ふとした瞬間に涙があふれて、自分でも止められない。悲しい出来事があったわけでもないのに、気づくと泣いている。
そんな状態が続くと「私の心はどうなってしまったんだろう」「病院に行くほどのことなのかな」と、不安がふくらんでいきますよね。
涙が止まらない状態は、心と体が「少し休ませてほしい」と伝えているサインのことがあります。ただ、その背景には一時的な疲れから心の不調まで、さまざまな可能性があります。
この記事では、涙が止まらないときの精神状態について、次のことを順番に整理します。
- 涙が止まらないとき、心の中で起きていること
- 心と体にあらわれやすいサインと、場面ごとの見方
- 背景にある可能性がある病気(公的機関の情報をもとに紹介)
- 話を聞いてもらえる相談先と、つらいときに自分でできること
なお、病気かどうかを決められるのは医師だけです。この記事は自分の状態を見つめ直し、相談先を選ぶための手がかりとして読んでください。
毎日の生活の中で涙が出やすくなる原因(仕事や育児の抱え込みなど)と、日常でできる対処法をくわしく知りたい方は、涙が止まらない原因と対処法の記事もあわせてご覧ください。
「何が原因なのか、自分ではよくわからない」というときは、誰かに話しながら気持ちを言葉にしていくと、少しずつ整理できることがあります。
涙が止まらない精神状態とは?心の中で起きていること

まずは、涙が止まらないときに心と体の中で何が起きているのかを見ていきましょう。
涙は心と体のバランスをとる反応
涙は目を守るために少しずつ分泌されていますが、感情が大きく動いたときにもあふれてきます。
私たちの体には、意識しなくても心拍や体温、消化などを調整している自律神経があります。自律神経には、活動するときに働く交感神経と、休むときに働く副交感神経があり、涙の分泌は主に副交感神経の支配を受けています。
緊張や悲しみ、ほっとした瞬間など、気持ちが揺れて自律神経の働きが切り替わると、涙が出やすくなると考えられています。泣いたあとに少し気持ちが軽くなることがあるのは、そのためかもしれません。
一方で、強いストレスが長く続いていると、ちょっとしたきっかけで涙があふれ、なかなかおさまらない状態になることがあります。
理由もなく・悲しくないのに涙が出るとき
「理由もなく涙が出る」「悲しくないのに泣いてしまう」という状態は、多くの人を戸惑わせます。
このようなときは、本人が気づいていない疲れや我慢が、少しずつたまっていることがあります。忙しい毎日の中で感じないようにしてきた不安やさみしさが、涙という形で外に出てくるイメージです。
ただし、理由がわからない涙が何日も続き、気分の落ち込みや眠れなさを伴う場合は、心の不調のサインである可能性もあります。この後で紹介するサインと照らし合わせてみてください。
疲れがたまると感情の調整が難しくなる
感情は、睡眠や体の疲れの影響を強く受けます。寝不足の日に、いつもなら気にならない一言が胸に刺さった経験がある方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省の「Good Sleep ガイド(成人版)」でも、睡眠不足はうつ病などの発症リスクになると紹介されています。
心と体のエネルギーが減っているときは、感情の波を受け止める余裕も小さくなります。涙が止まらないのは心が弱いからではなく、がんばり続けてきた結果として、余裕がなくなっている状態と考えてみてください。
涙が止まらないときに見られる心と体のサイン
涙そのものよりも大切なのは、涙と一緒にどんな変化が起きているかです。ここでは、気をつけたいサインを心・体・周りから見た変化に分けて紹介します。
気持ちや考え方に出るサイン
次のような変化が、涙と同じ時期に出ていないか振り返ってみましょう。
- 一日中、気分が沈んでいる
- 好きだったことを楽しめなくなった
- 「自分はダメだ」と責める考えが止まらない
- 不安や焦りが強く、落ち着いていられない
- 集中できず、簡単な判断にも時間がかかる
- 誰にも会いたくない、何もしたくないと感じる
国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」(うつ病)では、うつ状態では物事を否定的にとらえやすくなり、普段なら乗り越えられる問題もつらく感じてしまうと説明されています。
体に出るサイン
心の不調は、体の不調として先に出てくることもあります。
- 寝つけない、夜中や朝早くに目が覚める、または寝すぎてしまう
- 食欲がない、または食べすぎてしまう
- 体がだるく、疲れが抜けない
- 頭痛や肩こり、胃の不快感、便秘や下痢
- 動悸やめまい
同じく「こころの情報サイト」では、うつ病の精神的な症状に気づく前に、こうした体の不調があらわれることもあるとしています。
周りの人が気づきやすい変化
