子どものゲーム依存とは?症状とセルフチェック、家庭での対策と相談先

子どものゲーム依存とは?症状とセルフチェック、家庭での対策と相談先

「声をかけてもゲームをやめない」「取り上げようとすると暴れる」「夜中までプレイして朝起きられない」子どものゲームとの付き合い方に、頭を抱えていませんか?

子どもが夢中になれるものを持つこと自体は、悪いことではありません。大人でも、好きなことに没頭して気分転換をするのは自然なことです。ただ、ゲームをやめたくてもやめられず、生活に大きな支障が出ているなら、ゲーム依存の状態に近づいているのかもしれません。

この記事では、子どものゲーム依存(ゲーム障害)とは何か、依存しやすい原因と背景、症状とセルフチェック、家庭でできる対策と接し方、そして親が頼れる相談先までを紹介します。

この記事で分かること

  • WHO の国際疾病分類(ICD-11)での「ゲーム障害」の考え方
  • 子どもがゲームにのめり込みやすい原因と背景
  • ゲーム依存のサインと、親ができるセルフチェック
  • ルールづくりや声のかけ方など、家庭でできる対策
  • 親が頼れる相談先と、親自身の心のケア

もくじ

子どものゲーム依存(ゲーム障害)とは

「ゲームが好き」というだけなら問題はありません。しかし「やめたいのにやめられない」状態になると、生活や人間関係に大きな影響が出てきます。まずは、ゲーム依存の基本的な考え方を整理しておきましょう。

WHO が定めた「ゲーム障害」の考え方

世界保健機関(WHO)は、国際疾病分類の第11版(ICD-11)に「ゲーム障害(gaming disorder)」を収載しています。WHO の解説では、次のような特徴をもつゲームの行動パターンとされています(WHO「Addictive behaviours: Gaming disorder」)。

  • ゲームをする時間や頻度などを、自分でコントロールできない
  • ほかの興味や日常の活動よりも、ゲームを優先するようになる
  • 悪い結果が起きているのに、ゲームを続けたり、さらにのめり込んだりする

さらに、家庭や学校、人間関係などに大きな支障が出ていて、その状態が通常は12か月以上続いていることが目安とされています。WHO は、ゲームをする人のうち、ゲーム障害にあたるのはごく一部だとも説明しています。

日本では、この gaming disorder は「ゲーム障害」「ゲーム症」「ゲーム行動症」などと訳されています(久里浜医療センター「インターネット依存治療部門」)。世の中では「ゲーム依存症」と呼ばれることもあり、この記事でも、一般によく使われる「ゲーム依存」という言葉を使います。呼び方は違っても、大切なのは「ゲームのせいで生活がどれだけ困っているか」という点です。

なお、ゲーム障害かどうかを判断できるのは医師だけです。この記事のチェックは、相談を考えるきっかけとして使ってください。

ゲームがやめられない状態とは

依存に近づくと、ゲームをすることがいちばん大事になり、食事や睡眠といった基本的な生活よりもゲームを優先するようになります。

「あと5分」と言いながら1時間以上続けてしまう、友達との約束よりゲームを選ぶ、といった行動が目立ちはじめます。本人に悪気はなくても、結果として家庭内の衝突や学校でのトラブルにつながりやすくなります。

「ただ好き」と「依存」の違い

ゲームが好きなだけの状態では、学校や友達との時間も楽しみながら、時間を意識して遊べています。ゲーム以外の話題にも自然に興味を持ちます。

一方、依存に近い状態では、ゲーム以外への関心が大きく下がり、やめさせようとすると強いいら立ちや怒りを見せます。大切なのは時間の長さだけでなく、生活の中でどれだけ支障が出ているかです。

子どもがゲーム依存になりやすい原因と背景

子どもがゲームにのめり込む理由は、本人の意志の弱さだけではありません。ゲームの仕組みと、子どもを取り巻く環境の両方が関わっています。

終わりがなく、続けたくなるゲームの仕組み

久里浜医療センターの「情報ボックス」では、オンラインゲームには、無料で始められる、ログインするたびに特典がもらえる、珍しいアイテムが手に入る、更新が続いて終わりがない、といった仕組みがあると紹介されています。

