過度なストレスは、精神的にも身体的にも大きな悪影響を及ぼします。
そこで、限界を迎え心身が破綻する前に重要となるのがセルフケアです。
自身にあったストレスマネジメントについて考えることで、明日を少しだけ楽に生きるきっかけになるよう記事にしました。
そもそもストレスって?ストレスの定義について
セルフケアを紹介していく前にそもそもストレスとはどういったものなのかを確認していきます。
ストレスの正体を知ることで、対策や原因を掴んでいきましょう。
精神的および身体的健康への影響
WHOによると、現在世界の8人に1人が精神障害を抱えていると言われています。
要因は様々ですが、日常的なストレスが強く精神障害に深く関与していることは疑う余地もありません。
では、ストレスが精神および身体に与える影響とはどのようなものがあるのでしょうか。
まず精神への影響ですが、継続的なストレスはうつ病や全般不安症(GAD)といった精神障害のトリガーとなり得ます。また、ネガティブな思考を増強し、自信の喪失や自己肯定感の低下にも繋がるため、作業効率の低下に繋がる恐れもあります。
次に身体への影響ですが、強いストレスが持続した状態が続くと逆流性食道炎や過敏性腸症候群、血圧の上昇を引き起こすとされています。
ストレスの一般的な原因
職場、学校、家庭内での立ち位置など、ストレスの原因は多岐にわたります。病気やケガ、家や車のローンや借金など金銭的な負担によって引き起こされる不安や負担、抑うつ感もストレスとなる可能性があります。
ストレスの原因はネガティブなことばかりとは限りません。ストレスとは外的刺激による心身の緊張状態を指すことから、入学や卒業、就職、結婚等人生における大きなイベントも、広義でのストレスと言えますね。
加えて近年では遺伝的要因も関係していることが分かってきました。
職場・仕事におけるストレスについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。
ストレスの特徴と症状
ストレスの原因となる外的刺激をストレッサーと呼びます。中でも職場、家庭、経済ストレッサーは特に強く刺激として働きます。
これらの刺激に対して適切な対処ができた場合、心身へのストレス反応を回避できます。しかし、ストレッサーへの感受性が増強していたり、十分な対処がとれない場合、様々な症状となって心身に現れます。
ストレスによる症状を精神症状と身体症状に分けてみていきます。
〜精神症状〜
- 易怒性(怒りやすくなる)
- 全般不安
- 不眠
- 抑うつ
- 悲壮感
~身体症状~
次に身体的な症状について紹介します。
- 頭痛
- 腹痛
- 下痢、便秘
- 胸やけ
- めまい
ストレスをコントロールするためのメンタルセルフケアとは?
社会生活を送るうえで、ストレスを全く感じずに生活するのは難しいです。
ストレスから逃れられないのであれば、体調を崩さないためにも、ストレスと上手に付き合う方法を探るしかありません。
そこで、特に個人でできる対策の一つとして重要なのが『メンタルヘルスのセルフケア』です。
自身のメンタルと向き合い、今自分がどういう精神状態にあるのかを客観的に認識することがストレスと向き合う第一歩だと言えるでしょう。
ストレスとセルフケアと全体的な健康への関係性
ストレスや痛みには閾値(いきち)と呼ばれるラインが存在すると考えられています。
この閾値とはいわばボーダーラインで、一定のライン以下の刺激には耐えられるが、それを超えた刺激が加わった場合、強い反応が心身に現れてしまいます。その境界が閾値です。
閾値は人によっても様々ですが、その日の気分や体調にも左右されます。
セルフケアを適切に取り入れ、閾値以下にストレスを抑えることが健康な生活を送ることに繋がります。
セルフケアのメリット
ストレス解消のためセルフケアを取り入れることは、精神的にも身体的にも様々なメリットがあります。
そのメリットを具体的に紹介していきます。
①病気の予防
蓄積したストレスは心身共に悪影響を与えます。
セルフケアにより正しいストレスマネジメントを行うことは、病気の予防にもつながると言えるでしょう。
適度な運動や適切な食事は、それ自体もストレス解消にもなりますが、健康な心身を育むためにも重要な因子となります。忙しい時こそしっかり栄養を摂取し、適度な運動を心がけるといいでしょう。
また、セルフケアをすることで、病院や医師に頼る必要が少なくなります。定期的な健康チェックや予防接種を受けることで、将来的に医療費を節約することができます。
