ、子供の生活全般にわたって支配的な役割を果たそうとする。

このような環境で育った子供は、自立することが難しくなり、親がいないと何もできないという感覚が強くなります。

恋愛関係での共依存

恋愛関係における共依存は、パートナーの感情や行動に過度に影響され、自分自身のアイデンティティや幸福感が相手に依存する状態です。共依存的な恋愛関係では、以下のような特徴が見られます。

  • 過剰に尽くしてしまう
    一方が相手に対して過剰に尽くし、相手のニーズを満たすことで自己価値を感じる。
  • 相手の欠点を補おうとする
    相手の欠点や問題を自分が解決しようとすることで、自分の存在価値を確認する。
  • 相手の自立を妨げる
    過度に相手に依存し、相手の自立を妨げることがある。

このような共依存的な恋愛関係は、時にはDV(ドメスティック・バイオレンス)に発展することもあります。

DVの関係では、加害者が被害者に過剰に依存し、被害者も「自分がいないと相手はダメになる」と思い込み、関係から抜け出せなくなることがよくあります。

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夫婦関係での共依存

夫婦関係における共依存は、パートナーの一方が他方の問題や感情に過度に関わり、その解決に全力を尽くす状態です。

この関係では、一方が依存的であり、もう一方が救助者の役割を果たすことが多いです。

  • 過剰なサポート
    一方が相手に対して過剰にサポートし、自分の存在価値を相手の問題解決に見出す。
  • 束縛と尽くし
    相手を束縛しすぎたり尽くしすぎたりすることで、自分自身を苦しめることになる。
  • バランスの崩壊
    関係が一方的なものとなり、長期的にはお互いの成長や幸福感を阻害する。

夫婦関係においても、適度な距離感を保つことが大切であり、過度な依存は避けるべきです。

友人関係での共依存

友人関係における共依存は、互いに過度に依存し合い、自己のアイデンティティや幸福感を友人に頼る状態を指します。

  • 過剰な干渉
    一方が他方の生活に過度に干渉し、友人の決定に強い意見を押し付けることが特徴です。これにより、相手の自由が制限され、自己決定権が侵害されます。
  • 自己犠牲
    友人のために自己犠牲的な行動を取ることで、自分の時間やリソースを無理に捧げることが典型的です。これは、自己価値を友人の評価や感謝に依存する行動です。
  • 見捨てられる恐怖
    見捨てられることへの強い恐怖から、友人の要求や期待に過度に応えようとします。この恐怖が友人に対する依存を深め、自己犠牲的な行動を引き起こします。

このような友人関係は、長期的にはお互いの成長や幸福感を阻害することが多いです。適切な距離感を保つことが重要です。

共依存かもしれない?共依存のチェックリスト

共依存かもしれない?共依存のチェックリスト

共依存は、自分では気づきにくい心理状態です。しかし、いくつかの行動や感情のパターンをチェックすることで、自分が共依存に陥っているかどうかを確認する手助けになります。

以下のチェックリストを使って、自分が共依存の兆候を示しているかどうかを確認してみましょう。










このチェックリストに複数該当する項目がある場合、自分が共依存の可能性があるかもしれません。共依存は自己認識から始まるため、このチェックリストを利用して、自分の行動や感情のパターンを見直してみましょう。そして、必要に応じて専門家のサポートを求めることが大切です。

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共依存に陥ると考えられている原因

共依存に陥る原因は、幼いころの家庭環境や人格、ストレスの影響で起きやすいと考えられています。それぞれの原因を詳しく解説します。。

家庭環境・家族関係

家庭環境は、共依存の発生に大きく影響を与えます。特に、親が子供に対して過度に干渉し、過保護に育てる場合、子供は自分で問題を解決する能力を十分に養うことができず、他人に依存しやすくなります。

親が常に子供の代わりに問題を解決してしまうと、子供は自分の力で困難を乗り越える経験が乏しくなり、成長してからも他者の助けを必要とする傾向が強まります。

また、不安定な家庭環境も共依存の原因となり得ます。家庭内で頻繁にトラブルが起きる場合、子供は安心感や安定感を感じることが難しくなり、他人に頼ることで安心を得ようとするようになります。