自分の変化には、自分ではなかなか気づけないものです。「こころの情報サイト」では、周りから見てわかるうつ病のサインとして、表情が暗い、自分を責めてばかりいる、反応が遅い、落ち着かない、飲酒量が増えるといった変化とあわせて、「涙もろくなった」ことも挙げられています。
家族や友人から「最近元気がないね」「疲れてない?」と言われたら、それは心の状態を見直すきっかけになるかもしれません。
朝と夜で涙の出方が違うとき
涙が出やすい時間帯にも、目を向けてみましょう。
朝、起きた瞬間から気分が重く、仕事や学校に行く準備をしながら涙が出てしまう。そうした状態が続くときは、心の疲れがかなり深くなっていることがあります。うつ病のサインとして「朝早く目覚める」ことを挙げる自治体の資料もあります。
夜、一人になったときに涙が止まらなくなるのは、日中に張りつめていた気持ちがゆるむためと考えられます。ただ、夜に泣いて眠れない日が続くと、睡眠不足からさらに気持ちが不安定になるという悪循環に入りやすくなります。
過呼吸や動悸をともなうとき
泣いているうちに息が苦しくなり、過呼吸のようになることがあります。強い不安や緊張で呼吸が速く浅くなると、手足のしびれや息苦しさを感じることがあります。
突然の強い不安と動悸、息苦しさが何度もくり返される場合は、不安症(パニック症など)が関係していることもあります。
場面別にみる涙が止まらない精神状態
涙が止まらなくなる場面によって、心にかかっている負担の種類も少しずつ違います。自分に近い場面を読んでみてください。
仕事中に涙が止まらないとき
職場で涙が出てしまうと、「人前で泣くなんて」と自分を責めたくなるかもしれません。けれど、仕事中にこらえきれないほどの涙が出るのは、それだけ緊張や我慢が続いてきたということです。
注意したいのは、出勤前になると涙が出る、仕事のことを考えるだけで泣けてくる、休日も仕事のことが頭から離れない、といった状態が続くときです。特定の職場環境がつらさの中心にある場合は、後で紹介する適応障害などが関係していることもあります。
会社に産業医や保健師、相談窓口がある場合は、早めに話してみましょう。業務量の調整や休みの取り方について一緒に考えてもらえることがあります。会社に行くこと自体がつらいときは、仕事に行けないと感じる理由と対処法の記事も参考にしてください。
家庭や育児の悩みが続いているとき
家庭は本来ほっとできる場所のはずですが、パートナーとのすれ違いや家族の介護、育児の負担が重なると、逃げ場のない場所にもなります。
家族のことは「自分が何とかしなければ」と抱え込みやすく、周りにも相談しにくいものです。家の中で一人になったときに涙があふれる、子どもの寝顔を見ながら泣いてしまう、といった状態が続くなら、心がかなり疲れているサインかもしれません。
身近に話せる人がいないと感じる方は、相談できる人がいない時の原因と解決法の記事もあわせて読んでみてください。
恋愛や失恋のあとに涙が止まらないとき
失恋や大切な人との別れのあとに涙が止まらなくなるのは、心が喪失を受け止めようとしている自然な反応です。しばらくのあいだ泣いてしまうのは、おかしなことではありません。
ただ、時間がたっても気持ちが戻らず、食事がとれない、眠れない、仕事や学校に行けない状態が続く場合は、ひとりで乗り越えようとせず誰かに支えてもらうことが大切です。恋愛関係の中で相手の言動におびえて泣いている場合は、関係そのものについて、信頼できる人や専門家に相談してください。
高校生・受験生・大学生の場合
高校生や受験生は、勉強のプレッシャー、友人関係、進路の不安など、多くのストレスを同時に抱えています。大学生になると、一人暮らしや新しい人間関係、就職活動といった大きな環境の変化が重なります。
若い世代は「これくらいで弱音を吐いてはいけない」と我慢してしまいがちです。けれど、涙が止まらない日が続く、眠れない、学校に行けないといった状態は、年齢に関係なく相談してよいサインです。保護者や担任の先生、スクールカウンセラー、大学の学生相談室など、話しやすい大人に伝えてみましょう。
産後や更年期など体が変化する時期
女性の体は、出産や閉経などの時期にホルモンのバランスが大きく変わります。「こころの情報サイト」でも、女性は妊娠・出産や更年期といった人生の節目に、うつ状態やうつ病が起こりやすくなることへの注意をうながしています。
産後に理由もなく涙が出る、赤ちゃんをかわいいと思えない自分を責めてしまう、といった気持ちが続くときは、一人で抱えず、早めに誰かに話してください。
月経の前になると涙もろくなる方は、情緒不安定で泣く原因(生理前・生理中)の記事も参考になります。
心と体のサインに当てはまるものがあっても、「まだ大丈夫」と思ってしまう方は少なくありません。相談するほどか迷っている段階でも、今の気持ちを誰かに話すことには意味があります。
涙が止まらない精神状態の背景にある可能性がある病気

