仕事は私たちの生活において重要な部分を占めていますが、それに伴う悩みもまた少なくありません。
特に20代から50代という幅広い年代では、キャリアの段階や生活状況の違いによって、直面する問題や必要とされる支援の形も異なります。
若手社員が直面するキャリア形成の悩み、30代のワークライフバランス、40代のキャリアの頭打ち、50代のリタイアメントへの不安など、各年代で共通する課題が存在します。
この記事では、20代から50代の働く人々が抱える典型的な仕事の悩みと、それらに対する効果的な相談先や解決策を年代別に掘り下げていきます。
仕事における悩みは誰にでも起こり得るものですが、適切な相談先を知ることで、これらの課題を乗り越え、より充実した職業生活を送ることが可能になります。
どのくらいの割合が仕事で悩みを抱えているの?
仕事に関する悩みやストレスは多くの労働者にとって共通の問題です。
厚生労働省の令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況によると、現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は82.2%となっています。
仕事の悩みランキングでは、「職場の人間関係」と「仕事の量、質、失敗など」が上位に位置しています。
これらのデータから、労働者の大部分が仕事で何らかの悩みを持っており、これに対処するサポートやリソースが求められていることが明らかになります。
参考
厚生労働省 | 職場におけるメンタルヘルス対策の状況
令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況
仕事の悩みを相談できていない人も少なくはない
実は悩みを抱えている多くの人は、相談できる人が居るというのが「90%以上」もいます。
これだけ相談する相手が居るというのは良いことであり、実際に相談する人は74%とされています。
相談する先としては、家族や同僚などが上位を占めているようです。
一方で相談ができない方も少なくはなく、相談したとしても職場や仕事の人間関係における愚痴になってしまい改善につながるケースも少なくないです。
職場や仕事などで相談したいが周りに相談することができない方や、心の専門家のもとで悩みを愚痴として発散しつつも改善の方向に進みたい・サポートして欲しいという方は、オンラインカウンセリング「Kimochi」がオススメです。
Kimochiは夜・土日祝対応しており、オンラインで公認心理師(国家資格)のカウンセラーのもとでキャリアや人間関係の相談をすることができます。
「人間関係が良くなかった」が理由で早期退職する人も多い
多くの人が「人間関係が良くなかった」という理由で早期退職を選択することがあります。
職場での人間関係は、仕事だけではなくプライベートにも支障をきたすような悩みになったり、職場の生産性に大きな影響を与えるため、とても重要です。
良好な人間関係がない職場では、従業員はストレスや不安を感じやすく、仕事の満足度が低下します。
また、人間関係の問題は、従業員のメンタルヘルスにも影響します。職場での孤立感やいじめ、不公平な扱いは、従業員の心の健康に悪影響を及ぼし、最終的には早期退職の原因となり得ます。
どういった仕事の悩みが多いのか?仕事の悩みランキング!
厚生労働省のデータによると、ストレスとなっていると感じる原因として、主に「仕事の量」36.3%と最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」が35.9%、「仕事の質」が27.1%となっているとされます。
以下に仕事の悩みとなることをまとめました。
- 仕事の質、量
- 仕事の失敗、責任の発生
- 対人関係
- セクハラ・パワハラ
- 会社の将来性
- 役割・地位の変化
- 雇用の安定性
- 顧客、取引先からのクレーム
労働者は高いパフォーマンス期待と責任感を感じており、これらがストレスや不安を引き起こしていることが明らかです。
対人関係の課題は職場の雰囲気やチームワークに影響し、仕事の満足度を低下させる可能性があります。
会社の将来性やクレーム対応に関する悩みは、職の安定性や自身の能力に対する不安を示しています。これらは個人のキャリア成長だけでなく、組織全体の成功にも影響を与える重要な問題です。
これらの悩みは個人の悩みに留まらず会社組織の存続にも繋がりかねないということです。
20代のよくある仕事の悩みは?
