【不登校の相談】どこで相談する?相談窓口、カウンセリングの流れ・注意点

子どもが不登校になった時、親としてどのように考え、行動できるのか。

現代では社会問題のひとつとして取り上げられる不登校。
「必ずしも学校に通うことだけが正解ではない」という風潮もあり、少しずつ認識が変わってきていると言われます。

商業的な広告や偏った情報に惑わされずに、自分に合った方法を見つけることが可能です。

現代では社会問題のひとつとして取り上げられる不登校。「必ずしも学校に通うことだけが正解ではない」という風潮もあり、少しずつ認識が変わってきていると言われます。

そうは言っても、ご自身が学校へ行きづらい状態になった時、お子さんが学校を休みがちになった時、親も子もどうしたらよいのか分からないというのが正直なところではないでしょうか。

今回の記事では「不登校の始まりかも」「学校に行けない」という時に、どのような相談先があるのかについてお伝えします。

不登校の定義とは?意味を解説

文部科学省によると、不登校とは年度間に30日以上登校しなかった児童生徒」何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により,児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者 (ただし,「病気」や「経済的理由」,「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除く。)」と定義されています。これは小中学生でも高校生でも同じです。

児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査-用語の解説

不登校の学生はどのくらい?割合について

令和5年に発表された文部科学省のデータによると、令和4年度の不登校児童生徒は、小中学校で約29万9千人。

高校で約6万人にのぼります。つまり、両者合わせると35万人もの学生が「年間30日以上登校しなかった」状態です。

これは10年連続の増加傾向であり、中には出席日数が0日の児童生徒も3%います。また在籍児童生徒に占める不登校の学生は、小中学校では3.2%、高校では2%に相当します。

不登校の学生のうち60%以上が、学校内外の機関で相談や指導を受けており、この数はますます高まるのではないかと考えられています。

児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(令和4年)

不登校でなくても相談可能

最初に、不登校とは「年間に30日以上登校しなかった児童生徒」「病気や経済的理由を除く」という文部科学省の定義をご紹介しました。

それでは、学校を休みがちではあるものの30日未満という場合や、学校に行けない、行きづらい原因が病気などの場合はどうすればよいのでしょう。

結論からお伝えすると、不登校の状態でなくても相談できる機関や団体があります
この後ご紹介しますので、ご安心ください。

不登校の相談ができない…どこに相談すればいい?

不登校の相談ができない…どこに相談すればいい?

「朝起きられない」「学校に行く時間になると、お腹が痛くなる」といった子どもさん本人も、親も「もしかしたら?」と感じる状態もあれば、「(理由が)分からないけれど、学校に行けない」という不登校もあります。

このような時は、相談できる場所にはどのようなものがあるのかを知っておくことで、ご自身のケースに合った窓口を選んでいけます。

オンラインカウンセリング

カウンセラー(その多くは臨床心理士や公認心理士などの専門家)の元へ出向くことなく、ご自宅などから相談を行えるというものを「オンラインカウンセリング」といいます。

自宅の近くに相談機関がない、相談のために仕事を休むのが難しい、相談所に行くことを知られたくないという場合にも適しています。

民間の不登校支援団体では、オンラインカウンセリングを取り入れているところが数多くあります。

オンラインカウンセリングKimochi

学校関係の相談窓口

不登校の相談というと、担任の先生の顔を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

お子さんの学校での様子や交友関係をご存知ですので、不登校の原因を探る糸口が見つかることも期待できます。また近年、文部科学省とこども家庭庁の協働で、スクールカウンセラー・ソーシャルワーカーの学校への配置が進められています。

担任とは異なる専門家の立場で相談に乗ってもらえる利点もあります。基本的に費用はかかりません。

公的機関の相談窓口

お住まいの市町村、あるいは都道府県にある相談窓口を利用するものです。

基本的に費用がかからず、臨床心理士や有資格者の教育相談員などに話を聞いてもらえます。

1回だけでなく、継続して相談に乗ってもらうことも可能です。
教育センターや教育委員会に窓口があり、事前に電話での申込が必要なところが多いようです。

また受付、相談とも、基本的に月曜日から金曜日の9時〜17時となります。(相談窓口によって異なります)

医療機関の相談窓口

医療機関の相談窓口

こども(0歳〜20歳)を対象とする精神科や心療内科で相談を受けるというものです。

不登校の背景にこころや身体の病気がないか、家庭の中での関係で要因にあたるものはないかなど、医学的な立場から相談に乗ってもらえます。

オンライン診療を取り入れている施設、カウンセリングが併設されている施設、必要に応じて外来・入院での治療が行える施設などがあります。

民間の医療機関では、日曜診療などを行い受診しやすい仕組みを整えているところもあるようです。

NPO法人の相談窓口

ここでご紹介するのは、子どもさんご自身が誰かに相談したい、という時にも利用できるもの。(省庁、自治体でも電話やラインでの相談の仕組みがあります。)

NPO法人による相談は、その団体独自のプログラムがあり、話を聞いてもらう(カウンセリング)、生活の相談をする、勉強の相談をするといった子どもの立場に立ったサービスが提供されています。

対面で人の温もりを感じられる場所、オンラインでどこからでも参加できるものなど、自分の気持ちに近いサービスを選べるのも魅力です。

不登校の相談をするメリットとは?

