メンタルトレーニングって聞いたことある方もいるでしょう。
実際にどんなことをやっているかわからない人も少なくないと思います。
今回は、この記事で次のことについて分かりやすく解説しています。
- メンタルとメンタルヘルスの違い
- メンタルトレーニングについて
- メンタルトレーニングの資格の種類
- メンタルトレーニングの5つのメリットと効果
- 今日から誰でも取り組めるメンタルトレーニング10選
- メンタルトレーニングを行う際の3つの注意点
この記事を読んで、心の健康レベルを回復し、高めるきっかけになればと思います。
メンタルとは
「メンタル」は英語の「Mental」から来ています。この単語は一般的に「心に関連する」や「精神的な」、「知識や理解に関わる」といった意味合いを持っています。これらは全て、物質的には観察することができない、抽象的な概念を指しています。
しかし、一方でこの言葉は、「精神疾患」や「思考が不安定である」といったネガティブな印象を持つ意味も含んでいます。
これは特に精神的な病を表す場合や、思考が混乱している状態を表す時に使われます。このような意味合いは、日本語でいう「精神」とほぼ同じです。
メンタルとメンタルヘルスの違い
メンタルという意味については上述しました。それではヘルスの意味について考えてみましょう。
辞書で調べると「病気をしない幸せな健康状態」というポジティブな意味を表しています。
このことから、メンタルヘルスは「心の健康状態」という意味を指します。
一般的に、「メンタル」は個々の精神状態を指し、「メンタルヘルス」はその状態の全体的な健康状態を指すと言われます。
それを比喩に置き換えると、「メンタル」は「車のエンジン」のようなもので、その日々の動きや機能を担当します。
一方、「メンタルヘルス」は「車全体の状態」のようなもので、エンジンだけでなく、タイヤ、ブレーキ、照明システムなど、すべてのパーツが適切に機能しているかどうかを反映します。
これらがバランス良く機能している時、車はスムーズに動き、旅行は快適に進みます。
これが健全なメンタルヘルスの状態を指します。しかし、何らかの理由でエンジン(メンタル)が不調だと、車全体のパフォーマンス(メンタルヘルス)に影響が出ます。
メンタルが強い・メンタルが弱いとは?
メンタルが強いと耳にするとイメージするのは「強い」「タフ」「風邪知らず」などの健康的なイメージがあります。
一方で、メンタルが弱いと耳にするとイメージするのは「弱い」「おとなしい」「虚弱」などのあまり健康そうではないイメージがあります。しかし、実際には「心の健康レベルが高い・低い」であると考えられています。
メンタルが強い人の特徴
メンタルの強い人と聞いてあなたの周りにいると人を想像すると、どんな人が出てきますか?
「どんなに多忙でも疲れを一切見せない人」「弱さを見せない人」だと思われます。
メンタルが強い人とは「心の健康レベルが高く、どんなに小さなことでも動じない」人を指します。
メンタルが弱い人の特徴
メンタルが弱い人は「心の健康レベルが低く、些細なことに過敏に反応し、ストレスに対して耐性が弱い」人を指します。
これらの人々は、些細なことに過敏に反応し、その結果、日常生活での困難を乗り越える能力が低下します。
これは心の柔軟性が低く、新たな状況や変化に適応するのが難しいことを示す場合もあります。
メンタルトレーニングとは
メンタルトレーニングとは、心の健康レベルを一定のレベルに保つためのトレーニングを指します。
自分自身でできること、人の力を借りてできることなど、その方法も様々あります。
自分にどれが適しているのか、見極めることが大事ですが、うつ病や不安障害などの心療内科や精神科の診断が下されている場合は、個人でできることに限界がありますので、まずはクリニックに行ってみることをお勧めします。
「メンタルの状況を維持したい」「メンタルが落ち込みやすい」と自覚がある人は個人で手軽にできるトレーニングを取り入れてみましょう。
メンタルトレーニングや心に関する資格とは?
- 臨床心理士
- 公認心理師
- メンタルヘルスマネジメント検定
- メンタル総合心理
- メンタル心理カウンセラー
- 上級心理カウンセラー
- チャイルド総合心理
- チャイルドカウンセラー
- 家族療法カウンセラー
- メンタルケアアドバイザー など
講座の目的や対象人物によって幅広く資格があります。
ただ、個人で行う分には資格を取得していなくてもできますが、人にトレーニングを教える・仕事として活用する場合には資格取得をしていた方がよいです。
一方で上記にある資格は、比較的取りやすい資格となっております。
心理学をしっかりと勉強して、資格が欲しい場合には公認心理師や臨床心理士などの大学院で取得できる資格を取ることがよりおすすめです。
メンタルヘルスの資格について、もっと詳しく知りたい方はこちら!