②幸福のループ
慌ただしさやストレスは時にあなたの視点を狭めてしまいます。
綺麗な景色も、誰かの温かい言葉も、楽しい時間も気付くことができなくなってしまうこともあるでしょう。
ストレスを上手くコントロールして、視野を広げると、小さな幸せに気付けるはずです。
そしてその幸せはきっと連鎖するでしょう。セルフケアの導入は、気付きの機会を減らさないためにも大切なことです。
③また頑張るための活力
好きな人と好きなものを食べ、好きな場所へ行ったときや、好きなことをしたときなど最高に幸せな時間を過ごした後はつらいことや面倒なことだって頑張れます。
セルフケアの時間は、また次から頑張るための活力をチャージする重要な時間です。
④健康な関係を築く
セルフケアをすることで、自分自身が健康的な生活習慣を身に付け、健康的な状態を維持することができます。
これにより、家族や友人、恋人との関係をより良いものにすることができます。イライラした状態で人と関わると、つい嫌な方向に進んでしまいます。
周りの人を傷つけたり、傷つけられたりしないためにもセルフケアは重要と言えます。
⑤ストレスの軽減につながる
健康的な生活習慣を身に付けることで、ストレスを軽減することができます。
セルフケアをすることで、自分自身が自分自身の健康管理に責任を持ち、健康を維持するために積極的に行動することができます。これにより、ストレスを軽減することができます。
ストレスセルフケアの重要性は?
ストレスの感じ方が個人によって異なる以上、セルフケアの手段を身につけておくことはストレスと付き合っていくのに欠かせません。
セルフケアを行っていくことがなぜ重要なのか、詳しく紹介していきます。
①周囲との関係性
ストレスが溜まると誰しもゆとりがなくなっていき、その歪みはいつか言動として現れてしまいます。
傷つけたくなかった大切な人を、仲間を、家族をストレスによって傷つけてしまってから後悔するのでは遅いです。
周囲と良好な関係性を築いていくためにも、自身でストレスマネジメントをしていくことは重要です。
②パフォーマンスへの影響
ストレスは心身を蝕みます。体力がなくなっても、気力がなくなっても十分なパフォーマンスは発揮できなくなってしまいます。そして完全に疲れ切ってしまった心身の回復には、途方もなく長い月日を要します。
こまめな休息は決してサボりではありません。パフォーマンスを落とさないためにも休息の重要性を理解しましょう。
③自身のストレス耐性への理解
同じ外部刺激があったとしても、その感じ方には当然個人差があります。
ストレスの感じ方やその許容範囲、そして回復に必要な休息時間は人によって全く異なります。
自分のストレス度合いを客観的に見つめ、必要なセルフケアを実践していくことで、結果的にストレス耐性向上につながるでしょう。
セルフケアの時間を作ることの重要性
ストレスに追われて生活していると、ストレス解消に使う時間すら確保できないことも多いのではないでしょうか?しかしそれでは悪循環です。
溜まったストレスは更なるストレスを呼び込みます。ストレスがパフォーマンスを大きく低下させてしまうからです。
あなたがストレスを自覚したとき、それは既にかなり進行した状態だということを自覚しましょう。そんな時こそ多少無理にでもセルフケアの時間を作ってください。適切なストレスマネジメントこそが最良のパフォーマンスにつながるはずです。
ストレスの解消に役立つセルフケアの具体例は?
セルフケアとはどういったものなのか、具体的に何をすればいいのかと迷ってしまいます。
それではこれからストレス解消に有効なセルフケアの実例を紹介していきます。
①ストレスを自覚する
まずは自分自身のストレスを自覚することが重要です。知らず知らずのうちにストレスは増殖していきます。
定期的に立ち止まって、自身のストレス度合いを確かめましょう。
ストレスを認識することでできる対処法は増えていきます。そして、それは早ければ早いほど有効と言えるでしょう。
②文字にする
ストレスの背景にはストレッサーがあります。ストレスとなった要因を文字にするとより明確に認識できるでしょう。日記やノートに綴るのもいいかもしれません。
誰かがいるところで堂々と口に出してしまうと周りも不快にさせてしまう恐れがあります。そのため、まずは文字に記し、自身で自身のストレスを具現化させましょう。
③スマホやPCから離れる
慌ただしい日常の中で、つい目的もなくSNSやネット、動画を眺めていることはありませんか?
