ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性としてよく知られているのが、不注意や衝動的な行動です。こうした特性は日常のささいな場面でも影響を及ぼし、ときに人間関係にも大きな困難をもたらすことがあります。
「気づくと付き合いが途切れてしまう」「なんだか周囲とうまくかみ合わない」と悩む方もいるのではないでしょうか。
本記事では、ADHDによって人間関係が続かないと感じる主な原因を解説するとともに、より良い人間関係を続けるためのポイントを紹介します。
ADHDに関する知識を深め、人間関係が続かない場合の対処法を知っておきましょう。
ADHDとは?
ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)は、日本語では注意欠如・多動症、または注意欠如・多動性障害と呼ばれます(以前は「注意欠陥・多動性障害」という名称が使われていました)。
特徴としては、集中力を持続させにくい、落ち着いてじっとしていられない、衝動的に行動・発言をしてしまうなどが挙げられます。ただし、これらの症状は人によって現れ方や程度が異なるため、大きな個人差があるのがADHDの特徴です。
従来は子どもだけのものと考えられがちでしたが、大人のADHDも注目されるようになりました。
日常生活で物忘れが多い、感情の起伏が激しいなどの困りごとがある場合、もしかするとADHDが関係しているかもしれません。自分の状況を正しく理解するためにも、ADHDについての知識を身につけておくことは大切です。
この記事では、ADHDの概要と種類、そして原因についてわかりやすく解説します。
ADHDの3つの種類
ADHDの種類は、現れる症状によって次の3つに分けられます。
- 不注意優勢型
- 多動性・衝動性優勢型
- 混合型
ADHD(注意欠如・多動性障害)は、現れる特性によって大きく3つに分けられます。具体的には、不注意の特性が主に目立つ「不注意優勢型」、落ち着きのなさや衝動的な行動が目立つ「多動性・衝動性優勢型」、そしてその両方の特性が混在する「混合型」です。
不注意優勢型
不注意優勢型のADHDは、集中するのが苦手だったり、忘れ物が多かったりするなど、「うっかりミス」のような行動が目立ちます。多動性・衝動性があまり表に出ないため、周りからは単に「注意力が足りない人」と思われがちかもしれません。しかし、このタイプの人たちは頭の中が常に忙しく、考えがまとまりづらい傾向があります。興味があることに熱中しているときは、周囲の声が聞こえなくなることがあるため、話しかけられても気づきにくいことが特徴です。
多動性・衝動性優勢型
多動性・衝動性が強く現れるタイプは、落ち着いてじっとしていることが難しく、感情のコントロールも苦手な特徴があります。考えるより先に体が動いてしまうことが多いため、周囲からは「乱暴」「反抗的」といった印象を持たれることがあるかもしれません。欲求に素直に従って行動するため、集団生活などルールやマナーを守る場面では、ストレスを感じやすい傾向があります。
不注意優勢型に比べると、多動性・衝動性優勢型の特徴は行動に表れやすいため、周囲に気づかれる可能性が高くなります。
混合型
不注意と多動性・衝動性の両方の特性が見られるタイプが「混合型」です。このタイプの人は、集中力の維持が難しい場面と、衝動的に動いてしまう場面の両方が日常に現れます。忘れ物が多いだけでなく、落ち着きがない行動や突発的な言動が同時に見られるため、周囲から「いつも忙しそう」「せわしない」と感じられることが多いかもしれません。
いずれのタイプのADHDでも、人によって特性の出方や強さは異なります。本人が困り感を抱えながらも気づいていない場合や、周囲が理解できずに誤解が生じる場合もあります。
自分や家族、友人の行動を見て「もしかしてADHDかもしれない」と感じたら、専門家に相談することを検討してみてください。
ADHDの特徴
ADHD(注意欠如・多動性障害)は、集中力が長続きしにくかったり、多動性や衝動性が見られたりする発達障害のひとつです。
子どもの頃からじっと座って授業を受けるのが苦手だったり、頻繁に忘れ物をしてしまうことがあります。本人がコミュニケーション上の問題に気づきにくいため、周囲も発達障害だとは思わず、日常生活の不便を抱えたまま過ごしているケースも考えられます。
