初めてカウンセリングを受けるとき、どんなことを話したらいいのか緊張しませんか?
なんとなく悩みを持っていても、言語化するのはなかなか難しいことです。
そこで当記事では、話すことがまとまらなくて緊張しないように、悩みの例・話す内容の整理方法・初回カウンセリングの進み方について解説します。
カウンセリング前に頭の中を整理して、少しでも有意義な時間を作っていきましょう。
心理カウンセリングの目的とは?
カウンセリングの目的は、悩みや不安をカウンセラーに話し、気持ちを楽にした上で解決に導くことです。
カウンセリングに関して、話を聞いてくれて細かいアドバイスまで出してくれるというイメージをもっている方もいらっしゃいますが、基本的にカウンセラーがアドバイスすることはありません。
臨床心理士や公認心理師などの資格を持つプロのカウンセラーの仕事は、相談者の話をじっくり聞き、相談者が主体的に解決に向けて取り組めるように導くことです。
みなさんも実際に不安を口に出すことで、すっきりしたという経験をお持ちではないでしょうか。
カウンセリングでも実際に不安や心配を口に出すことで、気持ちを整理しストレスなどが軽減することを目指します。
思っていたカウンセリングと違ったとならないために、カウンセラーは聞き役に徹しアドバイスすることはめったにないことを覚えておきましょう。
カウンセリングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事がオススメです。
初めてのカウンセリングで感じる不安や疑問の声
初めてのカウンセリング時に、「知らない人に本音で相談できるのか」「悩みを否定されるのではないか」「カウンセラーに怒られるのではないか」と不安に感じる人もいるかもしれません。
カウンセラーの基本姿勢の一つは無条件の肯定的関心です。
つまり、相談者のことを評価せずに、肯定的に受け入れるようにトレーニングをされています。
また、自分の本音を伝えるのが怖いと感じる人もいるかもしれません。
その怖いという気もちも含めて受け入れるようにカウンセラーは学んでいるので、無理にすべてを話す必要はありません。
カウンセラーはありのままのあなたを受け入れてくれるので、心配せずに自分の話したいことをカウンセラーに話してください。
カウンセリングの話すことができる主な相談内容は?
結論から言うと、カウンセリングで何を話したらいいかというルールはありません。
自分の話したいこと、自分の伝えたいことを自由に話すことができます。
置かれている環境ももっている悩みも人それぞれなので、話す内容が異なるのは当然のことです。
心の中は非常に複雑であり、その中身は誰にも、時には自分自身にも、完全にはわかりません。
話しながら気持ちを整理する中で、今まで気づかなかった気持ちに気づくこともあります。
カウンセラーは相談者の話をじっくりと聴くので、過度に内容を心配せず自分の思いを伝えてみてください。
次に、具体的にどのようなことを話せるのかお伝えします。
現在の心の状態や悩み
非常につらいできごとを経験したとき、それが心の中でトラウマとして残ることがあります。
例えばいじめやDV、浮気されたなどといったつらい経験をして誰かに話を聴いてもらいというとき、カウンセラーにその悩みを話してください。
そのような大きな悩みでなくても、仕事や学校などでの日頃のストレスや将来の目標などでも自由に話すことができます。
他人から見れば小さいと思われそうな悩みでも自分にとっては大きな悩みとなることもあります。そういった悩みでも相談してみてください。
Kimochiでは、公認心理師という国家資格をもつ心の専門家のみが登録しています。悩みや気持ちを楽にするのはもちろんのことですが、一歩踏みだす・悩みの糸口を見つけるというところを重視しています。
まずは自分にぴったりなカウンセラーを見つけてみませんか?
