ピーターパン症候群とは?意味・診断・治し方と男女別の特徴を解説

現代社会で「ピーターパン症候群」という言葉を耳にすることがありますが、一体それはどんな意味を持つのでしょうか?

本記事では、ピーターパン症候群について、その意味や診断方法、治し方を詳しく解説します。さらに、男性と女性に見られる特徴の違いについても掘り下げていきます。自身や周囲の人の症状を理解し、適切な対処方法を見つけるための情報を提供します。

この記事を読めば、ピーターパン症候群がどういったものであるかをしっかり理解することができます。

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ピーターパン症候群(ピーター・パン・シンドローム)とは?簡単に意味を紹介!

ピーターパン症候群(ピーター・パン・シンドローム)とは?簡単に意味を紹介!

ピーターパン症候群(ピーター・パン・シンドローム)は、1983年にアメリカの心理学者ダン・カイリーが著書『ピーターパン症候群』(原題:Peter Pan Syndrome)で提唱した概念です。

この症候群は、大人の年齢に達しているにもかかわらず、精神的に成熟しないままの「おとな・こども」「子どものような言動や行動をとる大人」を意味しています。

ピーターパン症候群(ピーター・パン・シンドローム)の意味

ピーターパン症候群は、精神的に成熟しきれていない「おとな・こども」の心の症候群です。

大人なのに、「まるで子供のような言動をとる」「一見夢や希望を抱き強い自己信念を持って邁進しているようで実際は自分でその責任を取ることができない」など、精神的な未熟さによる言動や行動、感情表現等によって、対人的・社会的に支障をきたす傾向がある症候群です。

この症候群を持つ人々は、表面上は夢や希望を抱いているように見えますが、実際には責任を取ることができないため、周囲との関係で問題を引き起こすことが多いです。

なお、ピーターパン症候群は正式な精神疾患や発達障害の診断名ではありませんが、カウンセリングや心療内科で取り扱われることがあります。

ピーターパン症候群(ピーター・パン・シンドローム)の由来

ピーターパン症候群(ピーター・パン・シンドローム)の由来

「ピーターパン」という名前は、英国の童話作家J.M.バリーが1911年に出版した『ピーターパンとウェンディ』から来ています。

ピーターパンはネバーランドという夢の国で冒険を繰り広げる「永遠の少年」として知られています。ディズニーが1953年にこの物語をアニメ映画化し、世界的に有名になりました。

作中でピーターパンは、「ぼくは大人になんかなりたくない。いつまでも子どもでいて楽しく遊びたいんだ。」と言っています。この言葉が、「決して大人にならない男たち」、すなわち「ピーターパンシンドローム」の由来となっています。

ピーターパン症候群の現代的意義

昔の物語から名付けられたこの症候群は、現代社会にも当てはまる現象です。

当初は男性に多いとされていましたが、現在では女性にも一定数存在すると言われています。

自己成長を拒み、永遠に子供でいたいと願う心理が、現代の多様な社会背景と相まってピーターパン症候群を引き起こす原因と考えられます。

ピーターパン症候群の5つの特徴

ピーターパン症候群の5つの特徴

ピーターパン症候群の人々は、見た目は立派な大人でありながら内面は幼い子どものままです。また、他責的な思考傾向で、謝罪をすることができないという特徴があります。

一方で、不安感や孤独感を抱えている場合が多いため、他人に執着し、仲間外れにされることに耐えられずに感情を爆発させることもあります。

以下に、ピーターパン症候群の5つの特徴を詳しく紹介します。

  1. まさに子どものよう:『自己中心的』
  2. 楽しいことはするけれど責任を負うのは嫌:『無責任』
  3. 誰かに支えられないと無理:『依存的』
  4. 相手との関わり方が幼く下手:『反抗的で怒りやすい』
  5. 周囲に目を配り自分に都合のよい方向へ:『ずる賢さ』

