介護のストレスは、介護者の心身の健康に大きな影響を及ぼします。
介護の困りごとは、介護する人の大きなストレスになります。
この記事では、介護に伴うストレスを効果的に解消する方法と、介護うつを予防するための具体的な対策を紹介します。
また、介護の負担に対処するための相談先やサポートシステムについても解説し、介護者が心身ともに健康を維持できるよう紹介していきます。
介護は一人で背負うものではなく、適切な情報とサポートを得ることで、より良いケアを提供しつつ、自身の健康も守ることが可能です。
介護のストレスとその解消方法、相談先について見ていきましょう!
介護のストレスを抱える人は多い
介護をするということは、大切な家族のことであっても困りごとが出やすく、生活の中での環境の変化は大きく、ストレスに感じることが多いです。
様々な環境下で介護している人が増えるとともに、介護によるストレスを強く感じている人も増加しています。
介護を必要としている人口は?
介護や支援を必要としている人(以下要介護者)は、全国で約703.1万人(令和5年7月時点)となっており、うち男性が約224.1万人、女性が約478.9万人となっています。
今後も高齢者が増加し、2030年には要介護者の人口が約900万人になると予測されています。
参考:厚生労働省 介護保険事業状況報告の概要(令和5年7月暫定版)
介護をしている人の人口
全国で要介護者は増加し、家族の介護をする人の人口は約653万4千人(2021年)、介護職の人口は約211万人(2019年)となっています。
介護職の人口については、2025年には約243万人、2040年には約280万人が必要となります。今後もより安定した介護を目指すためには、介護職員が継続して働くことができ、新たな人材の確保を行ない、安心して介護の仕事ができる環境づくりが欠かせません。
参考:厚生労働省 第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
普段家族の介護を行っている人口
生活の中で家族の介護を行なっている人は、2022年8月に発表された調査結果では全国で、15歳以上でふだん家族を介護している人は653万4千人おり、その年代は50代以上の女性が多くなっています。
これは全国の人口の6.1%の割合となっており、20人に1人が介護をしています。
参考:総務省統計局 令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果
介護でストレスを抱える8つの原因とは?
介護をする中では、介護者には予測できない変化もあり、要介護者の状況に合わせた生活に変化させていくことが必要となります。
誰もが抱える可能性のある介護のストレスにはどのようなものがあるのか解説します。
- 身体的なストレスや疲れ
- 金銭や経済的な不安
- 介護の相談や愚痴をできる場所がない
- 介護の時間がかかる
- 家族とのコミュニケーション
- 要介護者とのコミュニケーション
- 介護者自身の環境の変化
- 介護者が思う理想と現実のギャップ
身体的なストレスや疲れ
普段私たちが問題なく行えている移動や着替え、トイレ、入浴などの行動の一つ一つは、要介護者にとっては介助を必要する場面となります。
その介助に介護者は体力を大きく消費し、負担のかかる姿勢をとらなければならないこともあります。
介護は時間に関わるものでないため、睡眠時間が十分に取れず、不規則な生活になることもあり、ストレスや疲れの原因となります。
金銭や経済的な不安
介護保険サービスは、介護認定されれば利用することが可能であり、利用料の1~3割の負担となります。しかし、利用するサービスが多いほど負担する金額も増え、自宅での介護の場合は紙おむつなどの介護用品や状態に合わせた食事といった必要な費用もあります。
介護時間の増加や介護者自身の体調不良によって離職となってしまった場合には、経済的な負担は精神的にも身体的にも大きなストレスになる場合があります。
介護の相談や愚痴をできる場所がない
介護をしていく中では、様々な困りごとや悩みを抱え込んでしまうことがあります。しかし、その悩みを話す相手がいない、話しづらい、共感してもらえないといった状況になると孤立してしまうことも少なくありません。
悩みを打ち明けることの出来る相手や場所といった手段がないことは大きなストレスに繋がります。
オンラインカウンセリング「Kimochi」では、あなたの悩みや困りごとに対して、専門のカウンセラーが耳を傾け、サポートを提供します。
孤立せずに、安心して話せる場所をお探しの方は、ぜひ「Kimochi」をご利用ください。あなたの心の負担を軽減し、介護の日々を少しでも楽にするための一歩を踏み出しましょう。
介護の時間がかかる
同居の主介護者の 1 日当たりの平均介護時間をみると、「必要なときに手をかす程度」が 47.9%と最も多く、次いで「ほとんど終日」19.3%、「2~3 時間程度」11.9%、「半日程度」9.4%の順となっています。
