生きづらいと感じる人に対して「それは甘えた性格のせいだ」という人もいます。
果たして本当にそうでしょうか?
生まれ育った環境やもともとの性質、考え方の癖など「いきづらい」と感じる理由は様々あります。決して「甘え」ではありません。
この記事では、生きづらいと感じる原因と対策についてまとめました。
生きづらいと感じる人の8つの特徴・性格
どのような人が生きづらいと感じるのか特徴や性格を8つを紹介します。
自分に当てはまっているかどうか、特徴・性格を解明していきましょう。
- 空気を読みすぎる、周りに合わせすぎる人
- 自己犠牲が当たり前、我慢強い人
- 白黒ハッキリしたい、完璧主義者
- 自己評価が低い、ネガティブ思考な人
- 些細な事でも不安な繊細さん
- 共感力が抜群、感受性が高い人
- 真面目で倫理観・正義感が強すぎる人
- なかなか心を開けない、疑り深い人
①空気を読みすぎる、周りに合わせすぎる人
空気を読みすぎる人は、まず最初の特徴として、人や場の空気を読みすぎて必要以上に疲れてしまうことがあります。
「自分はどうしたいのか」ではなく、「相手から自分がどう思われるのか」という他人の評価を気にして、無難にその場を凌ぐために神経をすり減らしています。
また、基本的には受け身であり、自分で何かを決断するよりも誰かの指示に従う方の方が気が楽だったりもします。ですが、不満や意見を言えずにストレスがたまりやすいです。
②自己犠牲が当たり前、我慢強い人
自己犠牲が当たり前と思っている人は、事なかれ主義で「自分さえ我慢すれば丸く収まる」という考え方により、自分の感情を蔑ろにしやすいです。
自分が何かを主張することによって相手に面倒に思われるのが嫌で、余計な争いがなく過ごすことを好みます。
相手の考えや気持ち、その場の空気が最優先で、自分の抱いた感情を伝えようとせずに我慢してしまうのです。
一方で自分の意見や考えを抑えることでストレスが溜りやすく、「なぜ自分ばかり」と嘆く人も少なくありません。
③白黒ハッキリしたい、完璧主義者
完璧主義な人は、「白か黒か、0か100か」の両極端な思考で中間のグレーゾーンがありません。
そのため視野が狭くなりがちで、窮屈な考えに囚われがちです。
合格ラインを超えていたとしても100点満点でなければ、不足している部分に注目し、「ダメだった」と自己嫌悪することもあります。
また、他人に対しても許容範囲が狭く不満や疑念を感じる場合もあります。
理想がとても高く、現実とのギャップから不満やストレスが生じやすいです。
④自己評価が低い、ネガティブ思考な人
自己評価が低く、ネガティブ思考な人は、自己肯定感が低く、何事も「自分が悪い」と自分を責めたり追い詰めがちです。
自信のなさから自分と他人を比較して「なぜみんなが出来ることが出来ないんだろう」「自分は周りより劣っているダメな人間だ」と自分を否定してしまう傾向があります。
また、何かを新しく始めようとしてもネガティブ思考により悪い想像しかできず、身動きがとれなくなり、結果生きづらいと感じるのです。
⑤些細な事でも不安な繊細さん
HSPと呼ばれる方が特にこの特徴に当てはまるでしょう。
その場の雰囲気や相手の感情、音・光・味・匂いなど外部からの刺激に対して敏感に反応しやすく、人混みが苦手だったり、慣れない環境では落ち着かずにストレスを受けて神経が疲れやすいです。
また、些細な出来事に対しても不安を強く感じやすい為、日ごろから細部にも気を配りながら生活しています。もともと生まれ持った性質として心配性であったり、不安症であったりするため、他の人から「気にすることないよ」と言われても気になってしまいます。
⑥共感力が抜群、感受性が高い人
感受性が高い人は、「自分は自分、相手は相手」という境界線が薄く、相手からの影響を受けやすいです。
周囲の人の感情を読み取り、深く共感することに長けていますが、相手の気持ちや考えに過剰に同調してしまい、自分の本音を見失ってしまう事があります。
TVや映画などの刺激も受けやすく、深く傷ついたり落ち込んだりして感情が激しく揺れ動く傾向にあります。
穏やかに過ごしたくても情緒不安定になりやすいです。
⑦真面目で倫理観・正義感が強すぎる人
真面目で正義感が強すぎる人は、決められたルールや規律は絶対的なものであり、多少の融通もきかないので些細な逸脱も許せない事が多いです。
