「自分は泣き虫だ」「意図せず涙が出てくる」など、涙もろいことにお困りではないでしょうか。涙が止まらないことや涙もろいことは、性格だけの問題ではない可能性があります。
そこで、本記事では涙が止まらない原因や対処法を解説します。疑われる病気についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
涙が止まらない原因とは
涙が止まらない原因は、多岐にわたります。ここでは、次の5点について紹介していきます。
- 家事や育児を一人で抱え込んでいる
- 業務量のキャパシティがオーバーしている
- 環境の変化によるストレスを抱えている
- 栄養が不足している
- 脳に異常がある
自分の日常生活を振り返り、今回紹介する項目に該当しているか確認してみましょう。
家事や育児を一人で抱え込んでいる
家事や育児をすべて一人で行うと、ストレスや疲労が溜まりやすくなります。また、周囲からのサポートが不足していると、孤立感も高まり、心身のバランスを崩すこともあるでしょう。
人間は集団のなかで生きていかなければならず、支え合いが必要です。ストレスが継続すると、感情のコントロールが難しくなり、涙が止まらなくなることがあります。
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業務量のキャパシティがオーバーしている
職場での業務量が多くなると、身体と心の両方に大きな負担がかかります。自分のキャパシティーを超えた業務量を無理にこなそうとすることは、ストレスを感じる原因です。
この状態が続くと、疲労や焦燥感が高まるだけではなく涙腺が制御しにくくなり、涙が止まらなくなることもあります。
環境の変化によるストレスを抱えている
転職や引っ越し、別れなどの環境の変化は大きなストレス源です。これらの変化に適応しようとする過程で、不安や不確実性が生じ、涙の原因になることがあります。
人間は変化に対して自然に抵抗する傾向があるため、新しい環境への適応には時間が必要です。
栄養が不足している
栄養不足は身体の機能不全を引き起こし、精神的なバランスにも影響を及ぼします。とくにビタミンやミネラルが不足すると、神経伝達物質のバランスが崩れ、気分の波が激しくなります。
適切な栄養が心身の健康を維持するうえで極めて重要です。栄養が不足すると情緒不安定や涙もろさにつながることがあります。
脳に異常がある
脳の構造や機能に異常があると、感情調節に影響を及ぼします。
脳の特定の部位が損傷したり、神経伝達物質の不均衡が生じたりすると、過度の感情的反応や制御不能な涙もろさを引き起こす恐れがあります。
涙が止まらなくて辛いときの対処法
涙が止まらないと辛いものです。そんなときは、次の対処法を実践してみてください。
- 規則正しい生活を送る
- 運動して気分転換する
- 家事や育児を手伝ってもらう
- 給食する
- カウンセラーに相談する
どの対処法もすぐに結果が出るとは限りませんが、無理のない程度に実践していきましょう。
規則正しい生活を送る
規則正しい生活を送ることは、心身の健康を維持するうえで非常に重要です。とくに睡眠、食事、そして日常の活動の規則性は、ストレスレベルを低減します。
具体的には、次の行動をとってみてください。
- 毎日同じ時間に起床し就寝する
- 定時に健康的な食事を取る
- 適度な休憩を取り入れるなど
一方で不規則な生活習慣は体内時計を狂わせ、睡眠障害や食欲不振などを引き起こしやすくなります。体調が悪くなると、気分の落ち込みやイライラといった精神的な不調につながりやすくなるでしょう。
規則正しい生活を送ることで、これらの問題を未然に防ぎ体と心の調和を保つことが可能です。
運動して気分転換する
運動はストレスの緩和や精神的な健康の改善に効果的な方法です。
運動によって体からエンドルフィンと呼ばれる幸福感をもたらす化学物質が分泌され、ストレスや不安、うつ状態を軽減します。
また、運動は体の緊張をほぐし、良質な睡眠を促す効果もあります。さらに、定期的な運動は自己効力感を高め、自尊心の向上にもつながります。
運動といっても、激しいスポーツや長時間のトレーニングを指すわけではありません。散歩、ヨガ、ストレッチングなど、楽しめる軽い活動から始めることが大切です。
家事や育児を手伝ってもらう
自分自身における家事や育児の負担を減らすために、家族や友人にお願いしたり支援サービスを利用したりしてみましょう。
支援を求めることで、負担を軽減し自分自身の時間を確保できるようになります。これは精神的な休息を得ることにもつながり、心身の健康を維持するために非常に重要です。
支援を求めることに罪悪感を感じる必要はありません。自分自身を大切にすることは、家族や周りの幸福にもつながります。
休職する
休職は心身の健康を回復させるために有効な方法です。休職期間中は、日々のプレッシャーから離れ、自己ケアに集中できる時間を持てるからです。
