新しい場所やイベントにはわくわくして飛びこむのに、帰り道にはどっと疲れて一人になりたくなる。人前では明るく話せるのに、家に帰るとさっきの一言を何度も思い返して落ちこむ。そんな「自分の中に正反対の自分がいる」感覚に戸惑っていませんか。
その矛盾した感じ方を説明する言葉として知られるようになったのが「HSS型HSP」です。好奇心旺盛で行動的な面と、繊細で傷つきやすい面をあわせ持つため、周りからも自分でも分かりにくく、「変わってる」「気分屋」と誤解されやすい気質です。
HSS型HSPとは、刺激や新しい体験を求める気質(HSS)と、刺激を人一倍深く受け取る繊細な気質(HSP)の両方をもつ人のことです。医学的な診断名ではなく、自分の傾向を理解するための言葉として使われています。
この記事では、HSS型HSPの意味と心理学的な背景、特徴やあるある、セルフチェック、ADHDなどとの違い、女性・男性や恋愛での傾向、向いてる仕事、つらいときの対処法と相談先までを順番に解説します。
HSS型HSPとは?意味をわかりやすく解説

まずは、HSS型HSPという言葉が何を指しているのか、HSPとHSSそれぞれの意味から確認しましょう。
HSPとHSSの両方の気質をもつ人
HSP(Highly Sensitive Person:ハイリー・センシティブ・パーソン)は、音や光、人の表情や声のトーンといった刺激を深く受け取り、じっくり処理する気質をもつ人のことです。アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱しました。
HSS(High Sensation Seeking:ハイ・センセーション・シーキング)は、新しいことや変化のある体験を求める傾向が強い気質を指します。日本語では「刺激追求型」と訳されることがあります。
HSS型HSPは、この2つがどちらも高い人を指す呼び方です。「新しい体験がしたい」という気持ちと「刺激を受けすぎると消耗する」という感じ方が、同じ人の中に同時にあるのが最大の特徴です。
HSPそのものの意味や特徴をもう少し詳しく知りたい方は、先に次の記事を読んでおくと理解しやすくなります。
心理学でいうHSS(刺激追求)とは
刺激を求める傾向は、心理学では「センセーション・シーキング(刺激追求)」として古くから研究されてきました。アメリカの心理学者マーヴィン・ザッカーマンが測定のための尺度を作り、日本でも1987年に日本語版が作られています(出典:寺崎正治ほか「日本語版Sensation-Seeking Scaleの作成」心理学研究)。
この尺度は、刺激追求を次の4つの側面に分けてとらえています。
- スリルと冒険の追求:スピード感や少し危険のある活動を楽しみたい気持ち
- 経験の追求:旅や音楽、芸術など、まだ知らない体験をしてみたい気持ち
- 脱抑制:にぎやかな集まりなどで、ふだんの枠を外して楽しみたい気持ち
- 退屈しやすさ:同じことの繰り返しや変化のない状況に飽きやすい傾向
アーロン博士は、HSPの人がもつ刺激追求は、危険なことや衝動的な行動よりも「退屈しやすく、旅や新しい食べ物など日々の変化を好む」形で表れやすいと説明しています。HSS型HSPの「刺激好き」は、むちゃをする性格というより、新しさや変化への好奇心だと考えると分かりやすいでしょう。
「アクセルとブレーキ」にたとえられる理由
HSS型HSPの人の心の中は、車のアクセルとブレーキを一度に踏みこんだような状態だと表現されることがあります。アーロン博士は、人には新しいものに近づこうとする働きと、立ち止まって安全を確かめようとする働きがあり、この2つは別々のものだと説明しています(出典:The Highly Sensitive Person「Ignored No Longer」)。
HSS型HSPの人は、近づこうとする力も、立ち止まる力も強い状態です。そのため「行ってみたい」と「やめておいたほうがいいかも」が同時にわき上がり、決めるまでに心の中で大きな綱引きが起こります。博士は、HSPの側面はブレーキというより「進んでも大丈夫か判断する運転手」のような役割だとも述べています。
HSS型HSPは何人に1人?