例えば、両親が頻繁に喧嘩をしている家庭や、経済的な不安定さが続く家庭では、子供は精神的な安定を求めて他人に依存しやすくなります。

自己肯定感が低い・自尊心の低下

自己肯定感が低い・自尊心の低下

自尊心も共依存の主要な原因の一つです。自分の価値を認めることができないと、他人の承認を得ることで自己価値を見出そうとするようになります。自分に対して否定的な考えを持ち、自分が価値のない存在だと感じる人は、他人に依存することで自己肯定感を保とうとします。

過去のトラウマも自尊心の低下を引き起こし、共依存につながることがあります。幼少期に虐待やいじめを経験した人は、自分に対する否定的な感情を抱えやすく、その結果、他人に依存することでしか自分の価値を感じられなくなることがあります。このような場合、他人の承認や評価を過度に求めることが、共依存の原因となります。

社会的圧力・社会からの期待

社会的な期待や圧力も共依存の原因となることがあります。特に、伝統的な価値観が強く根付いた家庭や社会では、特定の役割を果たすために自分を犠牲にし、他人に依存する傾向が強くなります。

例えば、家族や社会から「良い母親」「良い妻」としての役割を期待される女性は、その期待に応えるために自分を犠牲にし、他人のニーズを優先することで共依存に陥りやすくなります。

職場のストレスも共依存を引き起こす要因となります。職場での過度なストレスやプレッシャーにより、自分一人では対応しきれないと感じる場合、同僚や上司に過剰に頼ることが共依存を引き起こすことがあります。特に、長時間労働や過剰な業務負担が常態化している職場では、社員同士が互いに依存し合い、共依存的な関係が形成されることがあります。

これらの原因が複雑に絡み合うことで、共依存が発生しやすくなります。共依存を予防するためには、自分自身の感情や行動をよく観察し、必要に応じて専門家の助けを求めることが重要です。

強いストレス

幼少期に家庭内で感じたストレスも、共依存に陥る原因とされています。いわゆるアダルトチルドレンと呼ばれる人々は、子どもの頃に受けたトラウマを抱えたまま大人になると、家族以外の人間関係でも共依存が発生しやすいと言われています。

しかし、機能不全家族や幼少期のトラウマがあるからといって、その環境で育った全ての子どもが共依存になるわけではありません。同じ環境下で育った兄弟姉妹でも、性格や感受性、ストレス耐性はそれぞれ異なります。また、家庭以外の学校や友人関係でストレスを感じることも、共依存に影響を与える要因となります。

共依存になりやすい人の6つの特徴

共依存になりやすい人の6つの特徴

共依存は、特定の性格や行動パターンを持つ人に特に見られやすい傾向があります。

以下に、共依存になりやすい人の6つの特徴について詳しく説明します。

  1.  他人のことを優先にしがち
  2. 自己肯定感が低い
  3. 嫉妬深い
  4. 自分の感情や欲求を抑えがち
  5. 人との距離感覚を維持するのが苦手
  6. 見捨てられることへの強い恐怖

1. 他人のことを優先にしがち

共依存になりやすい人は、他人の要求を自分のことよりも優先する傾向があります。常に他人の問題を解決しようとし、自分の欲求や感情を後回しにします。

例えば、友人や家族が困っていると、自分の予定を変更してでも助けようとします。このような行動は一見すると思いやりがあるように見えますが、自分自身の健康や幸福を犠牲にすることになります。

他人の期待に応えることで、自分の価値を見出そうとするため、自己犠牲的な性質が強くなります。このような行動パターンが続くと、自分の人生における主導権を失い、他人のために生きることになります。

2. 自己肯定感が低い

自己肯定感が低い人も共依存になりやすいです。

自己肯定感が低いと、自分自身に対する評価が低く、他人の評価や承認に頼ることになります。自分の価値を感じるために他人からの肯定的な反応を必要とし、そのために他人に過度に依存することがあります。