メンタルトレーニングにはお金がかかる?その料金について
メンタルトレーニングというと、高額な費用が必要と考えるかもしれませんが、実際には自分で学び実践することでコストを抑えることができます。
自己学習の方法やyoutubeなどのオンラインサービスを利用することで、自宅や外出先で手軽にメンタルトレーニングを行うことができます。
しかし、より深い知識を身につけたい方や、専門的なアドバイスを提供したいと考える方は、有料の資格取得コースや専門的な講座を受講することがオススメです。
またメンタルトレーニングとしてカウンセリングを受けることも一つの手段でしょう。
メンタルトレーニングの5つのメリットと効果
自分が認識していた内容が大幅に覆され、自分自身を改めて知ることができます。また、集中力を高めたり、気持ちの切り替えができるようになります。
ストレスの軽減につながる
冒頭でメンタルというのは「心」であることを指しました。
そのことからメンタルトレーニングと聞くと、心”だけ”のトレーニングなんだと思われがちですが、実際は違います。
心の健康レベルを高めるとともに、自分を取り巻く環境や人間関係、食生活について密接であることを知ることができ、衣食住がメンタル=心を構築しているものだと気づかされます。
自分の限界のサインがわかる
メンタルが強い・弱いというのは、人に言われて初めて自認します。しかし、「肩が痛い」「下痢が酷い」「イライラする」というあらゆるサインは自らが発しているものです。
自分のサインにいち早く自分が気付くことができ、その場で対策をすることで、サインを悪化させることなく、メンタルヘルスのレベルも落とすことなく日々生活することができます。
周りの変化に気づけるようになる
メンタルトレーニングについて学ぶと、周りの変化やメンタルの状態に気付けるようになります。
「イライラしているから話しかけにくい」「今日はいつもと様子が違う」など感じたことはありませんか?
それは、その人の心の健康度が下がっているからかもしれません。
その時に少し接し方を変えるだけで、人間関係のトラブルを回避することができます。
メンタルトレーニングを学ぶと観察眼が養われ、察する力が身につくようになります。
いつでもどこでもトレーニングができる
メンタルトレーニングにも種類は豊富にあります。
食生活・運動・睡眠・認知の歪みの修正など、日々生活している中のあらゆる状況でトレーニングや改善をすることができます。
全てを一気に取り組むのは大変ですが、小さなことや簡単なことから改善をしていくと、トレーニングが自然と身につくようになり、気づけば無意識で自己トレーニングをすることができます。
自己肯定感のアップにつながる
メンタルトレーニングをすることにより、自己肯定感が高まると、自己価値を肯定し、自信を持って行動することができるようになります。
ポジティブな思考や自己意識の向上により、自己肯定感はより強固なものとなり、自分の能力を十分に発揮できるようになるでしょう。
人間関係においても良好な影響をもたらすことが期待されます。
メンタルトレーニング10選!今日から取り組める
こちらの内容を読むことで、自分に「今必要なトレーニング」が分かります。
また「自分が身に着けて損はないトレーニング」についての情報を知ることができます。
- 心の専門家のもとでカウンセリング
- セルフトーク
- マインドフルネス
- 思い込みや偏見を取り外してみる
- 自分の考えをノートに書いてみる
- 生活習慣を変えてみる
- 目標を明確に設定してみる
- 心を整理する自分ルールを作る
- リラックスする時間を確保する(リラクゼーション)
- イメージトレーニング
心の専門家のもとでカウンセリング
心の健康レベルが低く(マイナスな状態)、ゼロにすることが難しい状況にある場合は、専門家によるカウンセリングでトレーニングをすることを推奨します。
カウンセリングと聞くと、抵抗は大いにあると思いますが、実際に利用してみると「話すと楽になる。自分はこんなことを思っていたんだ」というこれまで自分が気付かなかったことに気づかされるようになります。
心の整理や、考え方の傾向、自分自身の性格的な悩みについて心の専門家と話しながら「自分らしさ」を見つけたい方はこちら!