介護者が介護するために使う時間は、要介護者の介護度が高くなればなるほど増加する傾向にあります。
在宅介護であれば、介護に要する時間が長くなるほど、介護者自身の時間を作ることが難しくなります。
それによって介護者自身が身体的にも精神的にもリフレッシュすることが困難になることは、ストレスをため込む原因にもなります。
家族とのコミュニケーション
介護を行なっていく中で主たる介護者は、介護による困りごとや悩みごとを家族に共感してもらえず、理解を得ることが難しい状況になると大きなストレスになります。
この場合、日常的な介護からのストレスに加えて、介護に対する理解が家族から得られないという更なるストレスを蓄積することになり、介護者にとっての身体的、精神的な負担は増加してしまいます。
要介護者とのコミュニケーション
要介護者は認知症や失語症などのコミュニケーションの面で困難さを抱える疾患を持っていることがあります。
そのような疾患の影響で介護者が要介護者と良好な関係を気付くためにコミュニケーションをとりたくても、お互いにうまく伝わらない場合もあります。
介護者から要介護者へと介助の流れなどを伝えても、理解することが難しいこともあり、介護がスムーズに行なえないといったことがストレスになりやすいです。
介護者自身の環境の変化
介護をするようになることは、介護者が過ごしている生活に非常に大きな環境の変化が加わります。
さらに介護の度合い、介護者の仕事の状況など変化が避けられないポイントも出てきます。そうした介護者自身の環境が大きく変わることは、要介護者の状態が変わることに重ねて起こる出来事です。
要介護者の状態やそれに必要な介護者の状況などの環境変化がいくつも重なるほど、介護者にとっては身体的・精神的な負担となります。
介護者が思う理想と現実のギャップ
介護者は、要介護者のことを考えて、「こういう介護がしたい」「本人のためにもここまではやりたい」という介護のイメージや理想を持っています。
しかし、現実的には介護者の身体面・精神面の疲れ、介護力、介護にかかる時間の確保などが理由となり、理想と現実の間にギャップが生まれます。思い描く介護が出来ないと感じることは、要介護者の介護を続けていく中でストレスになりやすいです。
介護のストレスが原因でおきる「介護うつ」
介護うつとは、介護者が日々一生懸命介護する中で身体的・精神的ストレスや疲労が蓄積され、介護が原因となって発症するうつ病です。
この介護うつの症状は、食欲低下、睡眠障害、易疲労、焦燥感、不安感、気分の落ち込みなどが認められ、症状が悪化してしまうと自殺願望を抱いてしまう場合もあります。
そのため、ストレスや疲労の回復だけでなく、介護者自身が自分の症状の有無についても、早期に発見することが大切です。
もし、このような症状が2週間以上継続している場合は、症状悪化を防ぐために何ができるかを考え、必要であれば受診することも検討しましょう。
- 真面目で完璧主義
- 責任感が強い
- 経済的な余裕がない
真面目で完璧主義
介護をする中で真面目な性格の介護者は、本人の気持ちに寄り添いたいという思いが強くあります。
そのため、無理をしている状況であったとしても、完璧な対応がしたいと考え、うまく進めることの出来ない自分を責めてしまう場合があります。
要介護者としっかりと向き合い対応したいという気持ちは、介護を継続していく介護者の精神的な支えになりますが、介護していく上で完璧に行なうことは難しく、自分が出来ることは何かについて確認していくことも大切です。
責任感が強い
介護を継続していくには、家族や親戚、介護サービスやケアマネージャーなどと協力していくことは重要です。しかし、自分の親だから周囲に迷惑をかけたくない思い、自分でやれることはしっかりとやりたいといった思いによって、上手に周囲へ頼ることもできず、抱え込んでしまうことがあります。
一人で頑張って抱え込むのではなく、周囲に協力してもらいながら、介護を無理なく継続できることを目指しましょう。
介護の負担を一人で背負い込むのではなく、家族や専門家のサポートを受け入れることで、より健康的で持続可能な介護が可能になります。あなたの大切な人のためにも、そしてあなた自身のためにも、周囲のサポートを活用しましょう。
経済的な余裕がない
介護をしていると状況によっては、収入の大幅な減少に直面することもあります。
その場合、介護の大変さだけでなく、経済面の余裕がなくなり、気持ちの余裕もなくなっていきます。
気持ちの余裕さが低下することは、介護者自身の心身の状態を悪化させるきっかけとなります。
また、その余裕の無さから、介護を継続することが困難になったり、虐待に繋がったりしてしまう場合もあり、経済的な余裕は介護者の介護力を維持するための精神面の大きなポイントです。
介護のストレスチェックシート!