HSPは「5人に1人」とよく紹介され、アーロン博士の公式サイトでは人口の20〜30%と説明されています(出典:The Highly Sensitive Person(アーロン博士の公式サイト))。
では、そのうち刺激追求も高いHSS型HSPはどのくらいいるのでしょうか。アーロン博士が2023年に自身のサイトで紹介した研究(Acevedo ほか、Current Research in Behavioral Sciences)では、敏感さと刺激追求は互いに独立した特性で、HSPのおよそ半数は刺激追求の傾向も高かったとされています(出典:The Highly Sensitive Person「Highly Sensitive High Sensation Seekers」)。
インターネット上では「HSPの3割」「人口の6%」などさまざまな数字が出回っていますが、出典が示されていないものも多く、測り方によって結果は変わります。何人に1人という数字は、あくまで目安として受け取りましょう。大切なのは割合よりも、自分の中に両方の傾向があると気づくことです。
HSS型HSPになる原因は?
HSS型HSPになる原因が一つに決まっているわけではありません。HSPも刺激追求も、生まれもった気質としての面が大きいと考えられており、そこに育った環境や経験が重なって、いまの感じ方が形づくられていきます。
「親の育て方が悪かった」「自分の努力が足りない」と一つの理由を探す必要はありません。気質そのものは変えにくくても、刺激の量や休み方といった環境は、自分で調整していくことができます。
非HSS型HSP・外向型HSP(HSE)との違い
HSPの中にも、いくつかの傾向の違いがあります。HSS型HSPと混同されやすい2つのタイプとの違いを整理します。
非HSS型HSPとの違い
刺激追求の傾向が強くないHSPは「非HSS型HSP」と呼ばれることがあります。非HSS型HSPの人は、静かで落ち着いた環境を好み、新しいことに飛びこむよりも慣れた場所や人間関係の中で安心して過ごしたいと感じやすいとされます。
- HSS型HSP:新しい体験に自分から近づくが、刺激を受けすぎて疲れる。退屈も苦手
- 非HSS型HSP:刺激を自分から求めることは少なく、穏やかな環境で力を発揮しやすい
非HSS型HSPの人は「刺激を避ける」ことで自分を守りやすい一方、HSS型HSPの人は刺激を避けると退屈でつらくなり、求めすぎると消耗するため、ちょうどよい量を探す難しさがあります。
外向型HSP(HSE)との違い
HSE(Highly Sensitive Extrovertの略)とは、人と関わることが好きな外向型のHSPを指す呼び方です。アーロン博士の公式サイトでは、HSPの約30%は外向的だと説明されています。
HSEは「人との交流」から元気をもらうタイプ、HSS型HSPは「新しい体験や変化」を求めるタイプと考えると区別しやすいでしょう。両方に当てはまる人もいれば、人付き合いは控えめでも一人旅や新しい趣味にはどんどん挑戦する、というHSS型HSPもいます。
HSPのタイプごとの特徴は、次の記事で詳しく紹介しています。
HSS型HSPの特徴とあるある7つ

ここからは、HSS型HSPの人によく見られる特徴を、日常の「あるある」とあわせて紹介します。すべてに当てはまる必要はありません。
①好奇心旺盛なのに、すぐ疲れる
気になるイベントや新しいお店があると行ってみたくなるのに、出かけた先で人の多さや音に圧倒され、予定より早く帰りたくなる。楽しかったはずなのに、翌日は何もできないほどぐったりしている。HSS型HSPの人には、こうした経験がよくあります。
②初対面は得意なのに、そのあと距離を置きたくなる