不登校の相談をするメリットとは?

ご家庭で「なぜ学校に行かないのか」「なぜ行けないのか」と親子で話し合っても、答えが見つかりにくいのも不登校の特徴です。
またお子さんにとって「自分の話を聞いてもらえた」というより「学校に行くように強制された」と感じることも少なくありません

このような時に、第三者と一緒に不登校の状態を見る、考えるという機会をもつことで、視点を変える、対応の仕方が変わる、解決策を見出すなど親子双方にとってプラスに働くようになります。

メリットその1:今の状態がわかる

不登校とひと口に言っても、その状態はさまざまです。ある時から学校に行かない、行けないようになったケースもあれば、気がついたら休みがちという場合もあるでしょう。子どもの年齢や学年も違えば、親との関係も異なります。

当事者にとってそれが普通であっても、相談の担当者から見ると周りの環境も含めた「今」の中で、不登校の状態を捉えることができます。この先進んでいくための「原点が見つかる」とも言えます。

メリットその2:親にも頼る相手ができる

我が子の不登校について悩み、誰かに相談を考える親御さんも一人の人間です。

お子さんの前では、普段通りに仕事や生活を続けていても心の中では不安になったり、迷ったりすると思います。

ご自身の選択で良いのかと思うこともあれば、自責の念にかられることもあるかもしれません。

そのような時に、親御さんのお気持ちに寄り添い話を聞いてくれる存在は、精神的にも大きな力となります。

メリットその3:子どもの考えも尊重される

子どもの考えも尊重される

先にも述べたように、不登校の相談窓口は複数あります。

どの場所も、当事者である子どもにとってより良い解決策、関わり方を見出すために働きかけます。

そこでは子どもが「どうしたいのか」「どう感じているのか」「どのような状態なのか」を知ることが基本です。

親(時には担任)の前では言いづらいことも、相談員は批判することなく中立の立場で耳を傾けます。
また子どもにとって、自分の気持ちを表現する場所が生まれます。

メリットその4:第3の場所が見つかる

親にとっては、家庭や職場以外の「人を頼りにする場所」が見つかります。そこでは一人で頑張る必要はありません。また、子どもにとっては、家庭や学校以外の「人と接する場所」が見つかります。

それまで家か学校しか居場所がなかった子どもの世界が広がります。

教え・教わるという立場以外の大人との関わり、自分と同じような過ごし方をしている近い世代との関わりは、さまざまな考えを知る第一歩へとつながります。

自分って子育て向いていないんじゃないか?など周りに相談できないような時もあると思います。
そんな時は第三の居場所として、オンラインカウンセリング「Kimochi」をご利用してみませんか?

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メリットその5:出来事の捉え方が変わる

不登校と言うと、どこかマイナスのイメージで捉えてしまうかもしれません。

しかし、子どもの不登校状態があったからこそ「したいこと、したくないことが見つかる」「親子関係を見直す」「〜べきという考えから少し自由になる」という経験ができたという場合もあります。

お子さんにとって、親が自分に向き合ってくれたことは大きな励ましとなるでしょう。
この経験は親子両方にとって、今後の人生を自分の足で歩む底力となります。

不登校の相談をする時の5つの流れ!

不登校の相談をする時の5つの流れ!

子どもにどう関わりたいか考える

我が子のために関わるのは同じでも、目指す先はそれぞれ異なります。

子どもの復学を目指して関わるのか、子どもに合う道を探すために関わるのか、子どもの勉強を支えるために関わるのか。

あなたの望みは何でしょう。ご夫婦であれば、お二人の考えはどんな共通点と違いがあるかも確認しましょう。正解は一つではありません。親であるあなたが「どうしたいか」を大切にしましょう。

子どもの状態を確認する

「おはよう」や「おやすみ」の挨拶をお互いにできているか、目の前のお子さんの様子を確認してみましょう。

家族や兄弟姉妹とは話ができるけれど、友達や近所の方とは会うことも難しいということもあるかもしれません。

家族以外の他人と会う、話をすることができない状態で相談窓口に一緒に行くのは簡単ではないでしょう。
子どもの今の状態を知りましょう。

子どもの意思を確認する

子どもの意思を確認する

お子さんは、どうしたいとお思いでしょうか?