20代はキャリアとしてしては初期段階なため、特有の悩みを抱えることが多いです。
20代が抱える一般的な仕事の悩みを取り上げて見ました。
- 仕事の将来性
- 対人関係
- 仕事のパフォーマンス
1.仕事の将来性
20代における仕事の将来性の悩みは、仕事で成功する事と、その満足度に直接かかわる部分ですので非常に重要なポイントになります。
20代の初期には特定の業界にコミットするか、安定した職業に就職するか、異なるキャリアを探求するかでキャリアの方向性に悩みます。
他にも、自分の能力と努力が認められるかどうかについても不安を持つことが有ります。
このように仕事の将来性で悩む傾向もありますが、ワークライフバランスの悩みも同時にあります。
長期的なキャリアパスを考える際に、ワークライフバランスが不十分であると感じると、キャリア選択に不安が生じる可能性は充分あります。
2.対人関係
20代が職場で感じる悩みの最後は、人間関係やコミュニケーションに関する悩みです。
コミュニケーションの難しさ、人間関係の衝突、上司や同僚からのいじめやハラスメントが主な原因となる事が多いです。
対人関係の悩みを解消するには効果的なコミュニケーション、相互理解、尊重が重要であり、包括的な職場の文化の構築が求められます。
これは結果的に会社にも多くのメリットをもたらすので、実は会社としての大きな課題でもあります。
3.仕事のパフォーマンス
20代の労働者にとっては、自身の能力や仕事の質に不安を感じることがあります。これはしっかりと働こう、会社のために頑張ろうと思う人に起こりがちです。
スキルや知識は会社によって習得できるものが格段に違います。またフィードバックの無い会社などではパフォーマンスの自信喪失や不安を引き起こす可能性が考えられます。
これも会社によって差がありますが、職場環境とリソースの不足により、パフォーマンスを最適化することが困難になり、これがストレスや不安の原因となるケースが良くあります。
30代のよくある仕事の悩みは?
30代の多くはキャリアも積み重ね、仕事とプライベートのバランス、キャリアの進行、および職場での対人関係に関する悩みを抱えている可能性があります。
その中でも多くの人が悩みがちなものを取り上げてみました。
- 仕事と家庭のバランス
- 対人関係
- 給料の悩み
1.仕事と家庭のバランス
30代で家庭を持つようになると、子育てや家庭の責任と仕事の責任の間で挟まれることがあり、これは時間管理と優先事項に関してストレスを生むことが有ります。
さらに、この年代の従業員はキャリアを前進させ、同時に家庭の幸福を確保するプレッシャーを感じる年代でもあります。
リモートワークやタイムマネジメントスキルがより要求され、家庭と仕事の優先事項を明確にすることが重要になります。
2.対人関係
30代での人間関係の悩みは、また少し変化します。同僚や上司に対してもそうですが、自分も上司になる事で部下との対人関係が難しくなってきます。
意見の相違、価値観の衝突、または単なる誤解から生じることなど原因は様々です。
最近では、部下へのパワハラやセクハラも厳しくなってきたため、どうやって接するのが良いのか分からないということも多いです。
これらの対策は個人的なコミュニケーションスキルアップと、職場環境としてコミュニケーションを重視できるかにあります。(※1)
3.給料の悩み
30代で結婚していると将来的なお金の貯蓄などの問題が出ていきます。
給与の不満は、生活費の増加と企業の給与低下や昇進の遅れといった問題に起因することがあります。
それにより、経済的なプレッシャーと将来の不安を感じ、これがストレスの原因となる可能性があります。
個人で出来る対策としては副収入の源を見つけたり、転職、経済リテラシーの向上を図る事が現実的です。
40代のよくある仕事の悩みは?
40代は特にキャリアの中で中期と言われる時期で、仕事に関する悩みも多岐にわたるようになります。
そして40代だからこその独特の悩みも増えてくる世代です。中でも多くの人が悩むものを取り上げてみました。
- キャリアの進展
- 仕事と家庭のバランス
- 技術進歩や世代間ギャップに対する適応
1.キャリアの進展
40代になると昇進の機会が限られたり、キャリアの停滞を感じたりと、これがストレスや不安の原因となることがあります。
この手に悩み対策には明確なキャリア目標の設定や、新しいスキルの習得、人との繋がりがポイントになってきます。
2.仕事と家庭のバランス
40代になると更に仕事と家庭のバランスが難しくなります。
子供の教育、親の介護、家庭での役割が増加し、それが仕事の時間やエネルギーを削る可能性があります。
このように家庭が重荷になることがあります。この悩みにはタイムマネジメントが重要になります。フレキシブルな勤務時間やリモートワークなどで時間管理が対策としてポイントです。
3.技術進歩や世代間ギャップに対する適応
40代になると現在の技術や流れに疎くなる世代です。
特にデジタルネイティブでない世代にとっては、デジタルやネット関連のアップデートに追いつけず、職場での競争力を保つことに不安を感じる場合があります。また、部下との世代間ギャップ(ジェネレーションギャップ)により、コミュニケーションが上手くいかないということも発生します。
40代は特にこういった技術についていくために勉強もそうですが、適応力が求められます。
50代のよくある仕事の悩みは?