仕事の悩み
例えば以下のような仕事での悩みを抱えているかもしれません。
- 職場の人間関係がうまくいっていない
- 忙しすぎて息する暇もない
- 自分がその仕事に向いているか分からない
- 将来のキャリアに不安がある
- 仕事のストレスが大きい
仕事で悩みを抱えたとき、専門家に頼る人は非常に少ないです。
特に男性は人に相談しない傾向があります。
ストレスが多くてしんどいと思うとき、どうか気軽にカウンセリングを受けてみてください。
恋愛の悩み
恋愛の悩みとして次のようなものが挙げられます。
- 片思いしている相手のこと
- 失恋のこと
- 恋人との関係性
- 恋人からの暴力
- 恋人がほしいのにできない
- 恋人の不倫や浮気
- 性に関すること
ささいなことだと思っても、話すことですっきりして、気持ちが落ち着くこともあります。カウンセラーには守秘義務があり、外部に情報をもらすことは決してありません。
浮気や性のことなど他の人に話しにくい悩みは、カウンセラーに話を聴いてもらうのはいかがでしょうか。
子育ての悩み
子育ての悩みとして以下のことが挙げられるかもしれません。
- 子育てが思うようにならない
- 周囲からのプレッシャーがある
- 子どもを上手に叱れない
- 子どもの発育に不安がある
なお、子どもの発育に不安がある場合は臨床心理士や公認心理師のもとでカウンセリングを受けることができます。
発達障がいの診断をするのは医師ですが、どのように子どもに接するのがいいのか、子どもの得意不得意を把握する点では非常に有用です。
家族の悩み
家族の悩みとして以下のようなものを相談できます。
- 母親、父親、兄弟などとの関係がよくない
- 家族の中で居場所がないように感じられる
- 子どもの将来が不安
- 虐待を受けている
- 子どもに暴力をふるってしまう
- 死別から立ち直れない
これら以外にも人それぞれ悩みがあると思うので、悩みや心配があるかたは、カウンセラーにその気持ちを自由に話してください。
学校の悩み
学校で感じる悩みとして、以下のような相談があります。
- 教室に入れない
- 学校にいけない
- 学校での居場所がない
- 友だちとの関係がうまくいかない
- 進路や学業の不安
学校によってはスクールカウンセラーが配属されているケースもあります。
カウンセリングは誰でも気楽に受けられるものです。
少しでも誰かに話を聴いてもらいたいと思ったら、カウンセラーのもとを訪れてみてください。
カウンセリングで何を話すといいか分からなくなる理由
カウンセリングでは自由に何でも話していいと言われても、「もし話すことがなくて間ができたらどうしよう」と気まずく感じるかもしれません。
そんな時は、何を話せばいいか分からなくなる理由を知っておけば、もっと話しやすくなるでしょう。
これからカウンセリング時に何を話したらいいか分からなくなる理由を3つ取り上げます。
- 話す内容がまとまっていないから
- 悩みを話したくないから
- カウンセラーがどんな人か分からないから
それぞれ詳しく見てみましょう。
話す内容がないのではなくまとまっていないから
話す内容がないのではなく、ただ話がまとまっていないだけということが考えられます。
何を話していいのかまとまっていないために、話したいことがわからないと感じるのかもしれません。
悩みを話したくないから
話す内容がないというよりも、全くの他人であるカウンセラーに自分の悩みを話すことに抵抗を感じている可能性もあります。
カウンセラーと信頼関係がまだできていない段階では、自分の悩みや秘密を話したくないと思うのはごく自然なことです。
また、悩みを否定されたらどうしようとか、他の人に秘密を知られたくないという不安もあるかもしれません。
このような不安や怖さゆえに、悩みを話すことそのものに悩むことがあります。
カウンセラーがどんな人かわからないから
カウンセラーがどんな人か分からないので、何を話したらいいのか分からないというケースもあります。
カウンセラーから否定的な意見を言われるのを恐れていたり、分かってもらえなかったらどうしようという不安もあったりするかもしれません。
また異性のカウンセラーが相手だと、話しにくい、話したくないと感じることもあるでしょう。
そもそも人と話すことが苦手な人であれば、初対面のカウンセラーにどんなことを話したらいいのか分からないという場合もあります。
このように相手が全く分からない人間なので、どんなことを話したらいいのかわからないと感じているのかもしれません。
カウンセリングの効果的な受け方
カウンセリングで何を話せばいいのか分からなくなる理由について紹介しました。
次に、これら3つの状況についてどのように対処したらいいのかを考えてみましょう。
- 話したいことを書いてまとめる