さらに、ゲームの中で仲間と役割を分担していると「自分だけ抜けられない」と感じやすくなります。大人でもやめにくい仕組みを、自分をコントロールする力が育っている途中の子どもが使っていると考えると、親の声かけだけでやめさせるのが難しいのも無理はありません。

現実の生活でのストレスや居場所のなさ

久里浜医療センターの説明によると、ゲームに強くのめり込む背景には、受験や進級のプレッシャー、家族の不仲、学校に居場所がないと感じることなど、現実の生活での問題があるケースも多いとされています(「治療の実際」)。

ゲームの中では認められる、仲間がいる、達成感を味わえる。そうした場所が、現実でつらさを抱える子どもの逃げ場になっていることもあるのです。

スマホ・動画・課金との関係

最近は、ゲーム機だけでなくスマホで手軽にゲームができ、ゲームの合間に動画やSNSを見続けてしまうことも増えています。ゲーム実況などの動画視聴とあわせて、画面を見ている時間全体が長くなっていないかにも目を向けてみてください。

また、ガチャなどの課金が止められず、親のカードで高額な支払いをしてしまうといったトラブルもあります。端末の設定で支払いに保護者の承認が必要になるようにしておくと安心です。

発達障害の特性がある場合

ひとつのことに集中しやすい、気持ちの切り替えが苦手、といった特性のある子どもは、ゲームをやめるタイミングをつかみにくいことがあります。ただし、特性があるから必ず依存になるわけではありません。子どもの特性に合わせた関わり方は、主治医や専門の相談先と一緒に考えていきましょう。

子どものゲーム依存の症状とセルフチェック

「ゲームが趣味の範囲なのか、それとも依存なのか」は、親にとって判断が難しいところです。ここでは、よく見られるサインと、親ができるチェックを紹介します。

よくある症状のサイン

ゲーム依存の子どもに多く見られるのは、次のような行動です。

  • ゲームを中断すると激しく怒ったり暴言を吐いたりする
  • 外出や会話を嫌がり、ゲーム以外は無気力で過ごす
  • 深夜までプレイして睡眠不足が続く
  • 食事や身だしなみに無頓着になる
  • 成績は保てていても、人間関係や生活リズムが乱れる

「勉強はできているから大丈夫」と思われがちですが、気持ちのコントロールや健康面への影響は見逃せません。家庭での会話がとげとげしくなっている、外に出ても楽しそうにしないなど、毎日の過ごし方が変わってきたら注意が必要です。

親ができるセルフチェックリスト

お子さんの様子を振り返りながら、次のような点に当てはまるか確認してみましょう。







3つ以上あてはまる場合は、依存傾向が進んでいると考えられます。すぐに深刻というわけではなくても、生活リズムや親子関係の乱れにつながりやすいため、早めに対応を検討すると安心です。

このチェックは医師の診断に代わるものではありません。当てはまる数が少なくても、心配なことがあれば相談先に話してみてください。

相談を考えるタイミング

「ゲームをしているとき以外はぐったりしている」「外出を嫌がり、家でもいら立ってばかり」という状態は、注意したいサインです。

とくに、昼夜逆転が定着している、暴力的な言動がたびたびある、学校生活に深刻な影響が出ているなどの場合は、専門家への相談を考えてください。親が「もう自分たちだけでは対応できない」と感じたときも、相談してよいタイミングです。

ゲームのことで子どもとぶつかるたびに、親の心もすり減っていきます。ひとりで抱え込まずに、気持ちを整理できる場所を持っておきましょう。

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家庭でできるゲーム依存の対策

依存が心配だからといって、頭ごなしに禁止すると逆効果になることが多いものです。ここでは、毎日の生活に取り入れやすい対策を紹介します。

生活リズムを整える(睡眠・食事・学校)

まずは睡眠・食事・学校といった基本の生活習慣を整えることが大切です。ゲームの時間を削ることよりも、規則正しい生活を優先すると、結果としてゲームに偏りすぎないリズムができていきます。

寝る時間を決める、朝ご飯を一緒に食べるなど、小さなことから始めてみましょう。

子どもと一緒にルールを作る

「平日は1日〇時間まで」「夜〇時以降はしない」といったルールを親が一方的に決めると、強い反発を招きがちです。子どもの意見も聞きながら、どうすれば勉強や睡眠と両立できるかを一緒に考えると、守ろうとする気持ちが生まれやすくなります。