セルフトーク
セルフトークとは、自分自身と対話をすることを指します。
ネガティブな感情をポジティブな感情に切り替えるための対話を行います。
緊張する場面に遭遇したら「大丈夫大丈夫」と言い聞かせる、部活等で練習がキツイときは「この練習を乗り切れば上手くなる、ライバルに勝てる、試合に勝てる、テクニックが身につく」とポジティブな考え方に変換します。
こうすることで、ネガティブな感情が薄れ、ポジティブな思考・自己肯定感が上がります。
結果的に心の健康レベルを高めることにつながります。
マインドフルネス
マインドフルネス瞑想は呼吸に意識を集中させる方法です。
椅子に座る又は座禅をした状態で、背筋を伸ばし、肩の力を抜き、呼吸とともにお腹が膨らんだりへこんだりするのを感じたりします。雑念は客観的に眺めます。
これを行う際、体の感覚に注意を向けることがポイントです。体に意識を向けると思考が一時的に止まり、気分が落ち着きやすくなるといわれています。そしてマインドフルネスはトイレの個室、電車に座っている時、公園のベンチ、寝る時など、あらゆる状況で行うことができます。徐々に慣れていくと、自然にリラックスすることができたり、気づけば眠りに入っていることがあります。
思い込みや偏見を取り外してみる
思い込みや偏見は誰にでもあるものでありますが、それらが強いことで人間関係がうまくいかずにストレスを感じてしまい、心の健康レベルを落とす要因にもなります。
メンタルトレーニングを通じて、自己観察を行い、自分自身が持つ思い込みや偏見を冷静に見つめ直すことが大切です。他者の視点や意見を尊重し、オープンな心を持つことで、新しい気づきや学びを得る機会が広がります。
思い込みや偏見を取り外してみることにより、心の健康レベルが上がり、自分の肩の力が抜け、よりよい人間関係の構築につながることができます。
Kimochiのオンラインカウンセリングを利用することで、公認心理師・臨床心理士の資格を持ったカウンセラーの中から自分にピッタリなカウンセラーを選び、カウンセリングを通して、自分の心の状態や変化を把握し、自分のメンタルの状態を把握するきっかけになります。
自分の考えをノートに書いてみる
自分の頭の中で色んなことを考えていると、頭はパンクしてしまい限界が来てしまうこともあります。
そんな時は、ノートやスマホに気持ちや考えていることを書き出してみましょう。
「どんな状況になるとイライラするのか」「どんな状況だと焦るのか」「私は〇〇が好きだ」など何でも構いません。
書き出すことで頭の中が整理されて、書き出した文字を自分の目で確認することで、自分について再認識をしたりすることができます。
生活習慣を変えてみる
規則正しい生活は、脳や胃腸などの心身機能の信号を切りかえることにつながります。
就寝90分前にはスマホやパソコンを使用するのをやめて、ブルーライトを浴びないようにしてみることがおすすめです。
ブルーライトは脳に覚醒作用をもたらし、寝つきを悪くさせたり、睡眠の質の悪化を招きます。
朝起きたら朝日を浴びる、運動の習慣を作る、趣味やストレス解消法を増やすなども心の健康レベルを上げる方法です。
目標を明確に設定してみる
目標を高く持つことはとてもいいことです。しかし、高すぎる目標や達成不可能な目標を立ててしまうと、達成できなかった時にイライラしたり、自己肯定感の低下につながります。
その結果、心の健康レベルの低下を招いてしまいます。
そのために「まずは小さな目標を設定して、積み重ねること」がおすすめです。
「朝〇時に起きる」「1日3食を食べる」など小さなことで構いません。小さな目標が達成されたときは自己肯定感が上がり、成功体験が蓄積され、結果として心の健康レベルを高めることになります。
もし小さな目標が達成できなかったとしても、「まぁいっか」と思うようにするといいでしょう。
「目標が達成できなかった、ダメだ」と感じてしまうと自分を否定することになってしまい、心の健康レベルの低下につながります。「目標が達成できなかった、まぁいっか」と思うと気が楽になります。
心を整理する自分ルールを作る
ストレス解消法とは別に自分自身と対話することも必要です。
頭の中で考えていること、心の中にあるもやもやは自分自身の中で消化をすることはとても難しいです。
そんな時に、紙に書き出したり、信頼できる人に相談することによって「自分はこんなことを悩んでいたのか、ちっぽけなことだったな、心が軽くなった、アドバイスをもらえた、聞いてくれてよかった」という心の安心感を得ることができます。