①まさに子どものよう:『自己中心的』

ピーターパン症候群の人は、一見自己肯定感が高く信念を持っているように見えますが、内面は子どものように自己中心的です。

自分がしたいことや楽しいことにしか関心がなく、他責的で、自分の非を認めることができません。

常に他人に責任を転嫁する傾向があります。

②楽しいことはするけれど責任を負うのは嫌:『無責任』

やりたいことや楽しいことには積極的に取り組みますが、その結果として生じた問題に対して責任を取ることができません。

問題が発生すると、子どものように理由をつけて回避しようとし、リスクを負うことを嫌がります。
自分の行動に対して責任を取ることが難しいのが特徴です。

③誰かに支えられないと無理:『依存的』

③誰かに支えられないと無理:『依存的』

ピーターパン症候群の人は、内面的には非常に傷つきやすく、不安感や孤独感を抱えています。そのため、他人に対して強く依存し、特に恋人や友人に異常なほど執着します。

都合の良い関係を見つけると、そこに甘えて自分の都合の悪い部分を他人に引き受けてもらうことが当たり前のように感じてしまいます。

④相手との関わり方が幼く下手:『反抗的で怒りやすい』

自分に都合の悪いことを言われたり、態度を取られたりすると、反抗的な言動や行動に出やすいです。

自己肯定感が高そうに見えても、内心は劣等感や不安感が強く、実際には自己肯定感が低いことが多いです。

仲間外れにされることに耐えられず、感情を爆発させることもあります。

⑤周囲に目を配り自分に都合のよい方向へ:『ずる賢さ』

ピーターパン症候群の人は、大人の思考能力を持ちながらも、社会的な視点で物事を考えることができません。

常に「自分がうまくいくためにはどうすれば良いか?」を優先して考えます。

一見、乱暴な言動や反抗的な態度を取ることがありますが、実際には自己中心的な目標を達成するために策略を練ることができるずる賢さも持っています。

ピーターパン症候群の女性の特徴

ピーターパン症候群の女性の特徴

最近では、ピーターパン症候群の症状が女性にも見られることが増えています。

男性と同様の症状に加えて、女性の場合はシンデレラシンドロームと呼ばれる傾向も見られます。

これらの症状はいずれも精神的に大人になれないことで引き起こされる行動に特徴があります。

  • 喜怒哀楽が激しく精神的に大人になりきれていない
  • プライドが高く、自己愛が強い・ナルシズムの傾向がある
  • 責任感が薄く、嫌なことがあると自分の殻にこもってしまう、妄想の世界に入りやすい傾向
  • 人の話を聞かない、謝ることができない。一方で恋愛依存が強い
  • メンタル的には「打たれ弱く」対人関係で不安や恐れを抱いている

支える側の女性の特徴・傾向

ピーターパンのそばには、常に献身的に支えるウェンディが存在します。これは現実世界でも同様で、ピーターパン症候群の男性を支える女性に「ウェンディ症候群」または「ウェンディジレンマ」という症状が見られます。

ウェンディは、ピーターパンが魅力的でトラブルを引き起こす人物であり続けるために、常に彼を支え続けます。自己犠牲も厭わない献身的な女性であり、ピーターパンにとっては自分の行動の責任を負ってくれる母親のような存在です。

「依存したい側」と「献身的に支えたい側」の関係は、互いに依存し合う関係を形成します。しかし、現実社会では、この関係が長続きすることは難しく、支える側の女性が疲弊するか、愛想を尽かしてしまうケースが多いです。そのため、支える側の女性が自身の気持ちに気づき、対策を講じることが重要です。

このように、ピーターパン症候群とウェンディ症候群は相互依存の関係にあり、双方が健全な関係を築くためには、自己認識と適切なサポートが不可欠です。

オンラインカウンセリング「Kimochi」では、自分の好きな時間・好きな場所で心の相談を行えます。

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ピーターパン症候群の男性の特徴

ピーターパン症候群の男性の特徴

ピーターパン症候群の男性は、人間的に未熟でナルシズムに走る傾向があります。

精神的には子どものままで、周囲の目を気にしながらも自己愛が強く、能力以上に自分を良く見せようとします。

内面には劣等感や不安感が根底にあり、その結果、子どものような表現や対応を取ることが多いです。

  • 他人の価値観を受け入れることが出来ず、自分の価値観を強要する
  • 自己愛が強いため、時に見栄を張り自分を必要以上によく見せようとする
  • プライドは高いが、内面はとてももろく傷つきやすい
  • 大人社会に適応できず、必然的に孤立してしまうことが多い
  • 男尊女卑の傾向があり、男を立てる『わがままを許してくれる母』であることを求める

ピーターパン症候群の原因は?