ルールは紙に書いて見えるところに貼る、守れなかったときにどうするかも先に決めておく、といった工夫も役立ちます。

使用時間を制限する機能を活用する

いまのゲーム機やスマホには、使用時間や課金を制限する機能がついています。親が叱って止めさせるのではなく、機械的に「今日はここまで」と区切れるので、余計な衝突を減らせます。設定は子どもと話し合ってから行うと、納得感が生まれます。

ゲームをする場所と置き場所を決める

ゲーム機やスマホを自分の部屋や寝室に持ち込むと、夜中まで続けてしまいやすくなります。「ゲームはリビングで」「寝る前は充電器のある場所に置く」など、使う場所と置き場所を決めておくと、時間を区切りやすくなります。

親がスマホを見続けていると、子どもも納得しにくいものです。食事中は家族全員が画面を見ない、といったルールを家族みんなで守るのも一つの方法です。

ゲームを取り上げる前に考えたいこと

短期的な効果をねらってゲーム機を隠したり、怒鳴って取り上げたりすると、子どもが隠れて遊ぶようになったり、親子の信頼関係が崩れたりすることがあります。暴力につながるおそれもあります。

禁止や脅しより、時間をかけた話し合いのほうが、長い目で見て生活の立て直しにつながりやすくなります。

親子の会話を「叱る時間」にしない

ゲームをめぐる会話が、叱る時間ばかりにならないようにしましょう。「最近どんなゲームをしているの?」「何がおもしろい?」と子どもの気持ちを聞くことで、子どもも安心して自分の思いを話しやすくなります。

ゲームの時間をめぐる衝突が反抗期と重なっている場合は、反抗期はいつまで続くのかと、中学生・高校生への接し方もあわせて読んでみてください。

長く続けるための工夫と親の関わり方

ゲームとの付き合い方を変えるには時間がかかります。うまくいかない日があっても、焦らずに続けられる工夫を取り入れていきましょう。

子どもにとってのゲームの魅力を理解する

達成感、友達とのつながり、ストレス発散など、子どもにとってゲームは単なる遊び以上の意味を持っていることがあります。親がその魅力を分かろうとする姿勢を見せると、子どもは「否定されている」ではなく「分かってもらえている」と感じやすくなります。

ゲーム以外の楽しみを見つける

体を動かす、料理や工作をする、出かけるなど、ゲーム以外の体験を一緒に楽しむ機会をつくってみましょう。親が一緒に取り組むことで、子どもが「ゲーム以外にも楽しいことがある」と気づくきっかけになります。

家族で方針をそろえる

母親は厳しく制限し、父親や祖父母は自由に遊ばせている、というように大人の対応がばらばらだと、子どもは混乱し、ルールも守られにくくなります。家族で話し合い、ルールや声のかけ方をそろえておきましょう。

行きつ戻りつするものと知っておく

久里浜医療センターの説明では、ゲームやネットの使い方の問題は、良くなったり戻ったりを繰り返しながら、時間をかけて回復していくことが多いとされています。一度うまくいっても、また元に戻ったように見える時期があるのは珍しいことではありません。「また失敗した」と親子で責め合わないことが、続けるためのポイントです。

親自身の心のケア

子どものゲームの問題に向き合う親も、「どう接すればいいのか」と悩み、強いストレスを抱えやすいものです。疲れがたまっているときは、子育てがつらい、疲れたと感じたときの理由と対処法も参考にしてください。子どもへのいら立ちが抑えられないときは、子育てのイライラが抑えられない原因とその場でできる抑え方も役立ちます。

親が冷静でいられることが、子どもと向き合ういちばんの土台になります。

子どものゲーム依存の相談先

家庭での工夫だけでは難しいと感じたら、外の力を借りましょう。相談は、子ども本人が行きたがらない場合でも、まず親だけで始めることができます。

親の気持ちを整理するカウンセリング

子どものゲームの問題で悩む親の気持ちを整理する場として、カウンセリングを使う方法があります。

オンラインカウンセリング「Kimochi」では、公認心理師(心理職で唯一の国家資格)のカウンセラーに、ビデオやチャットで相談できます。顔出し不要・匿名で利用でき、自宅からスマホで受けられます。土日祝や平日の夜にも相談できるので、子どもが学校に行っている間や夜の時間にも話しやすいサービスです。相性が合わないと感じたときは、カウンセラーを変更することもできます。「子どもにどう声をかければいいか分からない」「毎日の衝突で疲れきっている」といった親自身の気持ちを話し、関わり方を一緒に考えることができます。なお、ゲーム障害の診断や治療は医療機関の役割です。子ども本人の状態が心配なときは、ゲーム依存を診ている医療機関への相談も考えてください。