介護におけるストレスが蓄積されていることは、自分でも気づけていないことがあり、介護者自身が自らの状態を把握することは、介護うつの予防に繋がります。以下のストレスチェックシートを使って、大切な家族の介護を継続していくために、ご自身のストレス度合いを確認しておきましょう。
あなたは現在、介護やお世話をすることについてどのような考えをお持ちですか?
介護のストレス診断結果
【質問①または②に「はい」と答え、質問⑭にも「はい」と答えた場合】
あなたは自分でも気づいていないストレスを抱えている可能性があります。もしかすると、何かで無理をしているかもしれません。この場合、介護サービスの専門家に相談することをお勧めします。専門家はあなたの状況を理解し、適切なアドバイスを提供できます。
【質問①または②に「はい」と答え、質問⑭に「いいえ」または「わからない」と答えた場合】
あなたはかなりのストレスを感じているようです。この場合、介護サービスの専門家に相談し、現在の介護方法を見直すことが重要です。専門家はあなたの負担を軽減するための新しいアプローチを提案できるかもしれません。
【質問①~⑨で「はい」と答えた数と、質問⑩~⑭で「いいえ」または「わからない」と答えた数の合計が3つ以上の場合】
この結果は、あなたが介護に関連するいくつかの問題に直面していることを示しています。解決策を一人で考えるのではなく、家族、友人、または専門家と相談してみましょう。他の人の視点やサポートが、問題解決の手助けとなることがあります。
介護のストレス!辛いこと・大変なことあるある
介護をしていると様々な面でストレスを感じることは多く、つらい、大変と感じる出来事があります。
現在介護をされている方はもちろん、これから介護を始める方もぜひ参考にしてください。
- 要介護者とのコミュニケーションが上手くいかない
- トイレの介助が辛い
- リフレッシュする時間の確保が難しい
- 入浴の介助で体力が削られる
- 食事の介助でストレスが溜まる
要介護者とのコミュニケーションが上手くいかない
介護をする中で要介護者、介護者の両方が、日々の中で思い通りにいかないことをストレスに感じる場面があります。
お互いに伝えたいことがうまく伝えられなかったり、意思疎通が図りづらかったりすることがあります。
介護する理由となっている認知症などの疾患の影響もあり、身体的な介護のストレスよりも負担を感じる場面があります。現在の状況を受け入れつつ、状態に合わせて伝わりやすい方法を工夫することも必要です。
トイレの介助が辛い
排泄の介助を行なうことは、介護者だけでなく、要介護者も抵抗を感じることが多いです。
これまで自力で行ってきた排泄を誰かに助けてもらうのは、つらい気持ちを感じることがあると想像できます。
少しでも安心して任せてもらい、要介護者が頼みやすくするためにも、紙おむつや尿取りパッドなどの交換方法、清拭して清潔を保つ、ベッド上での対応方法などの介護力を身に付けることが必要となります。
リフレッシュする時間の確保が難しい
在宅介護では、一日のほとんどの時間を要介護者のペースに合わせて介護を行なう生活となり、家事や仕事などもあるため、結果的に自分自身の時間は後回しになりがちです。
それにより、日頃のストレス発散が十分にできず、身体的にも精神的にも疲労感が大きくなります。
多方面からの協力を得ることで改善される場合もあるので、時間の面でつらく感じる方は介護サービスの利用開始、見直しをしてみましょう。
入浴の介助で体力が削られる
入浴の介助は、在宅で介護をする中で最も体力が必要となります。
健康維持や身体状況の確認のためにも入浴は欠かせないものであり、安全のために細心の注意をして介助を行なう必要があります。
危険のないよう意識するポイントも多く、心身共に疲労を感じやすい介護の場面となりますが、要介護者の生活の楽しみとしても重要な時間となります。介護保険サービスを利用して、福祉用具を使うことで安全な介助や負担軽減ができます。
食事の介助でストレスが溜まる
食事は要介護者にとっても生活の中での大きな楽しみです。しかし、食事の介助においては、誤嚥(ごえん)の危険、食事を摂る際の姿勢などの本人の様子に注意すべきことも多くあります。