涙が止まらない状態の背景には、心の病気や体の病気が隠れていることもあります。ここでは、公的機関の情報をもとに、関係することがある主な病気を紹介します。
ここで紹介する内容は、自分で病名を決めるためのものではありません。当てはまるかどうかの診断は医師にしかできません。つらさが長く続くときは、心療内科や精神科への相談も考えてください。
うつ病・うつ状態
涙が止まらない状態と関係が深い病気として、まず挙げられるのがうつ病です。
国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」によると、うつ病は一日中気分が落ち込む、何をしても楽しめないといった心の症状に、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった体の症状が加わり、日常生活に大きな支障が出ている状態です。同サイトによると、一生のうちにうつ病を経験する人は日本で約6%(100人に6人ほど)と報告されていて、男性より女性に多い(約1.6倍)こともわかっています。
気分が落ち込むような明らかなきっかけが思い当たらないことも少なくない、と説明されている点も知っておきたいところです。「理由がないのにつらい」のは気のせいではなく、相談してよい状態です。
うつ病は気の持ちようで起こるものではありません。休養をとれる環境を整えることが大切で、医療機関では必要に応じて薬による治療や、専門家との対話による治療などが行われます。
双極性障害
気分がひどく落ち込む時期と、反対に気分が高まって活動的になりすぎる時期をくり返す病気です。かつては躁うつ病と呼ばれていました。
「こころの情報サイト」(双極性障害)では、双極性障害はうつ病とは異なる病気で治療も異なること、気分が高まっている時期は本人が病気だと気づきにくいことが説明されています。
落ち込んで涙が止まらない時期のほかに、ほとんど眠らなくても元気に動き回れた時期や、普段ならしない大きな買い物をした時期がある場合は、相談するときにその様子も伝えてください。
適応障害
就職や異動、引っ越し、離婚、大切な人との別れなど、生活の変化やはっきりしたストレスがきっかけで、心と行動に不調があらわれる状態です。
厚生労働省の働く人向けサイト「こころの耳」では、環境の変化によるストレスが本人の対応力を超えたときに生じる心と行動の不調で、回復には環境の調整や、環境に慣れていくことなどが重要だと説明されています。
きっかけがわかりやすく、ストレスの原因から距離を置くと気持ちが落ち着きやすいのが特徴です。ただ、原因から離れても涙や不安がおさまらないときは、一人で抱えずに相談してください。
不安症(パニック症など)

不安や恐怖が強くなりすぎて、行動や生活に影響が出ている状態です。以前は「不安障害」と呼ばれることが多く、いくつかの種類があります。
「こころの情報サイト」(不安症)で紹介されている主なものは、次のとおりです。
- パニック症:急な強い不安と動悸などの発作が突然くり返され、「また起きるのでは」という不安が続く
- 社交不安症:人前で話す、注目されるといった場面に強い不安を感じ、避けるようになる
- 全般不安症:特定の対象ではなく、いろいろなことに次々と過剰な不安を感じ、落ち着かない状態が続く
不安が高まって緊張が限界に達したとき、涙があふれることがあります。不安は誰にでもある自然な感情ですが、生活を制限するほど強い場合は相談の対象になります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
命の危険を感じるような出来事や、性暴力などの強い恐怖を伴う体験のあと、その記憶が自分の意思と関係なくよみがえり、不安や緊張が続く状態です。
「こころの情報サイト」(PTSD)では、つらい症状と過去の体験を本人が結びつけられないこともあると説明されています。思い当たる出来事があって涙や不安が続くときは、一人で抱えず、信頼できる人や専門家に相談してください。
更年期障害
厚生労働省の「働く女性の心とからだの応援サイト」によると、更年期は閉経をはさんだ前後約10年間で、日本人の平均閉経年齢は50.5歳です。この時期の症状のうち、生活に支障が出るものを更年期障害といいます。
イライラしやすい、眠りが浅いといった心の症状があらわれることもあります。
体の病気や自律神経の乱れ

気持ちの不安定さが、体の病気から来ていることもあります。前述の「不安症」のページでは、甲状腺機能亢進症や不整脈、貧血によって不安が生じることもあると紹介されています。
また、強いストレスが続いて自律神経のバランスが崩れると、涙もろさのほか、めまい、不眠、だるさ、頭痛、動悸、便秘や下痢など、体のあちこちに不調が出ることがあります。こうした状態は「自律神経失調症」と呼ばれることもあります。
体の症状が目立つときは、心の問題だけだと決めつけないことも大切です。
