人間不信に悩む人の中には、実はとても優しい心を持つ人が多いと言われています。
他人の気持ちに敏感で、人一倍気を遣うあまり、傷ついた経験が心の中で深く残ってしまうのです。
この記事では、人間不信になりやすい人の特徴や恋愛傾向、そして少しずつ心を癒し、他者を信じる気持ちを取り戻すための克服方法について詳しくお伝えします。
人間不信とは?症状からレベルを診断
人間不信とは、「何らかの出来事や要因によって身近な人や他人を信じられない状態」のことを指します。
人間不信になると、「人に頼れない」「対面で話すことが怖い」など、学校や仕事、日常生活の中で困難さを感じることが出てきます。
自分や身近な人が人間不信の状態であるかどうか、8つの質問に答えて診断してみましょう。
- 人の言葉や行動に裏があるのではないかと常に思う
- 人と話すことが怖いと感じる
- 身近な人の行動が気になって何度も連絡したり束縛したりする
- 悩み事があると自分一人で抱え込んでしまう
- 相手と特別な関係になることは怖い
- 自分の本音はなるべく話さないようにしている
- 身近な人が急にいなくなるのではないかと不安になることがある
- 人に頼ることが苦手だ
当てはまるものが6~8つの場合
人間不信になっている可能性がかなり高いです。
日常生活に困難さや辛さを感じている場合、カウンセリングや専門機関の受診をおすすめします。
当てはまるものが3~5つの場合
人間不信になっている可能性が高いです。
相談できる場を見つけたり自分なりのリラックス方法を探したりして早めに対処することを意識しましょう。
当てはまるものが0~2つの場合
人間不信の可能性は低いです。
ただし、何かのきっかけで人間不信になることは誰にでも起こり得るため、日頃から自分の心身の体調変化に目を向けるようにしましょう。
重症になると起こること
人間不信が重症化すると、心や生活に深刻な影響を及ぼすことがあります。
信頼できる人がいないことで、友人や家族との関係が疎遠になり、孤立感が増してしまいます。この孤独は自己評価を低下させ、「自分は誰にも理解されない」と感じることにつながります。
また、他者との関わりに対する不安が常に心にのしかかり、ストレスや不安感が増加します。こうした状況が続くと、精神的なストレスが身体にも影響を及ぼし、健康を損なうこともあります。
人間不信はなぜなるの?きっかけと原因
過去のトラウマ
幼少期や過去の人間関係での裏切りや傷つく経験が、他者を信じられない要因となります。特に、親や大切な人からの拒絶や虐待の経験は、根深い人間不信につながることがあります。
また、信頼していた人から裏切られた経験や、いじめやハラスメント、重要な人の死など人との関係に大きな不安感を生むような出来事を経験すると人間不信になりやすくなります。
自己評価の低さ
自分自身に自信が持てないことから、他者に対しても疑念を抱くようになります。
自己評価が低いと、自分を大切に扱うことができず、他人からの評価を過剰に気にするようになり、信頼感を持つことが難しくなります。
メディアや文化の影響
映画やドラマ、ニュースなどから受ける影響も無視できません。人間関係の裏切りや騙し合いが描かれることが多い現代のメディアは、他者への不信感を増幅させる要因となることがあります。
人間不信と病気の関係
社交不安障害(SAD)
社交不安障害(社交不安症)とは、他者との関わりの中で注目されると、過度の緊張や不安、緊張を感じ、自分の思いをうまく表現できない状態を指します。
いわゆる「あがり症」とは違い、学校生活や仕事などさまざまな社会生活を円滑に送ることができなくなってしまいます。
妄想性パーソナリティ障害
妄想性パーソナリティ障害は、他者の言動を悪意あるものとして解釈してしまい、不信感から様々なことに疑い深くなります。
原因として、遺伝も含めた素因に加えて、成育環境や様々な経験、ストレスが重なること等が考えられています。
複雑性PTSD
複雑性PTSDは、持続的な虐待やドメスティック・バイオレンスなどのトラウマ体験をきっかけとして発症し、PTSDの主要症状(フラッシュバックや悪夢、過剰な警戒心など)に加えて、感情の調整や対人関係に困難があるなどの症状を伴います。
人間不信になりやすい人の特徴
ネガティブな思考
自分自身や周りのことを信じられないため、「どうせ私なんて」「きっと上手くいかないだろう」など、ネガティブな思考に繋がってしまいやすいです。
ネガティブな思考傾向になると、悪循環が起こり、負のループから抜け出しにくくなってしまいます。
相手からの反応が気になりがち
わざとネガティブな発言や態度をとることで、心配してくれるか、自分のことを嫌いにならないかと相手の反応を見る、試し行動をすることがあります。
これは「本当は甘えたい、頼りたい」という気持ちの裏返しで、子どもがよくする行動ですが、人間不信の状態でも取りやすい行動になります。
感情の表出が少ない
人間不信の状態では、生きることのエネルギーが低下しているため、嬉しいことや悲しいことを思い切り喜んだり悲しんだりするエネルギーが不足しています。
そのため、表情や動き等に感情の表出が見られないことがあります。
