「HSPなんて損ばかり」「感情の波が激しくて疲れる」「もう少し鈍感になれたら楽なのに」
そんなふうに思ってしまう日、ありますよね。
誰よりも気づきやすく、感じやすく、傷つきやすい。
それが、HSP(Highly Sensitive Person)という気質を持つ人の特徴です。
そしてときに、その繊細さは、自分自身を追い詰めてしまう原因にもなります。
「HSPを治したい」そう思ったとき、まず知ってほしい大切なことを、この記事ではお伝えします。
HSPは「治すもの」ではなく「気質」だからこそ、向き合い方が大事
HSPは、病気ではありません。
生まれ持った“気質”のひとつであり、全人口の15〜20%が当てはまるとされる、決して特別でも異常でもない存在です。
だからこそ、HSPは治すものではなく、“どう付き合うか”を考えるもの。
無理に変えようとすればするほど、自分を否定することにつながり、自己肯定感はますます低下してしまいます。
「もっと強くなりたい」
「涙を我慢したい」
「感情に振り回されずに生きたい」
そう思うあなたは、すでに十分頑張っていて、強くなろうとしている人です。
その強さを「自分を変える力」ではなく、「自分を守る力」として育てていくことが、HSPにとって本当の意味での“強くなる”ことかもしれません。
HSPで感情のジェットコースターに疲れたあなたへ
HSPの人は、外の刺激や人間関係、ちょっとした一言に敏感に反応しやすく、感情の起伏がとても激しくなる傾向があります。
たとえば
昨日は嬉しくて前向きだったのに、今日はちょっとしたことで涙が止まらない
人と話したあとの夜、一人反省会を始めてしまう
予定が詰まっているだけで、心がギュッと苦しくなる
これらはすべて、「気持ちを深く感じ取る力」があるからこそ。
しかし、その“繊細さ”が自分を圧倒してしまうときには、以下のような対処法を取り入れることが役立ちます。
HSPの自分と付き合うヒント
① 感情に名前をつける習慣を持つ
「なんかしんどい」ではなく、「今日は〇〇があったから、疲れてる」と具体化すると、自分を客観視しやすくなります。
② 「今は鈍感でもいい」と自分に許可を出す
いつも人の気持ちに寄り添わなくてもいい。反応しすぎることに疲れた日は、スマホを手放し、自分の心だけに意識を向けてみてください。
③ 環境を整える
音、光、人間関係HSPの人は“合わない環境”に大きなストレスを受けます。静かな場所、温かい音楽、安心できる人間関係が、回復の助けになります。
④ 寝る時間を確保する
「毎日6時間しか寝られない」「本当は倍寝たい」それが今のあなたにとって一番のSOSかもしれません。
睡眠は心のバリア。削られるたびに、繊細な感受性はますますむき出しになってしまいます。
「HSPでよかったことなんてない」その思いを否定しないで
HSPの“強み”について語られるとき、「感性が豊か」「優しい」「人の気持ちがわかる」といった良い面がよく挙げられます。
でも、「今はそんなふうに思えない」「むしろ損ばかりしてる」と感じるのは自然なことです。
現実として、HSPの人はストレスにさらされやすく、誤解されたり、疲れやすかったりします。
「HSPでよかったことなんてない」と感じる日があるのは、
それだけ、あなたが誠実に生きてきた証拠です。
だからこそ、その感情を否定せず、まずは「そう思ってる自分」をそっと認めてあげてください。
おわりに|“強くなる”とは、自分を責めない力を育てること
「HSPを治したい」と思った背景には、
「このままだと生きづらい」「もっと楽に生きたい」という、切実な思いがあるはずです。
それは、あなたが自分の人生を諦めずに、良くしたいと願っている証。
そして、その願いを叶えるためには、自分の繊細さを否定するのではなく、大切に扱うことから始まります。
どうか、ひとりで抱え込まないでください。
あなたの繊細さを理解し、守ってくれる人や場所はきっとあります。
自分の繊細さを、専門家と一緒に見つめてみませんか?
オンラインカウンセリング「Kimochi(キモチ)」は、公認心理師によるオンラインカウンセリングサービスです。
HSPの気質をもつ方のご相談も多数寄せられており、
「ただ話せるだけで楽になった」「自分を否定しなくていいと初めて思えた」などのお声も届いています。
ひとりで頑張るのがつらいときは、少しだけ心を預けてみてください。
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