- 無理に話す必要はない
- 少しずつ信頼関係を築く
それぞれ詳しく見ていきましょう。
話したいことを書いてまとめてみる
カウンセリングで話すことがないと感じる理由の一つは、話すことがまとまっていないからというものでした。
それに対処する方法の一つは、カウンセリングの前に話したいことを書いてまとめるということです。
辛いことや悩みなどを紙やメモ帳に書き出してみましょう。
その時、自分の感じていること考えていることをありのままに書き出してみてください。
そうすることで、今まで気づかなかった別の感情に気づくこともあります。
メモの中から特にこれは聞いてほしいというものを前もって選んでおくと、スムーズに話し始めることができるでしょう。
無理に話す必要はない
何を話せばいいのか分からないと感じる二つ目の理由は、悩みを話すのが怖いというものでした。
お伝えしたいのは、「話したくないことは無理に話す必要はない」ということです。
この記事の中で何度もお伝えしている通り、カウンセリングですべてを話す必要はありません。
会話の流れや順序を無理に意識する必要もありません。
話したくないことを無理に話そうとすると、余計に苦しくなったりストレスを感じたりします。それでは本末転倒です。
カウンセラーは話を聴くプロなので、対話を通して気持ちを引き出せるように援助してくれることでしょう。
少しずつ信頼関係を築く
何を話していいか分からないと感じる3つ目の理由は、カウンセラーがどんな人かわからないからというものでした。
初回の面談であれば緊張するのは自然なことですし、何を話したらいいのかわからないと感じるのも当然なことです。
初対面の人と話すのが苦手だという人は、雑談から話を始めるのはいかがでしょうか。
カウンセリングは一回で終わることはあまりありません。大体3~8回くらいかかることが多いようです。
カウンセラーはまず、相談者と信頼関係を築くことを目標に対話をします。数を重ねるごとに少しずつ慣れてきて、話しやすくなることでしょう。
もし回数を重ねても話すことがないと感じるのであれば、カウンセラーの変更を検討してもいいかもしれません。
回数を重ねて話すことがないというのは、カウンセラーの技術が足りないか、相性がよくないかどちらかの可能性が高いです。
初回のカウンセリングは何をするの?
初回のカウンセリングでは、アセスメント(評価や判断という意味)を行い、カウンセラーは情報収集し、今後の方向性を決めます。
相談者の主な訴えやカウンセリングを受けにきた理由についてまずは聞かれるでしょう。
その際、成育歴や家族構成、既往歴といった自分の悩みとは一見関係ないと思われることを質問されるかもしれません。
カウンセリング時に説明されると思いますが、相談者のことを知るための大事な質問なので、答えられる範囲で答えてください。
最初に説明があると思いますが、カウンセラーには守秘義務があります。
外部に情報が漏らされることはないので、安心してお話ください。
初回面接の後カウンセリングを継続するか、医者など、より専門的な機関に引き継ぐか判断されます。
実際にカウンセラーとカウンセリングを継続するときは、今後の方針についてカウンセラーから説明があり、十分に納得できれば継続するという形になります。
カウンセリングを受けた方がいい人は?
ストレスや不安を抱えていて、カウンセリングを検討している人や、周囲に勧められて考えている人もいるかもしれません。
では、どのような人がカウンセリングを受けた方がいいのでしょうか。次の5つを取り上げます。
- 誰でも受けられる
- メンタルヘルスに不安がある人
- カウンセリングを受けたいという意思がある人
- 薬物療法だけでは改善が見られない人
- 金銭面で余裕のある人
それぞれ詳しく見ていきましょう。
誰でも受けられる
カウンセリングというと、うつ病など病気の人が行くものだというイメージをもっている人も多いかと思います。
日本ではまだまだカウンセリングに行くことに対して敷居が高い印象があります。
欧米諸国ではストレスケアのために気軽にカウンセリングを受ける人が多くいます。
特に大きな悩みというわけではないけど、最近ストレスを感じている、誰かに悩みを聞いてもらいたいという場合もカウンセリングを利用できます。
Kimochiでは、カウンセリングを初めて受ける方でも安心してカウンセリングを受けていただくためにLINEのサポート体制や、自分に合ったカウンセラーを見つけることのできる無料相談を行なっています。
まずは、初回予約をしてみてください。
メンタルヘルスに不安がある人
厚生労働省によると令和3年(2021年)において、仕事や職業生活に関することで、強いストレスを感じているという労働者の割合は53.3%にも上るというデータがあります。