息抜きにスマホやPCを有効活用することは勿論悪いことではありません。ですが、息抜きのつもりがいつの間にかSNSやネットに依存し、逆に疲弊してしまうことがあります。
たまにはスマホやPCから離れた時間を送るのもセルフケアの一つです。
④一人になる
仲のいい友達や恋人との時間はストレスを緩和させてくれます。しかし、そもそもストレスを感じやすい人は他人に対して気を遣いすぎてしまうためにストレスが生じます。いくら仲がいい間柄とはいえ、一緒にいることでかえってストレスに感じることも少なくありません。誰にも会わない時間は意外とそんな心を落ち着かせてくれるかもしれません。
⑤なにもしない
極論ですがなにもしないことはストレスから逃れるために非常に重要な対処法の一つです。
なにもしない事は案外簡単なことではありません。社会人なら限られた休日で普段できない用事を済ませたり、溜まった家事をしたり、買い物に行ったりとあれこれ考えながら過ごしてしまうのは当然だと思います。そんな中、あえて何もせず、何も考えず、一日ぼーっとして過ごす時間は、心にとって重要な休息となることでしょう。
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また、アナタの悩みや今の暮らしに対し寄り添いながら一緒に考えていきます。
日常生活にセルフケアを取り入れるためのヒント
セルフケアの方法として運動や趣味、他人とのコミュニケーションを取り上げられていることが少なくありませんが、心身ともに疲れている時、そんなモチベーションすら湧かないことはありませんか?
一度にあれもしようこれもしようと考える必要はありません。
何もせずぼーっとすることも重要な時間だということを自覚することが、ストレスマネジメントの第一歩です。
セルフケアを実践する際の一般的な障壁を克服するには
①時間不足
忙しい現代人が日々の生活の中で自分のために使える時間は限られています。
趣味や運動のためにまとまった時間を捻出するのは難しいかもしれません。家族や子どもを持つ方ならなおさらです。
そこで重要なポイントは、短時間でいかに効果的な回復がとれるかです。寝る前の数十分をただスマホを眺める時間から、音楽を聴いたり、本を読んだり、またはパートナーと話す時間に変えてみるのもいいかもしれません。
睡眠についてもっと詳しく知りたい方や、睡眠に困っている方はこちらの記事がオススメです。
②周囲の視線
周りの視線を感じながら生きることは相当なストレスです。
もしかすると視線に敏感な性格の人は、セルフケアを実践している時でさえ周りの視線が気になって十分にリフレッシュできないことがあるかもしれません。しかし安心してください。
周りの人は案外あなたの事を見ていません。自分が思っている以上に他人は自分に対して興味がないものです。
それに、休むことは悪いことではなく、怠けているわけではないのです。また頑張るための助走なのだから、存分に休んでいいということを自分に言い聞かせましょう。
③無趣味
セルフケアの方法として、しきりに趣味に時間を費やすことを推奨しているのを見かけませんか?
そんな場合は、新しく何かに挑戦してみることも一つです。無理をして新しいことにチャレンジする必要はありません。
それでは逆にストレスになってしまい本末転倒です。
もしあなたが何か始めてみてもいいかなというモチベーションがあるなら、自分が今まで興味のなかったジャンルの趣味にあえて手を出してみると、案外ハマることになるかもしれません。
まとめ
ストレスとの共生は簡単なことではありません。しかしストレスから完全に逃れる術もないのであれば、上手に付き合っていくほかありません。
限界を超えたストレスは、貴方の心身だけでなくあなたが大切に思う人との関係性まで壊してしまいかねません。
今回、紹介したセルフケアによりストレスマネジメントを上手に行っていくことが、健康な心身を保ちながらストレス社会を生きていく方法の一つであることを頭の片隅に置きながら、明日の生活に役立てていってもらえれば幸いです。
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