以下に、ADHDによく見られる特性と行動例をまとめました。
特性・ADHDタイプ | 特徴・行動例 |
不注意優勢型 (集中力の欠如が目立つタイプ) |
・細かい作業のミスやうっかりミスが多い
・忘れ物や約束を忘れてしまうことが目立つ ・会話や授業などで注意が途切れ、聞き逃してしまう ・スケジュール管理や整理整頓が苦手で混乱しやすい ・複数のことを同時に行うとパニックになることがある |
多動性・衝動性優勢型 (落ち着きがなく衝動的なタイプ) |
・座っているときでも手足を動かしたり、そわそわしてしまう
・他人の会話に割り込んでしまい、話を最後まで聞けないことが多い ・順番やルールを守るのが苦手で、我慢できずに行動してしまう ・気持ちの波が激しく、些細なことで感情が爆発してしまうことがある ・お金の使い方が衝動的で、後悔することが多い |
混合型 (両方みられるタイプ) |
・勉強や仕事で集中力が続かず、さらに落ち着きもないためミスを繰り返す
・予定を忘れてしまう一方で、順番待ちや手続きなどが苦手で焦りやすい ・感情をコントロールしにくく、イライラや落ち込みが頻繁に起こる ・同時に複数の作業を進めることにストレスを感じやすい ・忘れ物が多い上に衝動的な行動が重なるため、周囲から誤解されやすい |
ADHDの特性は基本的に子どもの頃から持っていると考えられていますが、学生時代に特性に気づかず、大人になってから自覚するケースもあります。このような状況を「大人のADHD」と呼ぶことがあります。
また、診断基準を満たすほどではないものの、いくつかのADHD特性が見られる場合を「ADHDのグレーゾーン」と表現することもあるようです。
ADHDの原因
ADHD(注意欠如・多動性障害)の主な原因としては、脳機能の障害が挙げられます。特に、理論的に考えをまとめるときや整理整頓をする際に活動する前頭葉の働きが弱いと、ADHDの症状が出やすいと考えられています。
また、脳内の神経伝達物質であるドパミンの働きが低下することも、不注意や多動、衝動的な行動に繋がる要因です。ドパミンというと「興奮」や「快感」を得ているときに分泌されるイメージが強いかもしれませんが、実際は意欲や集中力を維持するためにも重要な物質です。意欲的に何かに取り組むときにドパミンが分泌され、ワーキングメモリー(作業記憶)をうまく機能させる役割を担っています。
こうした脳機能や神経伝達物質の低下が、ADHDの発症と深く関わっているとされています。また、遺伝や環境の影響に関する研究も進んでいますが、現時点で明確な結論は得られていません。
ADHDの人が人間関係が続かない・難しくなる主な原因
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性を持つ人は、社会性には問題がなくても、長く安定した人間関係を築くのが難しいことがあります。
不注意や衝動的な行動が原因で、周囲の人と円滑なコミュニケーションを取るのが苦手と感じるケースが見受けられます。ここでは、ADHDの特性が理由となって人間関係が続かなくなる主な原因を紹介します。
- マメなやりとりができない
- スケジュール管理が苦手
- 人間関係の中に過度の刺激を求める
- 同じことを続けるのが苦手
- 感情を衝動的にぶつけてしまう
- 礼儀・マナー違反が多発する
- 小さなミスを重ねてしまう
- 社交的な場面で疲れやすい
マメなやりとりができない
相手との信頼関係を深めるには、連絡や会話をこまめに繰り返すことが重要です。しかし、ADHDの特性として「飽きやすい」「集中が続かない」ことが挙げられるため、何気ないメッセージのやりとりや、同じ相手と頻繁に話し続けることを億劫に感じることがあります。
特に仕事上の連絡を怠ると、相手に不安を与えてしまい、一緒に仕事をするパートナーとして不向きだと思われるかもしれません。お互いに心地よい連絡の頻度を探りつつ、状況に応じて自分の行動を調整する必要があります。
スケジュール管理が苦手
ADHDの人は、予定や時間の管理が苦手であるため、他人との約束を守れないことが多くなりがちです。また、自分の興味があるものに熱中すると、時間を忘れてしまうこともあります。
社会人として時間にルーズな行動が続くと、相手に「信頼できない人」と思われる可能性が高まり、親しい関係を築くのが難しくなります。約束を守れない、遅刻しがちといった行動は、コミュニケーションの妨げになることがあるため注意が必要です。