50代はキャリアとしてはとても重要な時期です。また悩みもより一層多岐にわたり、この年代独特の悩みが増えていきます。
一般的な悩みを取り上げて見ました。
- キャリアの再評価
- 経済的安定
- 健康問題
1.キャリアの再評価
50代の多くの人々が自身のキャリアの選択や将来の進路を再評価する時期と言われています。
これからは人生100年時代と言われる中で、退職に向けての準備をしながら、退職後にどうするか、再就職やフリーランスとして働くかなど、多くの選択肢と決断が求められます。
2.経済的安定
50代の経済的な不安は退職に関して家、将来の収入源、これからどういう事に必要なのか等、不確実性により引き起こされることが多いです。
新しいスキルを学び副業を始める、日常生活の見直し、投資の勉強など対策はありますが、どれも確実な対応策ではないのも確かです。
3.健康問題
50代の多くの人々は健康問題に直面し、それが仕事のパフォーマンスや日常生活に影響を与える事は充分考えられます。
健康を保つための時間や労力を確保することは重要ですが、忙しい日常や仕事のプレッシャーの中で、健康を意識するのも困難であることも事実です。現実的に対処が難しい問題の1つです。
仕事の悩みでストレスが溜まりすぎたらどうなるの?
仕事のストレスは過度に蓄積すると、現代のサラリーマンにとって多くの問題を引き起こす可能性があります。
具体的によくある問題は下記になります。
身体的な健康問題
仕事のストレスが過剰に蓄積すると、身体的健康に悪影響を及ぼす可能性が高まります。
過度のストレスは免疫システムの機能を低下させ、感染症に対する抵抗力が弱まり、慢性的な疲労や睡眠障害を引き起こすこともあります。
さらに、ストレスは心臓病や高血圧、脳卒中のリスクを高めるなど病気のリスクを高める事は確実です。
精神的な健康問題
高いストレスは、不安や抑うつ症状を引き起こし、自己評価の低下や集中力の欠如などももたらします。
こういった事は仕事への悪い影響も避けられません。
重度のストレスは、適切な対処法やリラックスの仕方を学び、または必要に応じて専門家のカウンセリングを受けることが重要です。
「少し辛いな…」「悩みがあるけど、周りには相談しづらい…」という方はオンラインカウンセリングKimochiがオススメです。公認心理師のカウンセラーがあなたの心をサポートします。
仕事のパフォーマンスの低下
仕事のストレスが蓄積すると、パフォーマンスの低下が生じることがあります。
持続的なストレスは、集中力や判断力、発想力を妨げ、効率的な仕事の遂行が困難になる事は避けられません。また組織内のコミュニケーションやチームワークの劣化にも繋がります。
組織の中でストレスフリーになる事は困難でもストレスマネジメントは必須の考え方です。これは個人もそうですし会社としてもです。
仕事で悩みすぎてしまう時の6つの対処法
仕事におけるストレスは避けがたいものですが、その対処法は様々です。
個人や会社が取るべきアプローチはそれぞれ異なりますのでどちらのアプローチも大切です。
以下、一般的に有効とされる6つの方法を紹介します。
マインドフルネス
仕事のストレスを軽減し、心地よく感じるための効果的な方法です。マインドフルネスは、今この瞬間に意識を向け、判断や反応を避けながら全てを受け入れるという事をします。
つまり物事に意味づけや、どうして、なんとかしなくては、こういった思考で取り組まないという事です。
心を常に平常心、つまりフラットで居る事が重要となります。
ポジティブな人間関係の構築
ポジティブな人間関係の構築は、仕事の満足度と生産性を向上させ、ストレスを減らす重要な要素となります。また、ポジティブなフィードバックと感謝の意を示すことで、良好な関係を育むことができます。
自分と他人の境界線をしっかり理解して、相手を尊重できれば、健全な人間関係が築けるようになります。
それが結果的に仕事のパフォーマンスも上げていきます。
フレキシブルな勤務時間やリモートワークの導入
フレキシブルな勤務時間制度は、社員が自分の生活や家庭のニーズに合わせて勤務時間を調整する事で、ストレスの軽減や生産性の向上に貢献します。
また、リモートワークは通勤時間の削減と、より静かで集中しやすい環境を提供することが可能となり生産性向上に繋がります。
これらを実現するには会社として適切な管理とサポート体制の整備が必要となります。
適切な報酬と認知
良いパフォーマンスや特別な貢献に対するボーナスや昇進の機会は、従業員の更なる成長を促す効果があります。認知は、従業員が会社の一員として価値を感じることを助けます。
こういう事をきちんとする事で、モチベーションを保ち、ストレスを減らす効果が期待できます。
カウンセリングで相談してみる
職場でのストレスに対処するため、カウンセリングを利用するのも一つの方法です。
カウンセラーは、ストレスの原因を特定し、それに対処するための具体的なアドバイスを提供できます。また、自己理解を深めることで、今後のストレス管理に役立つスキルを身につけることができます。
そもそもストレスを作らない
どうしても他者原因で起きるストレスもありますが、その現象を、その出来事をストレスと捉えてるのは自分です。
ストレスを作らないためには、全ての出来事を過程と捉える事です。理不尽な事も、上手くいかない事も成功のためのプロセスと捉えれば必要な出来事です。
そのためにも目標はしっかり持っておくことが必要です。
仕事の悩みは抱え込みすぎず相談する!相談先は?