仕事や家庭で認められることが自分の存在価値を証明する手段となり、それがないと自分が無価値だと感じることがあります。

このような自己評価の低さは、他人に対する過度な依存を引き起こし、共依存の関係を強めます。また、過去のトラウマや失敗経験が自己肯定感を低下させる要因となり、これが共依存の根本原因となることもあります。

3. 嫉妬深い

嫉妬深い

共依存的な人は、他人の行動や関係に対して嫉妬深い傾向があります。特に親しい関係にある人が他の人と親しくすることに対して強い嫉妬心を抱きます。

例えば、パートナーが友人と過ごす時間が増えると、不安や嫉妬を感じ、その結果、過剰に束縛しようとします。このような嫉妬心は、見捨てられるのではないかという不安から来ています。

この不安が強いと、相手を過度にコントロールしようとする行動につながり、相手との健康的な距離感を維持することが難しくなります。嫉妬心は、自分の価値を他人に依存して確認しようとする傾向を助長し、共依存の関係を深めます。

4. 自分の感情や欲求を抑えがち

共依存の人は、自分の感情や欲求を抑え込み、他人のニーズを優先する傾向があります。自分の感情を表現することが苦手で、他人の期待に応えることを優先し、自分の欲求を犠牲にすることが多いです。

友人や家族が自分に頼ってくると、自分の疲れやストレスを無視してでも助けようとします。

この自己抑制は、長期的には自分自身の感情の抑圧を引き起こし、精神的な健康に悪影響を及ぼします。また、自分の感情を抑え続けることで、他人に対する不満や怒りが蓄積し、それが爆発することもあります。

このような自己抑制の行動パターンが続くと、共依存の関係が強まり、健康的な人間関係を築くことが難しくなります。

5. 人との距離感覚を維持するのが苦手

共依存になりやすい人は、他人との適切な距離を保つことが苦手です。相手に対して過度に介入し、自分と他人の間に適切な境界を設けることができません。

例えば、相手のプライベートな問題に過剰に関わり、自分の意見や助けを押し付けようとします。この境界の曖昧さは、相手に対する依存を強め、相手との関係をより一層複雑にします。また、相手からの拒絶や否定に対して非常に敏感で、それに対して過剰に反応することが多いです。

このような行動パターンが続くと、他人との関係が緊張し、ストレスや不安を増大させる原因となります。

6. 見捨てられることへの強い恐怖

見捨てられることへの強い恐怖を持っている人も、共依存になりやすいです。孤独や拒絶を極度に恐れ、そのために他人に過剰に依存し、相手のニーズや要求に応え続けようとします。

パートナーが自分から離れてしまうのではないかという不安が強く、それを避けるために過剰に尽くす行動を取ります。

この恐怖は、過去の経験やトラウマから来ていることが多く、自分が見捨てられることを避けるために他人に依存する傾向が強くなります。この見捨てられる恐怖が強いと、相手に対する過剰な依存が続き、共依存の関係が深まります。

共依存を克服するための5つのポイント

共依存を克服するための5つのポイント

共依存は、本人が自覚しないうちに深刻な問題となることが多いですが、適切な行動を取ることで克服することが可能です。

以下に、共依存を克服するための5つのポイントについて詳しく説明します。

  1. 自分を見直して自己肯定感を高める
  2. 人との距離感を見直す
  3. 自分のことを大切にする
  4. 依存や見捨てられることに対する考え方を変えてみる
  5. カウンセリングを受ける

1. 自分を見直して自己肯定感を高める

共依存を克服するための第一歩は、自己肯定感を高めることです。

自己肯定感が低いと、他人の評価や承認に頼ることで自分の価値を見出そうとします。自己肯定感を高めるためには、自分自身を見直し、自分の長所や成功体験を振り返ることが重要です。