また、スマホやパソコンから離れる(デジタルデトックス)をすることや、自然に触れる、何もせずボーっとするという方法も自分の心を整理することになりますし、安心感や心の健康レベルの回復につながります。
リラックスする時間を確保する(リラクゼーション)
リラクゼーションとは、自律神経のうち、交感神経の働きを抑え、副交感神経を優位にさせることを言います。
副交感神経が優位になると、筋肉の緊張が緩み、心拍数が低下し、免疫力が向上します。このことからリラクゼーションは体からのメッセージを受け取り、心をリラックスさせる方法を言います。
これらの他に一人になる時間も大事なこともあります。
- テンポの緩やかな音楽を聴く
- 誰もいない場所でのんびりする
- 散歩をする
- 1時間に1度個室で過ごす
- 昼休みに気分転換で外を歩いてみる
- 1人で通学してみる
- 1本早い電車に乗って座る
工夫次第でいつでもどこでもリラックスする時間を活用することができます。
また、アロマオイルを嗅ぐことによって脳にリラックスを与えるのでお勧めです。
イメージトレーニング
自分自身が楽しいこと、リラックスできることを想像しましょう。
目を閉じて深呼吸をゆっくりして、「木々の中に囲まれている」「大好きな猫に埋もれている」「大好きなキャラクターに囲まれている」などを想像します。そうすると、一時的ではありますが、現実から意識を逸らすことができ、リラックスできます。
小さな目標を達成することをイメージするのもよい方法です。
「明日は〇時にシャキッと起きるぞ」と考えながら眠りにつくと実際にシャキッと起きられるようになり、これが目標達成すなわち、成功体験につながります。
メンタルトレーニングを行う際の3つの注意点
効果はすぐに出ないけれど焦らずゆっくりと、トレーニングをしていきましょう。
メンタルトレーニングは、心の状態を調整し、ストレスを管理し、より良いパフォーマンスを発揮するための重要なツールとなります。これはアスリートだけでなく、ビジネスパーソン、学生、あらゆる職種の人々にとって良いことです。
しかし、このトレーニングを行う際には、誤解を避け、最大の効果を得るために考慮すべき注意点が3つあります。
それぞれを詳細に解説します。
メンタルトレーニングの効果をすぐに求めない
メンタルトレーニングをするとすぐに効果が出ると思われがちです。しかし、自分自身との対話やトレーニングの仕方を誤ってしまうと効果が出るどころか逆効果にもなります。
まず、ネガティブ思考を受容しましょう。ネガティブ感情の背景にどのようなポジティブ感情があるのかを考えます。
そうすると少しずつネガティブな感情が減っていきます。
自分ができていることは褒めて、継続する
自分が日々できていることは自分で褒めてあげてください。
褒めることによって自己肯定感が高まり、心の健康レベルを高めることができます。そして、日々できていることは可能な限り継続をしていきましょう。
もしできなかったとしても「まぁいっか」と思うようにして自責しないようにしましょう。その日できたことやうまくいったことを毎日5つ以上探して記録をつけるのがおススメです。
自分ひとりではできないことは人のサポートを借りる
メンタルトレーニングの種類は一人でできる内容が多いですが、人のサポートを借りることもできます。
ソーシャルサポートとも言いますが、2種類あります。
一つは情緒的なサポート。直接人に相談することでスッキリしたり、安心できる相手を持ちましょう。
もう一つは道具的なサポートです。具体的な援助をしてくれる相手を持ちましょう。
人のサポートを借りるには、日頃から信頼関係を築くことが必要です。またソーシャルサポートに適している人は、自分の欠点や失敗をありのまま出して、なんでも話し合えること、よく聞いてくれて自分の気持ちを汲み取ってくれる人です。
自分から話しかけて相手の話を聞いてみるのも方法の一つです。
対話を通してメンタルトレーニングを行なってみたいと考えている方、是非Kimochiのカウンセラーと一緒に悩みの解消、目標の達成の方法を探してみませんか?
まとめ
いかがでしょうか?
メンタルとメンタルヘルスの違い、メンタルトレーニングについて分かりやすく解説しました。
何か取り入れてみたいトレーニングがあれば、ぜひ行なってみてください。
この記事があなたの心の健康レベルを高めることに役立てたのであれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。
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