健康状態などに合わせて、要介護者が摂取できる食事の形態や味の濃さなど適切な準備も必要です。食事形態に問題がないか、配食サービス利用の必要性の有無など、健康維持のために食事摂取ができるように状態確認と情報提供、事前準備を行なう必要があります。
介護のストレスを解消・発散するための7つのポイント
介護をしていく上では、様々な環境の変化により、ストレスを感じることがたくさんあります。
介護うつを予防するためにも、以下7つのポイントを見直していくことでストレス解消に繋がります。
- 介護保険サービスなどを利用する
- 介護力をつける
- 主治医への相談
- 介護を家族と分担する
- 自分の時間を大切にする
- 自分の機嫌は自分でとる
- 相談先を確保しておく
身体的・精神的な疲労が大きい介護者は、それぞれのポイントを改めて整理していき、介護を含む生活環境の改善を検討してみましょう。
介護保険サービスなどを利用する
介助する上で大変に感じる排泄、入浴、食事などの介助をサービス利用することで支えてもらうことができます。また、通所サービスや短期入所を利用することで介護者は普段とることが難しい休養ができます。
介護保険下のサービスだけでなく、介護保険外サービスや自治体の取り組みなどもありますので、ケアマネージャーなどから情報収集しながら要介護者、介護者の両方が生活しやすくなるためのサービス選択をしましょう。
介護力をつける
介護技術があることで普段の在宅介護は、安全で安心できる対応へと変化していきます。また、安心して介護を任せてもらえるようになると、要介護者との信頼関係も良好なものになります。さらに、この介護技術の習得は、介護者本人のためにもなり、介護の負担を軽減し、掛かってしまう時間が短くなることもあります。自治体や施設などでは、介護者向けの介護教室をやっている場合がありますので、スキルアップのために参加してみましょう。
主治医への相談
要介護者は、何らかの疾患を治療していることで、主治医がいることが多いです。
受診の際には、日頃感じている困りごとを相談したり、介護をする上での情報収集をしたりしておくと、介護者は自らのストレス解消や急な変化への準備ができます。
医療の面からも介護についてアドバイスをもらえることは、日頃からの悩みの解消や必要な介護サービスを知る機会となります。
介護を家族と分担する
介護をしていると主に対応している人が一人になってしまう場合があり、その主たる介護者が頑張りすぎてしまうことになりがちです。
一人で抱え込んでしまうとストレスは蓄積され、心身の疲労も強くなります。
誰が介護する時間か、何の介助をするのかなど、約束事を設けて、家族で介護を分担することで孤立することが避けられ、身体的・精神的な健康維持に繋がります。
自分の時間を大切にする
一人の時間、自分が好きなことをできる時間を作ることは、日々の介護によるストレスを解消するために大きな手段です。
多忙な介護の中では、自分の時間をとることが難しいことも多いです。そのため、介護サービスを使っている時間、家族が介護を交代してくれている時間などを使い、介護から離れた時間を過ごすことが大切です。
隙間時間を使って短時間でリフレッシュできるような手段をいくつも見つけて、状況に合わせて取り入れていくこともよいでしょう。
自分の機嫌は自分でとる
要介護者に優しくおだやかに関われると、伝えたいことが伝わりやすい場面もあります。
介護する中では、介護者の思い通りに進めることが難しい場面が多くあり、自分で自分の機嫌を取れると気持ちの切り替えができます。
大変だと思うことを乗り越えた自分にご褒美を用意し、機嫌を上手にコントロールできることは介護うつの予防にもなります。
相談先を確保しておく
介護の困りごと、介護サービス、介護技術の習得など、介護をする上で誰かに相談したいと感じることはとても多いです。
相談できる相手や場所は様々ですが、安心して話せるところを見つけておく必要があります。
話しやすい相談先があることは、介護での悩みを一人で抱え込まず、ストレスを解消する機会を得ることもできます。
介護の悩みを相談できるところとは?