人間関係の中に過度の刺激を求める
ADHDの人は飽きっぽい性質があり、いつも新しい刺激を求めがちです。しかし、人間関係では、常に新しい出来事や興奮を追いかけるわけにはいかない場合が多いです。
仲の良い相手との関係性が安定すると、「つまらない」「刺激が足りない」と感じてしまい、良好な関係性を自ら壊してしまうこともあります。逆に、相手に必要以上の刺激を求めると、一方的に振り回される側が疲れ果ててしまい、人間関係が崩れていく恐れがあります。
同じことを続けるのが苦手
人間関係は、毎日の小さなやりとりや気遣いの積み重ねで深まるものです。ところが、ADHDの特性として「ひとつのことを長く継続するのが苦手」という傾向があります。
新しい出会いは楽しめても、既存の相手との付き合いを維持するためのこまめな会話や気配りを面倒に感じやすいのです。その結果、人間関係の表面的な部分で終わってしまい、深いつながりが育ちにくくなる可能性があります。
感情を衝動的にぶつけてしまう
衝動性が強いADHDの人は、相手の気持ちを考えずに自分の意見をぶつけてしまうことがあります。会話の流れを読まずに強い意見を言ってしまうと、相手が驚いたり、非常識だと感じたりするかもしれません。
また、礼儀やマナーを守らずに行動してしまうと、不快な思いをさせていることに気づかないまま信頼を失うケースもあります。一度「空気が読めない人」というイメージを持たれると、その後の関係修復が難しくなることがあります。
礼儀・マナー違反が多発する
ADHDの特性として、目の前のことに集中しすぎて周りが見えなくなる場合があります。その結果、相手に対する思いやりを示すタイミングを逃したり、会話中にスマートフォンをいじるなどの行動をしてしまったりして、知らないうちに礼儀やマナーに反してしまうことがあります。
大きなトラブルには発展しない場合が多いですが、相手からすると「一緒にいて居心地が悪い人」と感じられ、関係性が深まらないまま疎遠になってしまう恐れがあります。
小さなミスを重ねてしまう
ADHDの人は、些細なミスを繰り返しやすい傾向があります。たとえば、相手からのメッセージを見落としていたり、要望を正しく把握していなかったりするかもしれません。
本人はあまり大きな失敗と感じていなくても、相手には「信頼できない人」という印象が積み重なってしまい、人間関係がぎくしゃくすることがあります。小さなミスであっても繰り返すことで、相手に不安や不満を抱かせてしまう可能性が高まるでしょう。
社交的な場面で疲れやすい
社交の場が長引いたり、大人数での会話が続いたりすると、ADHDの人は集中力が維持できず、疲れを感じやすくなる場合があります。周りの人が楽しんでいる場面でも、自分だけが疲れてしまい、その場に居続けるのが苦痛になることがあります。途中で席を立ったり、急に帰ってしまったりすると、他の参加者とのコミュニケーションに亀裂が生じてしまい、「付き合いが悪い」「気まぐれ」と誤解されることがあるかもしれません。
ADHDの人は、自分では当然だと思っている行動が、周囲にとっては理解しづらいものになっている可能性があります。人間関係に悩んでいる場合は、今挙げた原因に当てはまるところがないか確認してみるのが良いかもしれません。困りごとが大きいと感じたときは、専門家のサポートを受けて対処法を探ることをおすすめします。
ADHDでも人間関係を続けるためのポイント
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性を持つ人でも、工夫次第で良好な人間関係を築くことができます。
以下の10のポイントを押さえ、自分に合った方法を取り入れてみてください。
- ツールを使ってスケジュール管理する
- 発言をする前に考える
- 人間関係を広げ過ぎない
- 自分のコンディションを確認する
- 相手への礼儀を大切にする
- 環境を変える
- 専門機関に相談する
- 自分の得意なコミュニケーション手段を見つける
- 小さな目標を設定して続ける
- カウンセリングを受ける
ツールを使ってスケジュール管理する
仕事でもプライベートでも、人付き合いを円滑にするうえでスケジュール管理は欠かせません。約束を忘れたり、同じ時間に別の予定を入れたりする失敗を減らすために、スケジュール帳やスマートフォンのカレンダーアプリなど、自分に合ったツールを活用しましょう。