知らない人にも気さくに話しかけられ、第一印象では「社交的な人」と見られやすいタイプです。けれど、関係が深まるにつれて相手の気持ちを読みすぎて疲れてしまい、少し距離をとりたくなることがあります。
③大胆に動くのに、小さなミスを引きずる
思い切って転職や引っ越しを決められる行動力がある一方で、会議での言い間違いやメールの小さな誤字を何日も気にしてしまいます。周りからは「意外と気にするんだね」と驚かれることもあります。
④飽き性で、熱しやすく冷めやすい
新しい趣味や勉強にのめりこんでも、慣れてくると急に興味が薄れてしまうことがあります。「また続かなかった」と自分を責めがちですが、変化を求める気質の表れと考えることもできます。
⑤目立ちたくないのに、人と違うことが好き
流行の一歩先をいくファッションや、みんなが選ばない選択肢に惹かれます。その一方で、変に思われないか、浮いていないかも気になるため、個性を出しながらも周りの目をうかがう、という複雑な気持ちを抱えています。
⑥自信があるようで、自己肯定感が揺らぎやすい

挑戦する姿は自信満々に見えても、内側では「うまくいかなかったらどうしよう」という不安が強く、一度の失敗で「やっぱり自分はだめだ」と落ちこみやすい傾向があります。行動できる自分と、行動したあとに傷つく自分のギャップに悩む人は少なくありません。
自分を責める気持ちが強いときは、自己否定をいますぐやめるには?も参考にしてください。
⑦一人の時間がないと回復できない
外ではエネルギッシュに過ごしても、そのぶん一人で静かに過ごす時間が欠かせません。予定を詰めこみすぎると、刺激を処理しきれずに気持ちがいっぱいになってしまいます。
HSP全般に見られる日常のあるあるは、HSPあるあるの記事でも紹介しています。
HSS型HSPの強み(天才・頭の回転が速いと言われる理由)
HSS型HSPは、生きづらさばかりが語られがちですが、両方の気質をもつからこその強みがあります。インターネット上で「天才肌」「頭の回転が速い」と言われることがあるのも、次のような特徴が目立ちやすいためでしょう。
- 発想力とひらめき:いろいろな分野に興味をもち、深く考えるため、離れた物事を結びつけた新しいアイデアが生まれやすい
- 行動力と慎重さの両立:新しいことに挑戦しながらも、リスクに早めに気づいて備えられる
- 観察力と共感力:相手の小さな変化に気づき、言葉にならない気持ちをくみ取れる
- 柔軟さ:変化の多い状況を楽しみ、新しい環境にもなじみやすい
- 学ぶ意欲:知らないことを知る喜びが大きく、新しい知識や技術を吸収しやすい
ただし、HSS型HSPであれば誰もが特別な才能をもっている、というわけではありません。「天才」という言葉に自分を当てはめて苦しくなるより、自分が力を出しやすい場面を知ることのほうが役に立ちます。
HSS型HSPが辛い・疲れたと感じやすい理由
HSS型HSPの人がつらさを抱えやすいのは、気質そのものが悪いからではありません。主に次のような理由が重なるためと考えられます。
- 刺激を求めすぎて、気づいたら限界を超えている:楽しさが先に立つため、疲れのサインに気づくのが遅れやすい
- 周りに理解されにくい:活発に見えるので「疲れた」と言っても信じてもらえず、本音を話しにくい
- 自分でも自分が分からなくなる:「やりたい」と「やめたい」が同時にあり、決めたことを後悔しやすい
- 退屈もストレスになる:刺激を減らして休もうとすると、今度は退屈でもやもやしてしまう
アーロン博士も、HSS型HSPの人は刺激追求の側面がHSPの側面の苦手な状況に自分を連れていってしまうことがあり、逆に行かなければ後悔することもある、と両方の側面の間で揺れる難しさにふれています。
「最近ずっと疲れが抜けない」「楽しみだった予定も重く感じる」といった状態が続くときは、心が限界に近づいているサインかもしれません。HSPの限界サインと休み方は、HSPの限界サインとは?で詳しく解説しています。