心の不調について知っても、すぐに誰かに相談する一歩は踏み出しにくいものです。
まずは今の気持ちを言葉にしてみたい、迷っている気持ちも含めて誰かに聞いてほしい。そんなときは、カウンセラーに話してみるのもひとつの方法です。

涙が止まらないときの相談先
涙が止まらないほどつらいときは、一人で抱えず、誰かに話を聞いてもらうことが大切です。ここでは、気持ちを整理できるカウンセリングと、職場や学校の身近な相談先を紹介します。
気持ちの整理にはカウンセリングを
カウンセリングは、つらい気持ちを話しながら、自分の状態や考え方のくせを一緒に整理していく場です。病気を診断したり、薬を出したりすることはできませんが、「なぜ涙が出るのか」「何に疲れているのか」を言葉にしていく手助けになります。
同じカウンセラーに継続して話を聞いてもらうと、前回からの気持ちの変化にも目を向けやすくなり、少しずつ自分のペースを取り戻していけます。カウンセリングがどんなふうに進むのか知りたい方は、カウンセリングの流れを3つのフェーズで解説した記事も参考にしてください。
オンラインカウンセリング「Kimochi」
オンラインカウンセリングの「Kimochi」は、カウンセラー全員が公認心理師(心理職で唯一の国家資格)です。ビデオ・チャット・ペアから相談スタイルを選べ、顔出し不要・匿名で利用できます。スマホから、土日祝や平日の夜にも相談できるので、夜に一人で涙が止まらなくなる方も、自分の都合に合わせて話す時間をつくれます。
自分に合うカウンセラーやプランを選べ、相性が合わないと感じたときは何度でもカウンセラーを変更できます。声を出して話すのがつらいときは、チャットで気持ちを文字にして伝えることもできます。
職場や学校の身近な相談先
仕事のストレスで涙が止まらない方は、社内に産業医や保健師、健康相談の窓口があれば、業務の調整や休み方について相談してみてください。高校生や受験生は保健室の先生やスクールカウンセラー、大学生なら学生相談室に話してみましょう。
「消えてしまいたい」「死にたい」という気持ちが浮かぶほどつらいときは、#いのちSOS(0120-061-338)に、命の危険が差し迫っているときは119番に連絡してください。
定期的に予約して、同じ相手に少しずつ気持ちを話していきたい方は、オンラインカウンセリングも選択肢になります。
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涙が止まらないときに自分でできる対処法
相談するか迷っているあいだにも、つらさを少し和らげるためにできることがあります。日常のストレスとの付き合い方は涙が止まらない原因と対処法の記事でくわしく紹介しているので、ここでは心の状態を守るためのポイントにしぼって紹介します。
その場を離れて呼吸を整える
涙が出そうになったら、トイレや休憩室など、人目を気にせずにいられる場所に移りましょう。
落ち着ける場所に着いたら、吐く息を長めにしたゆっくりした呼吸を何度かくり返します。息を吐くことに意識を向けると、体の力が少しずつ抜けていきます。
職場や学校で涙が出やすい時期は、「少し席を外します」と言える準備をしておくだけでも、気持ちに余裕が生まれます。
泣いてしまう自分を責めない
「こんなことで泣くなんて情けない」と責めるほど、心はさらに追い詰められてしまいます。
涙は、あなたが弱いから出るのではありません。これまで十分にがんばってきた心が、休息を求めているサインだととらえて、まずは自分をいたわることを優先しましょう。
涙が出た場面を記録する
いつ、どこで、何をしていたときに涙が出たのかを、短くメモしておきましょう。睡眠時間や食事、その日の出来事もあわせて書いておくと、涙が出やすいパターンが見えてくることがあります。
この記録は、カウンセリングなどで自分の状態を伝えるときにも役立ちます。頭の中でぐるぐるしている気持ちを書き出すだけでも、少し距離を置いて眺められるようになります。
睡眠と休養を優先する
心が疲れているときほど、睡眠を後回しにしないことが大切です。
厚生労働省の「Good Sleep ガイド(成人版)」では、成人は6時間以上を目安に睡眠時間を確保すること、寝る前のスマホやパソコンの使用を避けること、ストレスを寝床に持ち込まないようリラックスする時間をとることなどが勧められています。
眠れない夜が続いている方は、睡眠障害・不眠症の原因と症状の記事や、仕事の不安とストレスで眠れない方への記事も参考にしてください。
お酒やカフェインに頼りすぎない
つらい気持ちをまぎらわせるためにお酒を飲むと、一時的に楽になったように感じるかもしれません。けれど、前述のガイドでは寝酒の習慣はかえって眠りを悪くすると説明されています。
また「こころの情報サイト」では、カフェインのとりすぎで不安が強まることもあるとしています。コーヒーやエナジードリンクの量が増えている方は、少しずつ減らしてみましょう。