特に「予定が決まったらすぐ記録する」ことがポイントです。いつでも予定を確認できる安心感が生まれ、約束への不安も軽減されるはずです。
発言をする前に考える
衝動性の強いADHDの特性があると、思いついたことをその場で口に出してしまい、相手を戸惑わせることがあります。少しでも衝動を抑えるため、発言前に一呼吸置き、「今の状況でこの言葉は適切か」を考える習慣をつけることをおすすめします。
たった数秒のブレーキでも、相手に与える印象を大きく変えられます。それでも難しい場合は、カウンセリングで相談しながら練習すると効果的です。
人間関係を広げ過ぎない
人間関係を広げすぎると、情報の管理ややりとりが煩雑になり、ミスやコミュニケーション不足が起こりがちです。自分が余裕を持って対応できる範囲を把握し、無理のないスケジュールを組むようにしましょう。
特に大切な相手への時間やエネルギーを優先的に配分していくことで、一つひとつの関係を丁寧に育むことができます。
自分のコンディションを確認する
人間関係がうまくいかないときは、心や体の調子が崩れていることが多いです。まずは自分が疲れていないか、ストレスを溜めすぎていないかをチェックし、必要であれば休息を取るなどコンディションを整えましょう。
調子が悪い状態で無理をして人と会い続けると、思わぬトラブルを招き、さらに状況が悪化する恐れがあります。
相手への礼儀を大切にする
ADHDの特性として、自分の興味に没頭すると周囲の状況が見えなくなる場合があります。しかし、コミュニケーションで大切なのは相手を思いやる気持ちです。
話を聞くときは目を合わせる、会話中にスマホをいじらないなど、基本的なマナーを守るだけで、印象が大きく変わります。自分の感情が高ぶったときこそ、相手への礼儀を忘れないように意識しましょう。
環境を変える
ADHDの人は同じ環境に長く居続けると、刺激が足りないと感じてしまうことがあります。もし人間関係のマンネリやストレスを感じているなら、新しい場所に出かけたり、交流の場を変えてみるのも方法です。
多くの人と気軽に出会える環境に身を置くと、刺激を得ながらも自分に合った距離感で付き合いを続けられるかもしれません。また、どうしても合わないと感じるコミュニティでは、思い切って環境を変える選択肢も検討してみましょう。
関連記事として、人間関係リセット症候群の記事がおすすめです!
専門機関に相談する
人間関係がうまくいかず、ADHDの特性が大きく影響していると感じる場合は、専門機関に相談してみるのも有効です。医療機関での検査を受けることで、ADHDの傾向や程度を客観的に把握できます。
発達障害者支援センターや相談支援事業所など、必要に応じて利用できる支援窓口もあります。一人で抱え込みすぎず、専門家にアドバイスをもらいながら状況を改善していくことが大切です。
自分の得意なコミュニケーション手段を見つける
ADHDの人は、やり取りの方法によっては集中できずにストレスを感じることがあります。
たとえば、口頭での約束が苦手ならメールやメッセージでやり取りをする、文章で気持ちを伝えづらいなら電話や直接会って話すなど、自分がよりスムーズにコミュニケーションできる手段を選ぶように意識すると、ストレスが軽減されやすくなります。
小さな目標を設定して続ける
「連絡の頻度を週に一度は保つ」「出かけるときは5分前行動を心がける」といった、小さく具体的な目標を立てると行動に移しやすくなります。
最初から大きな目標を掲げると挫折しやすいため、着実に達成できる範囲で設定し、少しずつハードルを上げていくと良いでしょう。小さな成功体験を積むことで、自己肯定感も高まり、行動を継続しやすくなります。
カウンセリングを受ける
人間関係に限らず、何かに強い悩みを抱えていると、心の余裕が失われていきます。カウンセリングでは、プロのカウンセラーが客観的な立場から話を聞いてくれます。自分の言葉で悩みを整理し、気持ちを吐き出すだけでも、心が軽くなることがあるでしょう。
人間関係でうまくいかない点についても、具体的なアドバイスや対処法を教えてもらえる可能性があります。つらいと感じたときは、一人で抱え込まずに専門家の手を借りてみてください。
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ADHDだからこその5つの長所