活発な自分と疲れやすい自分、どちらも本当のあなたです。そのギャップを一人で抱えて苦しくなっているなら、気持ちを言葉にして整理する時間をもってみませんか。
HSS型HSPの診断チェック(セルフテスト)
自分がHSS型HSPに当てはまるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
簡単なチェックリストを使えば、自己診断を試してみることができます。
ただし、HSS型HSPは病気ではないため、これは医療的な正式診断ではありません。
あくまで自分の傾向を知るための参考としてご活用ください。
HSS型HSPの診断の採点方法
各質問に対し、以下の基準で点数をつけてください。
とても当てはまる:5点
やや当てはまる:4点
どちらともいえない:3点
あまり当てはまらない:2点
まったく当てはまらない:1点
結果の目安として、以下のようになります。
- 35点以上:HSS型HSPの特性が強い傾向があります。
- 25~34点:HSS型HSPの特性が一部見られます。
- 24点以下:HSS型HSPの特性はあまり強くないかもしれません。
このチェックリストはあくまで自己理解のためのものであり、正式な診断ではありません。
無料の診断テストと病院での診断について
インターネット上には、HSS型HSPの無料の診断テストがたくさんあります。提唱者のアーロン博士の公式サイトでも、刺激追求の傾向を調べる20項目のセルフテスト(英語)が公開されています(出典:The Highly Sensitive Person「High Sensation Seeking Test」)。ただし博士自身も、こうしたテストは何かを診断したり否定したりするためのものではないと明記しています。
HSS型HSPは医学的な診断名ではないため、病院で「HSS型HSPです」と診断されたり、HSS型HSPを理由に診断書が出たりするものではありません。一方で、気分の落ちこみや不眠などが続いている場合は、気質とは別に心身の不調が起きている可能性があります。そのときは、ひとりで抱えこまずに相談しましょう。
HSS型HSPとADHD・ASD・双極性障害の違い
HSS型HSPの特徴は、発達障害や気分の病気と似て見えることがあります。違いを知っておくと、必要以上に自分を決めつけずにすみます。ただし、どれに当てはまるかを自分だけで判断することはできません。
ADHDとの違い
ADHD(注意欠如・多動症)は、発達障害(神経発達症)の一つです。国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」では、忘れ物や気が散りやすさなどの「不注意」と、落ち着きのなさや待つことの難しさなどの「多動性・衝動性」が主な特性として説明されています(出典:こころの情報サイト「発達障害(神経発達症)」)。
新しいことに飛びつく、飽きやすいといった点は、HSS型HSPとADHDで似て見えます。ただ、HSPは行動の前に立ち止まってじっくり考える傾向が中心にあるのに対し、ADHDは医師が診断する医学的な診断名で、子どものころから続く特性として生活のさまざまな場面に影響が出るものです。
ASDとの違い
ASD(自閉スペクトラム症)も発達障害の一つで、対人関係やコミュニケーションの特性、こだわりの強さなどが特徴とされます。音や光への敏感さが見られることもあるため、HSPと似ていると感じる人もいます。
HSPは人の気持ちに敏感で共感しやすいことが特徴として挙げられる一方、ASDは対人関係の特性そのものが中心にある点で異なります。似ているところがあっても、同じものではありません。
ADHDやASDと併発することはある?