自分だけでなく、他の人に対しても同様で「なぜちゃんとルールを守らないのか」「規律を破るなんて最低だ」と不平不満を抱きやすいです。
そのため、芸能人の不倫や犯罪者のニュースでも倫理に反した行いをしたことに対して軽蔑し、怒りの感情やストレスを感じやすいです。
⑧なかなか心を開けない、疑い深い人
疑り深い人は、自分に厳しく、他人に対しても厳しい一面もあるためなかなか人を信用できず、人を頼ることが苦手です。
相手の良心や親切心などの善意を簡単には受け入れられず、助けてほしくても「誰かに頼るくらいなら無理やり自分で何とかする」「こんなことで甘えるなんて、周りからどう思われるかわからない」と意地を張ってしまいます。
人を信じられない分、本当の自分をさらけ出せずに孤立しやすいです。
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生きづらいと感じる5つの原因
特徴や性格について紹介しました。続いて、なぜ生きづらいと感じるのかという原因について見ていこうと思います。
原因を理解することで、解決策が見えてくるはずです。
- アダルトチルドレン
- HSP
- 大人の発達障害
- 愛着障害
- 思考の癖
①アダルトチルドレン
アダルトチルドレンとは、幼少時期に子供が親からの愛情を感じられないまま大人になった人を意味します。
虐待やネグレクト、兄弟間での比較や差別、両親の離婚などさまざまな家庭環境の問題によって心に傷を抱え、人の顔色を伺って行動したり、人との信頼関係が上手く築けない場合があります。
社会生活ではなんとか部分的に適応することはできますが、常に人に対して過度に緊張しているため精神的に疲労しやすいです。
②HSP
生まれ持った性質としてHSPという、周囲の刺激に敏感な繊細な気質を持つ人がいます。
五感以外にも人の感情や場の雰囲気を敏感に感じ取ってしまい、相手からの些細な一言に深く傷ついてしまったり、悩んでいる人の感情に対して過度に同調してしまい自分も落ち込んでしまったり等、周りの刺激に翻弄されやすく疲れやすいです。
HSPではない人の割合の方が多いため、自分の感覚と周囲の環境の差が生きづらいと感じる要因になります。
③大人の発達障害
大人の発達障害として有名なのは主に2つあります。
一つは自閉スペクトラム症、もう一つはADHD(注意欠陥多動性障害)です。
それぞれの発達の特性や認知機能の特性に偏りがあることで、周囲の人間関係に馴染めなかったり、社会生活に支障をきたしています。
知的には保たれていて、大人になるまで発達障害であることを自覚していない場合もあります。
環境に適応できず失敗体験を積み重ね、自己評価が著しく下がっていることが多いです。
④愛着障害
通常私たちは乳幼児期に養育者と愛着形成します。
子供が泣いて親がオムツ替えや授乳を行うことで、子供の要求は満たされ、親子間で信頼関係が築かれます。
その愛着を発達の土台として感情・認知・行動・社会性などが育まれます。
愛着形成が出来ていないと、成長してから人との距離感がわからず人と距離を置きすぎたり、逆に馴れ馴れしい態度になってしまったり人間関係や社会生活に支障をきたします。恋愛も楽しめず、常に心が不安定です。
⑤思考の癖
これまでの人間関係や人生経験、根底にある自己肯定感の低さから、相手から自分への評価を過度に解釈してしまう癖がついている場合もあります。
例えば、自分が声をかけた相手から反応がなかった場合に「自分が嫌われているから」と大げさに捉えることを過大解釈といい、人から褒められたことについて謙遜したり恐縮してしまう場合は過小評価といいます。
いずれも事実と異なり、自身への否定的価値観を増長させる点で生きづらい原因となります。
生きづらいと感じるときはどうすればいい?生きづらさを感じた時の解決方法5選
生きづらさを感じる時にどのようなことをすれば生きやすくなるかを解説します。
生きづらい原因を分析して、自分に合った解決策をお試し下さい。
①パターン別にコミュニケーション方法を考えておく
社会に順応するために「人と同じ」「普通である」ことを意識して、無理に合わせようとすると疲労やストレスが溜まります。