親が復学を望んでいても「学校に行きたい、でも行けない」と「学校には行きたくない」では、対処の仕方が変わってきます。

お子さんに直接尋ねてみましょう。もしかしたら「わからない」という返事があるかもしれません。

わからないというのも、今のお子さんの状態です。今は自分でもわからない、表現できないこともあると知っていきましょう。

無料相談窓口を探す

最初は無料で受けられる相談窓口を探してみるのも良いでしょう。

お子さんが通う学校に申入れをする、カウンセリング制度があるのか学校に尋ねる、お住まいの地域の教育センターで不登校相談を探すことが可能です。学校や公的機関の相談窓口は、概ね平日の対応ではあるものの、無料で相談が受けられます。

その他、民間の団体でも初回の相談は無料で行うところが多数あります。

対面や電話による相談だけでなく、オンラインシステムを活用するなど、複数の窓口を探すと希望に近いものが見つかります。

相談の申込みをする

学校や公的機関の窓口は、対面(実際に相談員と会って話をする)の場合、電話による予約が基本です。

メールや電話での相談は予約なしでも可能ですが、平日の9時〜17時に対応する施設が多いため、相談時間の確認が必要です。

民間の団体では、夜間も相談可能、WEBでの申込み可能など、利用しやすい環境が整えられているところもあります。一度申込みしたからといって、他の相談窓口が利用できなくなることはありません。

「まず話を聞いてもらう」くらいの感覚で、臨んでみましょう。

不登校の相談をする時の注意点

不登校の相談をする時の注意点

お子さんの不登校に気づいた時、親として大きく悩み不安になったことでしょう。

今は、スマホで簡単に調べられるので「不登校 相談」と入力するだけで、たくさんの情報が瞬時に表示されます。

相談実績のあるサイトを何度も訪れたのではないでしょうか。ワンクリックで相談の申込みができるところも多くあります。

もし「今、予約しようか?」と心が揺れたら、以下の3点を思い出してください。

あなたはどうしたいか

あなたは、お子さんのどのような面をサポートしたいですか?

「生活のリズムを整えたい」「学校に戻れるようにしたい」「家でも勉強できるようにしたい」その気持ちをお子さんに伝えられそうですか。またお子さんがどう思っているか尋ねられますか。

ご自身だけでなくお子さんの意思を知ることも必要です。
目指すゴールが曖昧なままだと、相談時間はあっという間に終わってしまいます。

時間に無理はないか

オンラインカウンセリングのように、土日や夜間でも対応可能なところもあれば、学校や公的機関のように、基本的に平日の昼間に対応するところもあります。

医療機関を受診する場合、不登校外来の初診が数週間先ということも珍しくありません。

あなたの生活や仕事に無理なく相談できる場所・仕組みなのか事前に調べることをお勧めします。

オンラインカウンセリングKimochi

費用に無理はないか

公的機関を利用する場合、継続の相談でも無料で対応してくれることがほとんどです。

その分、平日に相談場所まで出かける必要があります。交通費や仕事の休みを取ることなど、費用面でも続けられるか検討しておきましょう。医療機関では、全て保険適応なのか適応外(自由診療)もあるのかを確認します。

オンラインでの相談が可能な民間の団体では、継続した場合の費用やキャンセル料などを事前に確認することが大切です。

  • ビデオ・電話カウンセリング ¥5,500〜
  • 継続カウンセリング ¥8,000/60分
  • オンライン診療 ¥4,000~5,000円程度

まとめ

オンラインカウンセリングKimochi

子どもが不登校になった時、親としてどのように考えて解決策を探るのか。

最も身近で行動に移しやすい「相談」について、相談窓口の種類別に解説しました。

相談窓口は大きく分けて「オンライン」「学校関係」「公的機関」「医療機関」「NPO法人」の5つ。

オンライン相談は、時間の制約が少なく自宅でも相談可能な利点があります。学校、公的機関での相談は、費用がほとんどかからないので金銭的な負担を抑えられます。

医療機関は、外来受診や入院治療といった専門的な関わりができるほか、施設により保険診療と自由診療の組合せもあります。NPO法人は、その団体独自の支援プログラムをもつものが多く、相談だけでなく悩みに応じて具体的な支援を提供しています。

医療機関を除くと、初回相談は無料のところも多くありますので、最初から1カ所だけに限定せず「無理なく続けられる相談場所」を見つけていくことが、長期的にプラスとなります。親子ともに関わり、時間とお金をかけて取り組む相談なのですから、現実的かつ効果的に選択していきたいものです。