表面的な態度をとる
自分の本音を打ち明けたり、自分らしさを表現したりするときに、他人からの否定に直面すると、とても傷つきます。
特に、人間不信の状態では、このような心の傷を避けたいという思いが強まります。
それが結果として、他人に合わせた答えをするようになったり、平凡で表面的な態度を取るようになる原因となります。
期待しない
人には多かれ少なかれ、周囲の人や未来に期待する気持ちがあるものです。
人間不信の状態では、そのような期待もしないようになります。
「期待しても裏切られたり、がっかりしたりするだろう」「傷つきたくないから期待しない方がいい」と考えてしまうのです。
人間不信の人の恋愛傾向|男女別
人間不信の男性の恋愛傾向
防衛的な態度
人間不信が強まると、男性は恋愛において防衛的になり、相手に心を開くことが難しくなります。過去の経験から他者を信じることができず、感情的な距離を保とうとします。
期待と失望
男性は相手に対して高い期待を抱くことが多く、相手がその期待に応えられない場合に強い失望感を抱きやすいです。この結果、関係が表面的になり、深い愛情を育むことが難しくなります。
感情の抑圧
自分の感情を表現することが少ないため、男性は不安や不満を抱え込みやすくなります。そのため、パートナーとのコミュニケーションが不足し、問題解決の機会を逃すことが多くなります。
人間不信の女性の恋愛傾向
感情的な依存
人間不信が強まると、女性は相手に過度に依存する傾向があります。他者を信用できないため、パートナーに強い感情的なつながりを求め、相手の反応に敏感になります。
強い不安感
女性は相手に対して過度に気を使うことがあり、相手が自分の期待に応えられないと強い不安感や嫉妬心を抱くことがあります。このため、関係における不安が増大し、ストレスを感じることが多いです。
自己犠牲的な行動
信頼を築くために努力しようとするあまり、自分の感情やニーズを抑え込むことが多くなります。相手の気持ちを優先するあまり、自分自身を犠牲にする結果を招くこともあります。
人間不信を克服する方法と治し方
過去の経験と向き合う
人間不信になったことには何かきっかけや原因があるはずです。
自分の過去と向き合うことは、とても勇気がいることです。
しかし日々の生活を安心して送れるように、周りの力を借りながら少しずつ自分の過去と向き合うことで、なにか解決の糸口が見えてくるかもしれません。
自己分析を通して、自分を受け入れる
人間不信になった原因は何だったのか、どうしてそういう気持ちになったのか、出来事や自分の気持ち、性格を分析し、そのままの自分を受け入れていくことが自己分析と自己受容になります。
「〇〇だから悲しかったんだ」「自分はこういう時に不安になりやすい」など、思いを整理して受け入れていくことが、前向きな気持ちを取り戻すことに繋がります。
信頼できる人間関係の築き方
信頼できる人間関係を築くには、相手を信頼することと、自分を信頼してもらうことの両方が必要です。
互いの歩み寄りのペースや温度感が同じだと感じられるように以下のようなことがオススメです。
相手と同じことを返すように意識すると関係が少しずつ深まるかもしれません。
- 相手から挨拶をしてくれたら次は自分から挨拶をする
- 一つ質問をされて答えたら自分も一つ質問をする
- お土産をもらったら今度は自分も渡す
自己肯定感を向上させる
自己肯定感を向上させるには、今の自分自身の状況や気持ちを受け入れることが必要です。
苦手な相手もいるけど安心できる相手もいる、嫌いなこともあるけど集中して取り組めることがあります。
なるべくいいことに目を向けるようにしましょう。
例えば、一日中無気力で寝て時間が過ぎたとき「無駄にした」と思うのではなく「たっぷり休めた」「明日はこれをしよう」と考えたり、失敗したときに「次は同じ失敗をしなそうだ」と学びとして捉えたりして、ポジティブな思考の維持をすることが良いです。
カウンセラーや専門家に相談する
今まで健康な状態が続いていた場合、心療内科やメンタルクリニックといった精神科を受診するということはハードルが高く感じる人もいるかもしれません。
誰でも風邪を引くことがあるように、心の不調も誰にでも起こり得ることであり、治すために専門機関を受診することは回復のための大切な手段です。
対面が不安な場合には、状況に応じたオンラインカウンセリングもあるので、ぜひ活用してみてください。
おすすめのオンラインカウンセリングサービスは「Kimochi」
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まとめ
人間不信について、原因や症状、解決方法について触れてきましたが、あなたやあなたの身近なひとに当てはまるものはあったでしょうか。
長い人生の中で、悲しいことや嬉しいこと、予想外なことが起こり、誰でも人間不信になってしまう可能性はあります。
それでも、一人ひとりがいつかまた勇気を出して一歩を踏み出せるように、優しさに溢れた世の中になることを願っています。
もし、一人が不安で悩みの相談したい場合はオンラインカウンセリングKimochiで相談してみてください。