場の空気を読んで臨機応変に対応するのではなく、事前に基本的マナー(知識)やパターン別のコミュニケーション方法を蓄えておくことで場面ごとに「何をすれば良いのか」「自分の言動は正しかったのか」と悩む必要がなくなります。
気を遣いすぎたり、過度に相手を尊重しすぎるなど心の負担を軽減できるようになります。
②自分を客観視する
生きづらいと感じる理由は人それぞれです。
自分自身の性格や特性を理解することで、「なぜ自分は生きづらいと感じるのか」ないしは「どうすれば生きづらさを軽減できるのか」が見えてきます。
まずは自分を客観視したり、周りの人に聞いてみたり、自分と親との関係を分析したりすることで「自分の長所と短所、特性、物事の捉え方の癖」を把握します。
その上で長所を伸ばし、「自分がどうなりたいのか」という目標に集中していると徐々に生きづらさが緩和されていきます。
③自分を守るために辛い事から逃げる
生きづらいと感じる人にはとても真面目で自分に厳しい人が多く、自分が手を抜くことを許せず、出来ない自分を責めてしまいます。
自分自身を追い詰めるのではなく、時として辛い事から「逃げる・避ける・距離を置く」という選択肢を持つことが大切です。
辛いと感じる自分をありのまま認め、自分を守るために辛い事から抜け出すことができたら、ストレスを回避できた自分を褒めるべきです。
④相手と自分を切り分けて捉える
生きづらい人は自分と相手の境界線が薄く、自分と相手を比べては「あの人は出来るのになぜ自分は出来ないんだろう」と落ち込んだり、逆に「あの人は何でこんなことも出来ないんだろう」と相手に対して苛立つ人もいます。
まずは「自分は自分、他人は他人」と切り分けて考えるべきです。
「得意・不得意」、「幸・不幸」も人それぞれです。
相手を尊重するのと同時に自分自身も尊重し、相手と自分は違う人間であることを受け止めるとストレスが軽減されます。
⑤自分を褒める
自己肯定感は自分を褒めることから始まります。
生きづらい人は自分に厳しく自己否定することが習慣になっている場合があります。
マイナス思考によって悩んだり、落ち込むことは神経を消耗させるので、まずは自分を責めずに褒めることが重要です。
自己評価基準のハードルを下げて些細な事でも思い切り自画自賛してください。
他にも好きな事をしたり、面白い事がなくても姿勢を正して無理に笑顔を作ることで脳がプラスの感情を発生させることができます。
生きづらいと感じるのは甘えじゃない
今、生きづらさを感じている人はこれまでの人生をとても一生懸命に生きてきた頑張り屋さんです。
「自分より辛い思いをしている人はたくさんいる」「このくらいで弱音を吐くのは甘えだ」と我慢してしまったり、生きづらいと感じる自分を責めてしまう人もいるかもしれません。
しかし、「生きづらい=甘え」ではありません。育ってきた環境やこれまでの経験、周囲の人々、生まれ持った性質…これまで貴方が懸命に生きてきた証拠です。
この世の中はそもそも生きづらい?
「世界幸福度ランキング」によると、日本は先進国の中で最低順位でした。
特に「選択肢の自由」と「社会の寛容性」の項目が著しく低かったそうです。
日本の特色として以下の3つがあります。
①同調圧力が高い(集団の和を重んじる)
②労働と給与が見合っていない(国民負担が大きい)
③競争社会
これらの特色は近年のコロナ禍でも顕著にみられ、ストレスの増長や経済不振から将来への不安感を抱く人が増えています。
また、ネットやSNSの普及によりあらゆる情報が不特定多数の人間に晒されるようになり、情報の発信者・受け手どちらの立場でもストレスを受けやすくなったと言えます。
【まとめ】生きづらいと感じたときは助けを求めよう
これまで記載してきたように「生きづらい」と感じる人は他の人に頼ることをせず、自分ひとりで悩みを抱え込んできた方が多いかと思います。
まずはこの記事の解決方法を試し、それでも不安感が残っていたら…誰かを頼ってみてください。
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モヤモヤ感は誰かに話を聞いてもらうだけでも軽くなるはずです。貴方はこれまで十分に頑張ってきました。
自分に合う解決法を見つけて、これからの生活が生きやすくなるよう祈っています。