日記を書くことで、毎日のポジティブな出来事や自分の感情を記録し、自己評価を高める手助けになります。また、自己肯定感を向上させるための本を読むことや、肯定的な自己対話を行うことも有効です。自分の価値を認め、他人に依存せずに自己肯定感を持つことで、共依存の関係から抜け出すことができます。

2. 人との距離感を見直す

共依存の関係では、他人との距離感が曖昧になることが多いです。相手に過度に依存したり、逆に相手をコントロールしようとすることで、健康的な人間関係を築くことが難しくなります。

人との距離感を見直すためには、まず自分自身の境界を明確にすることが大切です。自分の感情や欲求を尊重し、他人の問題に過剰に関与しないようにすることが重要です。

友人や家族との関係で自分の限界を伝え、「ノー」と言う勇気を持つことが必要です。また、他人の意見や感情に過度に影響されないようにするために、定期的に自分自身と向き合う時間を持つことも効果的です。

3. 自分のことを大切にする

自分のことを大切にする

共依存を克服するためには、自分自身を大切にすることが不可欠です。

自己犠牲的な行動を続けると、精神的にも肉体的にも疲弊してしまいます。自分のケアすることを積極的に行い、自分の健康や幸福に投資することが重要です。

例えば、趣味や興味を持つ活動に時間を割く、リラックスのための時間を確保する、健康的な食事や運動を取り入れるなど、自分を大切にする具体的な方法を実践することが必要です。また、自己肯定感を高めるために、自分の成功や努力を認め、賞賛することも大切です。

自分自身を大切にすることで、他人に依存せずに健全な人間関係を築く力が養われます。

4. 依存や見捨てられることに対する考え方を変えてみる

共依存の克服には、依存や見捨てられることに対する考え方を変えることが重要です。孤独や拒絶を恐れず、自己依存を高めることで、他人に過度に頼る必要がなくなります。まず、自分の恐怖や不安の根本原因を理解し、それに対処する方法を見つけることが大切です。

過去のトラウマや経験が現在の依存傾向に影響している場合、それを認識し、受け入れることが必要です。また、見捨てられることを恐れる代わりに、自分自身の力を信じ、他人と健全な関係を築くためのスキルを学ぶことも重要です。これには、アサーティブなコミュニケーションや問題解決のスキルを身につけることが含まれます。

5. カウンセリングを受ける

共依存を自分だけで克服するのが難しいと感じる場合は、カウンセリングを受けることが効果的です。

カウンセリングでは、対話を通じて心理的不調を改善し、モヤモヤした気持ちを整理することができます。専門家のサポートを受けることで、自分の行動パターンや感情の根本原因を探り、適切な対処法を見つける手助けをしてもらえます。

カウンセリングでは、自分でも説明しにくいようなモヤモヤした気持ちを対話を通して優しく紐解いてくれます。親や友達ではない第三者に話すことで、共依存の克服の糸口が見える場合もあります。共依存体質の人はコミュニケーションに抵抗感を覚えることもありますが、カウンセリングで自分の気持ちをうまく説明できるか不安なときは、今抱える悩みや不満を紙に書き出すと頭の中が整理され、言葉にしやすくなります。

カウンセリングを始める際には、カウンセリングの注意点もございますので、ご確認ください。

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共依存を克服して自分を大切にしよう!

共依存は複雑な心理状態であり、簡単に抜け出せるものではないかもしれません。しかし、少しずつでも共依存の状態を克服するために行動することが大切です。

自分一人で共依存を克服できるのか不安な場合は、カウンセリングを受ける方法もあります。

特に共依存の原因をうまく理解できなかったり、気持ちの整理がつかず身動きが取れない状態の方には、カウンセリングがおすすめです。自分でもうまく説明できないようなモヤモヤした気持ちでも、対話を通して整理できるかもしれません。

一人でつらいときは、Kimochiのオンラインカウンセリングを検討してみてはいかがでしょうか。共依存とは何か、陥りやすい人の特徴や克服するためのポイントについて、ぜひ理解を深めましょう。

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