ピーターパン症候群の原因については様々な説が唱えられています。

過保護への依存、マザーコンプレックスの延長、幼少期に受けた苛めや虐待による過度なストレス、さらに社会的な「劣等感」や「孤独感」がトラウマとして無意識に培われてきた結果、限定的な考え方がこの症候群を引き起こしていると考えられています。

しかし、現時点でははっきりとした因果関係は明らかになっていません。

過保護への依存

過保護・過干渉の親に育てられた子どもは、親が先回りしてすべてを決めるため、自己決定ができなくなります。

親の期待に応えようとすることで、他人の評価を過剰に気にするようになり、自分で意思決定する経験が少ないため、恐怖感や不安が強くなり、他人に依存する傾向が見られます。

マザーコンプレックスの延長

マザーコンプレックス(mother complex)とは、母親に対して強い愛着や執着を持つ状態を指します。

特に男性の場合、母親に対する強い依存心が女性に対する依存心へとつながり、この依存性がピーターパン症候群の一因となることがあります。

幼少期に受けた苛めや虐待による過度なストレス

幼児期に仲間外れや暴力を受けた強烈に残る嫌な経験や以下のような家庭での虐待を受けた体験が大人になってもストレスとして残っている可能性が原因として考えられます。

殴る・蹴る・叩く「身体的虐待」、食事を与えない・自動車の中に放置する・重い病気になっても病院に連れていかない「ネグレクト」、言葉による脅し・無視・家庭内での差別的扱い「心理的虐待」、子どもへの性的行為・性的行為を見せる・性器を触る又は触らせる「性的虐待」が虐待にあたります。

社会的な「劣等感」や「孤独感」

ピーターパン症候群の特徴には、「やりたいことには向かえるが、問題を自分で解決できない無責任さ」、「プライドが高いが、周りの目が気になる」といった点があります。

これらの背景には、常に自分を他人と比較し、自分を特別視したがる一方で、常に不安を感じ、誰かに頼りたいという気持ちがあります。

このため、根底に「劣等感」や「孤独感」を抱えていることが多く、これが原因の一つとして考えられます。

ピーターパン症候群のセルフ診断

自分や、自分の周りの人は該当しているのでは?と気になる方もいるかと思います。

以下の項目に多く該当する場合は、ピーターパン症候群かもしれません。

あくまでセルフチェックですから決めつけず、精神科や心療内科にしっかりみていただきましょう。









ピーターパン症候群の治し方・克服の方法

ピーターパン症候群の治し方・克服の方法

ピーターパン症候群を克服するためには、まず「ひょっとしてそうなのかな?」と自分の状況に気づくことが大切です。

周囲の人の力を借りながら、自己に気づき、それを受け止めていく意識も必要です。

自身のペースで改善し、現実世界との調和を図りつつ、より充実した生活を送るためのサポートが求められます。

オンラインカウンセリング

カウンセリングはピーターパン症候群の克服に効果的な手法の一つです。特にオンラインカウンセリングは、敷居が低く、誰でも手軽に始められるアプローチです。
カウンセリングでは、話を聞いてもらうことから始まり、アウトプットを通じて様々な気づきを得ることができます。

オンラインカウンセリング「Kimochi」では、国家資格を持つカウンセラーがサポートを提供しています。

Kimochiはサブスクリプションベースのサービスであり、続けやすいのが特徴です。確かなカウンセリングを受けることで、自己理解を深め、心の健康を保つことができます。

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精神科・心療内科

専門的な視点から適切なストレスマネジメントやリラクセーション技法を学ぶことも重要です。これにより、不快な状況に対処し、感情や行動をコントロールする能力が向上します。日常生活のストレスや不安を軽減し、心の平穏を保つのに役立ちます。

精神科や心療内科では、適切な支援を受けることで、自分に対する悩みや無力感から解放され、自信を取り戻し、精神的に成長することが可能です。「こころの相談」として利用する人も多く、安心して相談に行くことが推奨されます。

ピーターパン症候群の克服には時間がかかりますが、自己理解を深め、サポートを受けながら前向きに取り組むことが大切です。心の健康を保ち、より良い生活を目指しましょう。

まとめ

夢に向かって突き進むのも悪くないですが、その人が大人になりきれていない子どものままの人「ピーターパン症候群」だったら「生きづらい」のは誰でしたか?本人はもちろん周囲の人を含めて誰も幸せになれませんね。

まずはこの事実に気づいてください。そして受け入れ(かなり勇気と決心がいると思いますが)、心の成長を手にしていってください。

その方がきっと大きな夢をつかめることでしょう!

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