HSPは気質を表す言葉で、ADHDやASDは診断名です。そのため、HSS型HSPの傾向をもつ人が、同時にADHDやASDの特性ももっていることはありえます。「HSS型HSPだと思っていたが、困りごとが仕事や生活に大きく影響している」「子どものころから忘れ物や遅刻が極端に多かった」といった場合は、その困りごとを一度誰かと一緒に整理してみると、自分に合った工夫が見つかりやすくなります。
双極性障害との違い
双極性障害は、気分が高ぶって活動的になる「躁状態」と、深く落ちこむ「うつ状態」をくり返す病気です。こころの情報サイトでは、躁状態のときは眠らなくても平気になったり、浪費が増えたりすることがあり、治療の基本は薬物療法だと説明されています(出典:こころの情報サイト「双極性障害(躁うつ病)」)。
HSS型HSPの人も「出かけて楽しい日」と「ぐったりして動けない日」の差が大きいことがありますが、それは刺激の量に応じた気持ちの波です。睡眠がほとんどいらない日が続く、お金の使い方が極端になるなど、ふだんの自分と明らかに違う状態があるときは、早めに心療内科や精神科への相談も考えてください。
女性・男性のHSS型HSPと恋愛の傾向
HSS型HSPの表れ方に、性別による決まった違いがあるわけではありません。ただ、周りから求められる役割の違いによって、悩みの出方が変わることはあります。
女性のHSS型HSPに見られやすい悩み
女性のHSS型HSPの人は、気配り上手で行動的なため、職場や友人関係で頼られる場面が多くなりがちです。周りの期待に応えようとして予定を引き受けすぎ、一人になったときに疲れが一気に出ることがあります。好奇心から新しいコミュニティに参加しても、人間関係の空気を読みすぎて消耗してしまう、という悩みもよく聞かれます。
男性のHSS型HSPに見られやすい悩み
男性のHSS型HSPの人は、「男性は打たれ強くあるべき」といった周りのイメージから、繊細な面を隠しがちです。挑戦的な姿だけを見せて、傷ついた気持ちや疲れを誰にも話せずにため込んでしまうことがあります。弱音を吐くことは甘えではなく、自分を守るための大切な行動です。
恋愛で起こりやすいこと
HSS型HSPの人は、明るく気が利くので出会いのきっかけが多い一方、恋愛では次のようなことが起こりやすいと言われます。
- 刺激的で少し危うい相手に惹かれやすい
- 付き合い始めは夢中になるが、関係が落ち着くと物足りなさを感じる
- 相手の気持ちを読みすぎて、言いたいことをがまんする
- 会う予定が続くと疲れて、一人の時間がほしくなる
うまく付き合うためには、「活発な面」と「疲れやすい面」の両方があることを、早めに相手に伝えておくのが一つの方法です。「楽しかったけれど今日は一人で休みたい」と言える関係なら、気持ちのすれ違いを減らせます。また、相手の話を聞きすぎて自分を後回しにしないよう、できること・できないことの線引き(境界線)をもつことも大切です。
恋愛の悩みを誰かに相談したいときは、恋愛中の不安が止まらない原因とは?も参考になります。
HSS型HSPに向いてる仕事と働き方
HSS型HSPの人が仕事で力を出しやすいかどうかは、職種の名前よりも「どんな環境で、どんな刺激があるか」で決まる部分が大きいものです。適職を考えるときの手がかりを紹介します。
向いてる仕事の条件
- 適度な変化がある:プロジェクトごとに内容が変わる、新しいテーマに触れられる
- 自分で進め方を決められる:裁量があり、ペース配分を自分で調整できる
- 発想や観察力を生かせる:企画、編集、デザイン、研究など、アイデアや気づきが評価される
- 人の役に立つ実感がある:共感力を生かして、相手の困りごとに寄り添える
- 一人で集中できる時間がある:在宅勤務や個室など、刺激を減らせる場がある
フリーランスや副業など、複数の仕事を組み合わせる働き方を選ぶ人もいます。ただし、変化が多すぎると今度は刺激過多で疲れてしまうため、自分にとってちょうどよい量を探すことが大切です。
向きにくいと感じやすい環境
- 毎日同じ作業の繰り返しで、工夫の余地がほとんどない
- 厳しいノルマや、常に人と競わされる
- 大きな音や人の出入りが多く、休める場所がない
- 意見が通りにくく、やり方を細かく決められている
同じ職種でも、部署や会社によって環境は大きく違います。「事務職だから向かない」と決めつけず、仕事の中身と職場の雰囲気の両方を見て判断しましょう。