仕事でのストレスは人に話す、相談する事で必ず新たな気づきや、心が解放される時があるからです。
抱え込まずまずは誰かに本音で話してみてください。それが第一歩です。
①上司や同僚
自分の感じているストレスや困難を正直かつ具体的に説明できるようにし、、解決出来る事を信じる事が大事です。
相談する相手も当然大事ですが、タイミングも大切です。自分一人で解決しようとせず、協力を求め、糸口はあるのでそれを見つける姿勢が大事です。
②家族や友人
仕事のストレスを家族や友人に相談する際は、適切なタイミングと場所を選んで、気持ちを整理してから相談しましょう。
無理に解決策を求めず、単に聞いてもらうことでストレスを軽減できることもあります。
ただし、近しい人だからこそ、否定的な意見が返ってくることもあると理解しておくことも必要です。
③オンラインカウンセリング「Kimochi」
仕事のストレスを管理するためにカウンセリングを受けることは、多くのメリットがあります。
Kimochiの登録カウンセラーは個人の感情や状況を適切に評価でき、受け入れてもらえる環境であることで安心感があります。
対話をすることで何で悩んでいるのか、どうやって改善していくのかなど仕事のストレスと効果的に対処できるようになるというメリットがあります。
④SNS
SNSを活用する事で同様の悩みを抱える人々との繋がりを作ることができ、共感や助言を得ることができます。
SNSは自分の経験や思いを表現する場となり、ストレス発散に役立つことがあります。
ただしSNSはネガティブな意見を言われたり、知らないところで公開されてしまうなど余計にストレスになる可能性もありますので注意しましょう。
⑤相談機関
日本においては、働き方や職場のストレス、ハラスメント問題などに関して相談できる窓口がありますので、こういった機関を上手く活用する事はメリットがあります。
場合によっては法的な対処も出来ますし、改善に至る事もあります。
こころの耳、労働基準行政の相談窓口、会社で労働組合があればこちらも役に立ちます。
仕事の悩みを相談するときの注意点
仕事のストレスを相談する際は、きちんと聞いてくれる人、理解してくれる人等が大切になります。
誰でも良いわけではないのです。相談する際には注意点があるのでそれをいくつか上げてみます。
信頼できる人を選ぶ
仕事の悩みやストレスを相談する相手は信頼できる人であることが重要です。
信頼関係が築けていない人に対して個人的な悩みを打ち明けると、理解されず余計にストレスがたまる事もあります。また情報が漏れるリスクもあります。
明確な目的を持つ
相談する目的を明確に持っておくことが大切です。アドバイスを求めるのか、単に話を聞いてもらいたいのか、具体的な解決策を求めてるのか、目的を明確にしておくことで、伝え方や聞き取り方も変わります。
ただ話を聞いてほしいという目的でも良いです。きちんと目的を持てばスムーズな相談が出来ます。
プライバシーを守る
誰に相談するかも重要ですが、オンラインでの相談や公開される場での相談では、プライバシーや個人情報の保護に特に注意が必要です。
個人を特定できる情報や機密情報は共有しないようにし、相談する内容も適切に選ぶことが大切です。
まとめ
労働者の多くが仕事に関連するストレスを感じていると報告されています。
主な悩みの要因としては、仕事の量や質、職場での失敗や責任の発生、対人関係の問題などが挙げられています。
これらの悩みは個人だけでなく、職場の雰囲気やチームワークにも影響を及ぼし、さらには会社の存続や将来性にも関係しています。仕事の悩みは個人のキャリア成長だけでなく組織全体の成功にも影響を与える可能性があります。
職場でのストレスの改善は労働者だけでなく、会社の問題でもあるという事です。
なので社員と会社がしっかり理解し合って取り組む問題です。一人で抱えない事が大事です。