また、治療を受けたり生活バランスを見直したりする機会も得られます。ただし、休職を決断する前には、職場の人事部門や上司と相談し、必要な手続きを確認してください。
カウンセラーに相談する
涙が止まらない状態が続くときは、カウンセラーへの相談も大事です。カウンセラーに相談することで、自分の感情や状況を専門家に共有できるので、涙が止まらない原因を突き止められるでしょう。
また、カウンセリングではストレス管理のテクニックや感情のコントロール方法、対人関係の改善策など、さまざまな対処法についてアドバイスを受けられます。
うつ病や不安障害などの精神的な問題が原因である場合には、適切な治療法を見つけるための第一歩にもなるでしょう。
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涙がとまらないときに疑われる病気
さまざまな対処法に取り組んでも改善が見られない場合は、病気の可能性があります。涙が止まらないときに考えられる病気には、うつ病や適応障害、PTSDなどが挙げられます。
それぞれどのような症状が現れたり特徴があるのか確認してみましょう。
うつ病
うつ病は深い悲しみ、興味や喜びの喪失、疲労感、集中困難などの症状を特徴とする精神障害です。これらの症状が2週間以上続く場合、うつ病の診断がなされることがあります。
涙が止まらないことも一般的な症状の一つで、患者はしばしば自己価値の低下を感じたり、過度の罪悪感を抱いたりします。
うつ病は遺伝や過剰なストレスなどによって引き起こされることがあります。治療方法は薬物療法、心理療法、ライフスタイルの変更などが挙げられます。
適応障害
適応障害は、環境の変化や人生の転機、ストレスの多いできごとに対して適切に対応できずに生じる精神的疾患です。
症状はうつ病に似ており、悲しみ、不安、睡眠障害、集中困難などが挙げられます。
適応障害は何かしらの出来事があってから3ヵ月以内に発症し、半年以内に解消するケースがほとんどです。
よって、カウンセリングなどで対処しても半年以上症状が続く場合は他の疾患が疑われるでしょう。
双極性障害
双極性障害は、極端な気分の変動を特徴とする精神疾患です。具体的には、高揚感(躁状態)と抑うつ感(うつ状態)の極端な周期を繰り返します。
躁状態では、過剰なエネルギー、睡眠の必要性の減少、過大評価感、ときには妄想や躁動を伴うこともあります。
対照的にうつ状態では、深刻な悲しみ、希望の喪失、興味や喜びの喪失、過度の疲労感、集中困難などが典型的な症状です。
これらの周期は予測不可能で、しばしば日常生活に大きな支障をきたします。治療は通常、薬物療法と心理療法の組み合わせて行うケースがほとんどです。
自律神経失調症
自律神経失調症は、自律神経の不調による心身の不調のことです。自律神経系は心拍数、消化、呼吸など、私たちが意識的にコントロールできない身体の機能を調整します。
自律神経失調症では、めまい、頭痛、胸の痛み、息切れ、過度の発汗、消化不良、睡眠障害などの症状が考えられます。ときには涙が止まらないこともあるでしょう。
薬物療法や精神療法、日常生活に関する生活療法によって治療しています。
PTSD
PTSDは心的外傷後ストレス障害とも呼ばれ、重大なストレスや外傷的なできごとを経験したあとに起こる精神疾患です。自然災害や暴力的な事件などが原因で起こります。
PTSDに苦しむ人々は、悪夢やフラッシュバック、過剰な警戒心、そして感情の麻痺を経験するでしょう。
これらの症状は、涙が止まらないなどの感情の爆発を引き起こすことがあり、日常生活に大きな影響を及ぼします。治療法としては、精神療法や薬物療法などが挙げられます。
PTSDについてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください!
不安障害
不安障害は、特定のできごとについて過度の心配や恐れによって起こる精神疾患です。汎発性不安障害、社交不安障害、特定恐怖症などが含まれます。
不安障害に陥ると、日常生活の些細なことでも心配になったり不安になったりするケースが多いでしょう。
不安な気持ちから涙が止まらなくなることもあり、感情をコントロールできなくなることも。
治療法は、薬物療法と精神療法を併用することがほとんどです。
更年期障害
更年期障害は、女性が閉経を迎える時期に見られる心身の不調です。ホルモンの変動が主な原因であり、潮汗、睡眠障害、気分変動、不安感などが現れます。
急な涙や気分の波に悩まされることもあります。治療は生活スタイルの変更、ホルモン補充療法、心理療法などです。
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まとめ
涙が止まらないのは、日々のストレスや疲労、環境の変化などさまざまな要因が考えられます。
まずは、自分でできる対処方法を実践していき、症状の改善に努めましょう。それでも改善しないときはカウンセラーを頼るのも方法のひとつです。
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