よくある質問
涙が止まらない心の状態について、迷いやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
Q. 理由もなく涙が出るのは病気ですか?
理由もなく涙が出ること自体は、疲れやストレスがたまっているときに誰にでも起こりうるもので、それだけで病気とは言えません。ただし、ほとんど毎日続く、気分の落ち込みや不眠、食欲の低下を伴う、生活に支障が出ているといった場合は、うつ病などが関係していることもあります。
Q. 悲しくないのに涙が出るのはなぜですか?
自分では気づいていない疲れや我慢がたまり、気持ちがゆるんだときにあふれ出ることがあります。また、目の病気など体の原因で涙が出ている場合もあります。
Q. 涙が止まらないのはうつ病のサインですか?自分で診断できますか?
「涙もろくなった」ことは、うつ病のサインの一つとして公的機関の情報でも挙げられています。ただ、涙だけでうつ病かどうかは判断できず、診断は医師にしかできません。インターネットのチェックリストは目安にとどめ、気分の落ち込みが続くときは一人で抱えずに誰かに話してみてください。
Q. 仕事中に涙が止まらないときはどうすればいいですか?
まずはトイレや休憩室など、落ち着ける場所に移動して呼吸を整えましょう。仕事中の涙が何度も続くときは、職場の負担が限界に近いサインかもしれません。信頼できる上司や産業医、社内の相談窓口に相談し、業務の調整や休み方について話し合うことも検討してください。
Q. 高校生・受験生でも相談していいですか?
もちろん相談してかまいません。心の不調は年齢に関係なく起こります。まずは保護者や保健室の先生、スクールカウンセラーなど、話しやすい大人に今の様子を伝えてみてください。うまく話せなくても、涙が止まらなくて困っていることを伝えるだけで十分です。
Q. 涙が止まらないとき、薬や漢方を飲んだほうがいいですか?
薬や漢方薬が必要かどうかは、症状や体質によって異なるため、医師が判断します。すでに処方されている薬がある方は、自分の判断で量を変えたり中断したりせず、主治医に相談してください。
Q. 家族や恋人の涙が止まらないとき、どう接すればいいですか?
まずは「どうしたの?」と問い詰めるより、「話したくなったら聞くよ」と伝え、そばにいる姿勢を見せることが支えになります。励ましのつもりの「がんばって」は、相手を追い詰めてしまうこともあります。様子が心配なときは、相談先を一緒に探し、予約を手伝ってあげてください。「死にたい」という言葉が出たときは、一人にせず、相談先の章で紹介した窓口につないでください。
よくある質問を読んで「自分にも当てはまるかもしれない」と感じた方もいるでしょう。答えが出なくても、今の気持ちをそのまま話せる場所があるだけで、心は少し軽くなります。
まとめ
涙が止まらない精神状態について、ポイントを振り返ります。
- 涙が止まらないのは、心が弱いからではなく、疲れやストレスで心の余裕がなくなっているサインのことがある
- 気分の落ち込み、不眠、食欲の変化、自分を責める考えなど、涙と一緒に出ている変化に目を向ける
- 背景には、うつ病、双極性障害、適応障害、不安症、PTSD、更年期障害、体の病気などが隠れていることもある。ただし診断は医師にしかできない
- 気持ちを整理したいときは、公認心理師などの専門家によるカウンセリングで話を聞いてもらう
- つらいときは、その場を離れて休む、自分を責めない、記録をつける、睡眠を優先することを心がける
涙が止まらないほどつらいときに、一人でがんばり続ける必要はありません。心と体の声に耳を傾けて、頼れる場所を少しずつ増やしていきましょう。
ストレスが限界に近いときのサインについては、精神的ストレスが限界を超えるサインの記事で、相談先の選び方についてはストレスの相談はどこにするべきかの記事でもくわしく紹介しています。
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