月1回30分の「ととのいプラン」は、初月3,278円(税込)から利用できます。
※初月30%OFFは、初めてご利用の方が対象です。ととのいプラン(月1回30分)の最低登録期間は4ヶ月です。

カウンセリングを受けるまでの流れは、カウンセリングを受けたいときの相談先と始め方で紹介しています。Kimochi のコラム「育児の悩みはどこに相談する?子育て中の親が頼れる相談先」や「家族・家庭の悩みの相談先」もあわせてご覧ください。

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よくある質問

子どものゲーム依存について、保護者の方からよく寄せられる質問をまとめました。

Q. 子どものゲーム依存は何時間からですか?

WHO の考え方では、時間の長さだけで決まるものではありません。ゲームを自分でコントロールできない、ほかのことよりゲームを優先する、問題が起きても続けるといった状態で、生活に大きな支障が出ているかどうかが大切です。

Q. ゲーム依存かどうかは病院で分かりますか?

ゲーム障害かどうかは、医師が診察や問診をもとに判断します。この記事のセルフチェックは、気になる点を整理するきっかけとして使ってください。

Q. ゲームを取り上げれば解決しますか?

いきなり取り上げると、強い反発や親子の対立を招くことがあります。子どもと一緒にルールを決める、使用時間の制限機能を使うなど、話し合いを中心にした対策から始めましょう。暴力などがあるときは、家族だけで抱え込まないでください。

Q. 子どもが相談や受診を嫌がるときはどうすればいいですか?

まずは親だけで相談を始めることができます。親が関わり方を学ぶことで、子どもの様子が変わることもあります。カウンセリングで親自身の気持ちを整理しながら、声のかけ方を一緒に考えるのもひとつの方法です。

Q. 小学生と中学生で対応は変わりますか?

小学生は親がルールや環境を整える役割が大きく、中学生になると本人の考えを尊重しながら一緒にルールを決める比重が大きくなります。どちらの年齢でも、頭ごなしに否定せず、生活リズムを整えることが土台になります。

Q. 夏休みなどの長期休みにゲーム時間が増えたときは?

学校がない時期は、生活リズムが崩れてゲームの時間が増えやすくなります。起きる時間と寝る時間だけは変えない、午前中は外に出る予定を入れるなど、一日の流れを親子で決めておくと、休み明けに戻しやすくなります。

Q. 課金がやめられないときはどうすればいいですか?

端末やアカウントの設定で、支払いに保護者の承認が必要になるようにしましょう。高額な請求が届いたときは、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談することもできます。

まとめ

子どものゲーム依存は、すぐに解決できる問題ではありません。けれども、親が一人で抱え込まず、少しずつ対策を重ねることで、生活を立て直していくことはできます。

  • WHO の ICD-11 では、コントロールできない、ゲームを優先する、問題が起きても続けるといった状態で、生活に大きな支障が出ているものを「ゲーム障害」としている
  • 判断は医師が行う。セルフチェックは相談のきっかけとして使う
  • ゲームの仕組みや、現実の生活でのストレスが、のめり込みの背景にあることも多い
  • 生活リズムを整え、子どもと一緒にルールを作り、取り上げるより話し合いを大切にする
  • 困ったときは家族だけで抱え込まず、親自身もカウンセリングなどで気持ちを整理する

子どもの将来を心配する気持ちが強いほど、親も追いつめられていきます。今日からできることを一つずつ始めながら、親自身の心も大切にしてください。

ストレスで心が限界に近いと感じる方は、Kimochi のコラム「精神的ストレスが限界を超えるサイン」も確かめてみてください。

親だけで抱え込まず、気持ちを話してみたいと思ったら、オンラインカウンセリング「Kimochi」で公認心理師に相談してみませんか。子どもへの関わり方や、親自身のストレスとの付き合い方を一緒に考えます。

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