仕事が続かないと悩んだときは
HSS型HSPの人は飽き性と言われることもあり、転職をくり返して「自分は仕事が続かない」と悩むことがあります。けれど、それは能力の問題ではなく、刺激の量と環境が合っていないサインかもしれません。
辞めたくなったときは、「何に退屈しているのか」「何に疲れているのか」を書き出してみると、次に選ぶ環境の条件が見えてきます。仕事が続かないときの考え方は、仕事が続かない原因と対処法とは?でも詳しく紹介しています。
HSS型HSPと上手に付き合う6つの対処法
HSS型HSPは病気ではないので、治療して変えるものではありません。気質を理解したうえで、刺激と休息のバランスをとることが、毎日をラクにするポイントです。
①予定に「回復の時間」をセットで入れる
楽しみな予定を入れるときは、その翌日やあとの時間に、何もしない時間をあらかじめ確保しておきましょう。「出かけたら半日は休む」と決めておくだけで、疲れをため込みにくくなります。
②小さな新しさを日常に取り入れる
アーロン博士は、HSS型HSPの人が退屈で落ちこまないよう、毎週なにか一つ楽しみな予定を用意しておくことをすすめています。いつもと違う道を散歩する、新しい料理を作る、気になっていた本を読むなど、大きな刺激でなくても「新しさ」は感じられます。
③疲れのサインを早めに見つける
楽しさに夢中になると、疲れに気づくのが遅れがちです。「人の話が頭に入らない」「音が急にうるさく感じる」「何を食べたいか決められない」など、自分なりの疲れのサインを知っておき、出てきたら休むと決めておきましょう。
④気持ちを書き出して整理する
「行きたい」と「行きたくない」が同時にあるときは、両方の気持ちをノートやスマホのメモに書き出してみてください。頭の中で綱引きをしているより、文字にして眺めたほうが、いまの自分に必要なことを選びやすくなります。
⑤断ることを自分に許す
頼まれると引き受けてしまう人ほど、刺激が増えて疲れやすくなります。すべてに応えなくても、あなたの価値は変わりません。「今回は見送ります」と伝える練習をしてみましょう。
⑥両方の自分を責めない
アーロン博士は、刺激を求める側面と敏感な側面を、どちらかを悪者にせず「チーム」として扱うことをすすめています。行動的な自分も、疲れやすい自分も、どちらもあなたの大切な一部です。
HSS型HSPの悩みを相談できる場所
HSS型HSPの気質そのものは病気ではありませんが、生きづらさが続いて心や体に不調が出ることはあります。次のような状態が続くときは、一人で抱えこまずに相談しましょう。
- 一日中気分が晴れない日が続いている
- 夜眠れない、食欲がない状態が続いている
- 人と会うのがつらく、外出できない日が増えた
- 職場や学校に行けなくなった
こうした状態が続くときは、ひとりで抱えこまずに、気持ちを話せる場所を持つことが大切です。HSS型HSPの人は、外では元気にふるまえる分、まわりに疲れが伝わりにくく、限界まで我慢してしまうことがあります。
カウンセリングでできること
「病院に行くほどではないけれど、この矛盾した気持ちを誰かに分かってほしい」というときは、カウンセリングも選択肢の一つです。カウンセリングは病気を治療する場ではなく、気持ちを整理し、自分の感じ方や考え方のくせを一緒に見つめ直していく場です。
オンラインカウンセリング「Kimochi」では、心理職で唯一の国家資格である公認心理師のカウンセラーに、ビデオ・チャット・ペアの3つのスタイルで相談できます。顔出し不要・匿名で利用でき、登録から最短3時間で相談を始められます。土日祝や平日の夜にもスマホから相談できるので、外出で疲れやすいときも自宅から話せます。相性が合わないと感じたときは、何度でもカウンセラーを変更できます。
料金は月額制で、月1回30分の「ととのいプラン」なら初月3,278円(税込)から始められます。プランやチャットから、自分に合う相談の仕方を選べます。
※初月30%OFFは、初めてご利用の方が対象です。ととのいプラン(月1回30分)の最低登録期間は4ヶ月です。
繊細さに関する悩みをカウンセリングでどう相談できるかは、HSPの相談はカウンセリングでできる?や繊細さんがカウンセリングを受けてみたらどうなる?で詳しく紹介しています。