強いストレスが原因で精神障がいを発症した人の数も増加傾向にあることから、企業のメンタルヘルスケアは重大な課題といえるでしょう。
「最近ストレスがたまっているな」など、メンタルヘルスに不安を抱える人は早めにカウンセラーに相談することをおすすめします。
そうすることで、心の病気を未然に防ぐことができるかもしれません。
カウンセリングを受けたいという意思がある人
カウンセリングを行うには本人の同意が必要です。
たとえ医師が必要だと考えたとしても、本人にカウンセリングを受ける意思がなければ、カウンセリングを行うことはありません。カウンセリングは3回から8回、それ以上に継続して行うものです。
また保険もきかないので費用面での負担も多くなります。
時間的、経済的な負担を考慮したうえで、それでもカウンセリングを受けたいという人がカウンセリングを受けます。
薬物療法だけでは改善がみられない人
カウンセリングは精神的な病気を抱えている人も受けることがあります。
精神的な病気を抱えている人の中には、薬物療法や休養によって様子を見ている人もいることでしょう。
薬物療法だけで改善が見られない場合は、カウンセリングを検討してみましょう。
カウンセリングを受けることにより、自分の性格や考え方の癖がわかります。
自分の考え方の癖がわかることで自分自身についての理解が深まり、根本的な治療につながる可能性があります。
カウンセリングを受けるべきか、受けても良いかに関しては、個人差があるため担当医に相談した上でご利用ください。
金銭面で余裕のある人
対面カウンセリングの相場は30分5,000円ほどです。オンラインカウンセリングは相場で60分5,000円〜10,000円とされています。
1回のカウンセリングでかかる時間は、30分〜90分くらいです。
目安として、数回から数十回のカウンセリングを受けることになると思います。
決して安くない費用が必要になるので、金銭面での負担を前もって考えておく必要があります。
カウンセリングを受ける3つのメリットは?
ここまででカウンセリングは誰でも気軽に受けることができるものだということを紹介してきました。
では、実際カウンセリングを受けるとどのようないいことがあるのでしょうか。
カウンセリングを受けるメリットについて次の3つを取り上げたいと思います。
- 気持ちを整理できる
- 自分に関する理解が深まる
- 心が軽くなる
では、それぞれ見ていきましょう。
気持ちを整理できる
カウンセリングを受けるメリットの1つ目は、「気持ちを整理できるということ」にあります。
カウンセラーに相談に来る人の多くは漠然とした悩みを抱えています。
それらの悩みを自由に話すなかで、自分がどのように感じたか、何を言いたかったのかなど、自分を客観的に考えるようになります。
そのようにして自分の気持ちを客観的に見つめながら、気持ちの整理をしていきます。
そして、客観的に自分を見つめ気持ちを整理することで、悩みの本当の理由が分かるかもしれません。
自分に関する理解が深まる
カウンセリングを受けるメリットの2つ目は、「自分に対する理解が深まるということ」です。
カウンセラーに悩みや不安を伝える中で、自分自身を客観的に見つめるようになります。
客観的に自分を見つめることで、自分に関する理解が深まり、悩みや不安に対する原因に気づけることもあります。
相談者自身が自分のことをよく分かっていないという場合もあります。
読者のみなさんの中にも自己紹介が苦手だという人もいるかと思います。
カウンセラーとの対話を通して、いろいろな方向から自分を見ることになります。
そうすることで多角的に自分への理解を深めることができます。
心が軽くなる
カウンセリングを受けるメリットの3つ目は、「心が軽くなるということ」です。
自分の悩みを第三者に伝え、カウンセラーに共感してもらうことで気持ちが楽になります。
心理学の世界では、自分の心の中に閉じ込めた辛さや苦しさを吐き出すことで、安心感を得たり、ほっとしたりできると言われています。
自分の体験を言葉に出すことで、マイナスの感情から解放され心が軽くなることでしょう。
カウンセリングで話すことがない人への対処法まとめ
カウンセリングでは自分の話したいことを自由に話すことができます。
例えば、過去のトラウマや仕事や学校での悩み、家族生活での悩みなどを話すことができます。
何を話したらいいか分からないという場合は、話す内容を前もって書き出しておくのはいい方法です。
何回もカウンセリングを重ねているのに、何を話したらいいのか分からないという場合は、カウンセラーの交代を考えてもいいかもしれません。
カウンセリングを受けることで、心が軽くなったり、気持ちが整理できたりなどのメリットがあるので、みなさんも気軽に相談してみるのはいかがでしょうか。