ADHD(注意欠如・多動性障害)には、不注意や衝動性など人間関係を難しくする特性がある一方で、その特性が強みに変わる場面も少なくありません。
人間関係を続けるためにプラスに働く、ADHDの5つの長所は次のとおりです。
- 高い社交性を持っている
- ファーストペンギンになることがある
- どのような相手にも自分の意見を述べられる
- 独創的なアイデアを生み出しやすい
- 失敗を恐れず挑戦できる
ここでは、ADHDならではのプラス面を5つ紹介します。「人間関係を築くのが苦手」と思い込む前に、ADHDの特性をうまく活かす方法を考えてみましょう。
高い社交性を持っている
ADHDの人は、新しい環境や出会いを楽しみやすいという強みがあります。飽きやすい一方で、刺激や変化を求める傾向が強いため、日常生活の中でも新たな交流の場を積極的に探そうとすることが多いです。
社会に出ると、家と職場の往復だけではなかなか人脈を広げられなくなりますが、ADHDの特性が行動力を後押しし、より多くの人と出会うチャンスを得やすいかもしれません。
ファーストペンギンになることがある
「ファーストペンギン」とは、危険を承知で最初に海に飛び込む勇敢なペンギンを指す言葉です。ADHDの衝動性は、一見リスクとも捉えられがちですが、それが思い切った行動を取る原動力になることもあります。
周囲が様子をうかがっている状況で、自分だけが先に行動を起こせる点は、ビジネスや新しいプロジェクトの場面で大きな武器になり得ます。周りに刺激を与え、先陣を切る存在として注目される可能性もあるでしょう。
どのような相手にも自分の意見を述べられる
相手の顔色を過度にうかがわず、自分の考えを素直に伝えられるのも、ADHDの特性のひとつです。まわりの人が気にしすぎて言い出せないことでも、率直に口にできるため、「本音で話せる人」として信頼を得る場合があります。
コミュニケーションにおいて、自分を偽らずにやりとりできるのは大きな強みです。意識しなくても自然に本音を語れるというのは、相手にとっても新鮮で魅力的に映るでしょう。
独創的なアイデアを生み出しやすい
ADHDの特性として、いろいろな情報や刺激に対して注意が移りやすい面がありますが、それは逆に言えば「常に頭の中でさまざまな考えが巡り、新しい発想が浮かびやすい」という長所にもつながります。
突拍子もないアイデアを思いついて周囲を驚かせることがあるかもしれませんが、それが他者にはない独創性となり、人間関係や仕事上でも大きなメリットになることがあります。
失敗を恐れず挑戦できる
ADHDの衝動性や飽きっぽさは、リスクを取る勇気とも表裏一体です。新しいことを始める際に、失敗を警戒して二の足を踏む人が多い中、ADHDの人は深く考え込まずに行動を起こすため、結果的に成功のチャンスを手にする場合もあります。
人間関係においても、「失敗しても次がある」という前向きな姿勢は、周囲にエネルギーを与え、相手に好印象を与えることがあるでしょう。
ADHDの人間関係の悩みはKimochiのカウンセラーに相談してみよう!
ADHDの特性として、不注意や衝動性、多動性が原因で人間関係が続かないという悩みを抱える人もいます。人間関係とは、お互いが心地よいコミュニケーションを重ねることで少しずつ築かれていくものですが、ADHDがあると「自分はうまくやりとりができない」と思い込んでしまう場合があるかもしれません。
しかし、ひとくちにADHDと言っても、個人差は大きく、現れる症状や困りごとも人それぞれです。まずは自分の状態をチェックし、どのような行動や考え方が「人間関係を続けにくくしているのか」を客観的に見直してみることがおすすめです。具体的な対処法が見つかれば、これまで苦手意識を抱えていた人間関係においても、新たな改善のきっかけが期待できるでしょう。
一方で、すぐにはうまくいかず、思うように関係が深まらないこともあるかもしれません。そんなとき、焦りや不安から心の余裕を失ってしまうと、さらにストレスが増え、感情のコントロールが難しくなる可能性があります。周りに気軽に相談できる人がいる場合は、一度悩みを打ち明けてみるのも良い方法です。人に話すだけでも、自分の状況を客観視しやすくなることがあります。
もし身近に相談できる相手がいない、または専門的なアドバイスが必要だと感じるときは、Kimochiのカウンセラーに相談してみてください。心の専門家だからこそ、あなたの悩みを理解し、解決策を一緒に考えてくれる可能性があります。