活発に見えるからこそ、「疲れた」と言える場所が少ないのがHSS型HSPの人のつらさです。誰にも見せていない側の気持ちも、安心して話してみてください。
よくある質問
HSS型HSPについて、よく調べられている疑問にお答えします。
Q. HSS型HSPとは簡単に言うとどんな人?
新しい体験や変化を求める気持ちが強い一方で、刺激を人一倍深く受け取って疲れやすい人のことです。「好奇心旺盛なのに繊細」「行動的なのに傷つきやすい」という両面をもっています。
Q. HSS型HSPは病院で診断してもらえる?
HSS型HSPは医学的な診断名ではないため、病院で診断されたり診断書が出たりするものではありません。ただし、気分の落ちこみや不眠が続くなど生活に支障があるときは、ひとりで抱えこまずに相談しましょう。
Q. HSS型HSPは何人に1人いる?
はっきりした割合は分かっていません。アーロン博士が紹介した2023年の研究では、HSPのおよそ半数が刺激追求の傾向も高かったとされていますが、調べ方によって数字は変わります。
Q. HSS型HSPとADHDは併発する?
HSPは気質を表す言葉、ADHDは医師が診断する発達障害なので、両方の特性をもつ人もいます。困りごとが大きいときや、子どものころから不注意が目立っていた場合は、ひとりで抱えこまずに相談してみてください。
Q. HSS型HSPは変わってると言われやすい?
活発な面と繊細な面の差が大きいため、周りから「つかみどころがない」「変わってる」と見られることはあります。しかし、それは気質の組み合わせによるもので、おかしいことではありません。信頼できる人に、自分の両面を伝えておくと誤解が減ります。
Q. HSS型HSPは仕事が続かないもの?
飽きやすさから転職をくり返す人もいますが、必ず続かないわけではありません。適度な変化や裁量があり、一人で回復できる時間がある環境では、長く力を発揮している人もいます。
Q. HSS型HSPが疲れたときはどうすればいい?
まずは予定を減らし、静かな場所で一人になる時間をとりましょう。休んでも疲れが抜けない、何をしても楽しくない状態が続くときは、専門家への相談も考えてください。
まとめ
HSS型HSPについて、意味から特徴、ほかの特性との違い、仕事や恋愛、対処法まで解説しました。要点を振り返ります。
- HSS型HSPとは、刺激や新しい体験を求める気質(HSS)と、繊細で刺激を深く受け取る気質(HSP)の両方をもつ人のこと
- HSPと刺激追求は別々の特性で、両方が高いと「アクセルとブレーキを同時に踏む」ような葛藤が起こりやすい
- 好奇心旺盛なのに疲れやすい、初対面は得意なのに距離を置きたくなる、などの特徴がある
- 医学的な診断名ではなく、セルフチェックは自己理解のための目安。ADHDやASD、双極性障害とは別のもの
- 仕事は職種名より、変化・裁量・回復できる時間がある環境かどうかで選ぶ
- 回復の時間を予定に入れる、小さな新しさを取り入れる、両方の自分を責めないことが付き合い方のポイント
- 不調が続くときは一人で抱えこまない。気持ちの整理にはカウンセリングも役立つ
行動的な自分と繊細な自分は、どちらかが本物でどちらかが偽物、というわけではありません。両方をもっているからこそ、新しい世界に飛びこみながら、人の気持ちにも寄り添えるのです。
その両面を受け止めてくれる場所があると、心はぐっと軽くなります。疲れた気持ちを一人で抱えこまず、話せる相手を見つけてください。
※Kimochiはオンラインカウンセリングサービスであり、医療行為・診断・診療は行いません。通院中の方は、主治医の許可を得たうえでご利用ください。

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