相談先は、住まわれている自治体や相談方法などによって異なります。介護をする上では、困りごとや悩みを相談できる場所を知っておくことは重要です。対面相談、オンライン相談など、方法も様々であり、悩みに合わせられるよう、複数の相談先があると安心です。一人で抱え込まず、介護うつの予防のためにも確認しておきましょう。
ストレスや心の悩みなどはオンラインカウンセリング「Kimochi」
オンラインカウンセリング「Kimochi」とは、インターネットを利用して悩みや困りごとを相談できる方法です。
住んでいる場所がどこであっても、相談したい相手を選んで話すことが出来る方法で、電話、ビデオ、メッセージを選択することもできます。
相談する時間についても、朝7時〜夜24時まで土日祝日いつでも予約可能な場合もあるため、自分の時間を作りにくい介護者にはおすすめです。
相談相手も選べるため、自分と相性のいいカウンセラーを探しながら、複数人の意見を聞いてみることもできます。
また金額としても業界内でも比較的にはじめやすい初回3,300円から予約ができます。
介護サービスや公的制度などは地域包括支援センター
地域包括支援センターは、自治体にある相談窓口で、介護に関する様々な困りごとを相談することができます。
保健師、ケアマネージャー、社会福祉士などの専門職が、福祉や医療の相談を受け付けており、要介護者にどのようなサービスが必要か、使える制度はどれかといった相談をすることができます。
地域包括支援センターは、各自治体にあることから、住まわれている地域の状況やどのような介護サービスがあるかにも合わせてアドバイスを受けることができます。
要介護者の介護計画を支えるケアマネージャー
ケアマネージャーは、要介護者の生活を考えた介護サービスを提案し、関連する事業所とも連携をします。
介護についての悩みを伝えることで、どのように介護サービスを利用し、見直しをしたら改善できるかなどの相談ができます。
ケアマネージャーをされている方は、介護の現場を経験してきている方が多いので、在宅介護では欠かすことの出来ない介護技術を知りたい場合にも相談ができます。
医療機関の相談窓口
それぞれの医療機関には、社会福祉士、精神保健福祉士などの専門家がいる相談室や地域連携室といった相談できる窓口があります。
病気やケガによって要介護になった場合には、退院後の介護をどうしていくか、自宅での生活における不安解消、介護保険制度はどのように利用したらよいかなど、医療に関することも含めて相談できます。
介護をしながらの受診を行いやすくするための手段を確認することも大切です。
自治体の福祉課などの担当窓口
お住まいの自治体の福祉課などの介護保険を担当している窓口は、介護保険制度の手続きや介護の困りごとを相談できる身近な場所となっています。代理人として家族が相談できたり、電話相談を行なったりしている自治体もあります。
どこに相談すればいいかわからない場合でも自治体へ相談することで、地域や状況に合わせた対応をしてもらえる相談先を紹介してもらうこともできます。
まとめ
介護は大切な家族であるからこそ、多くの悩みや困りごとが出てきます。
それぞれの生活を維持しながら、支えあっていくことは理想的ですが、在宅介護では限られた時間の中で対応しきれず、思うようには進まず身体的にも精神的にも大きな負担になることもあります。
ストレスの解消方法を用意し、相談先を理解しておくことで、介護者は必要な情報を手に入れることができ、これからの介護の不安も解消されます。また、様々な環境変化が伴うことによって、ストレスは増大し、介護者自身がストレス度合いを自覚できていないと、介護うつになることもあります。
介護うつを予防するためにも、一人で抱え込まず、介護サービスの利用や安心できる先への相談を活用してみましょう。